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大阪鶴橋の下町にある安アパート「コーポ」を舞台にした群像劇、と解説には書いてあったんだけど,彼女たちが暮らすアパートは鶴橋にはない。
主人公のユリを馬場ふみかが演じる。冒頭彼女が自転車で通天閣から十三大橋を渡り、北区にあるアパートに着く。そこには東出昌大、倉悠貴、笹野高史、もうひとり(タバコ交換をねだるおばさん)が暮らしている。
アパートの周辺は描かれない。ここはたぶん大阪のどこか。ラストには鶴橋という街角表示は取ってつけたように出てくる。生野区という文字も一瞬映るけど。撮影は都内の下町でしたはず。(ラストクレジットに八王子市とあった)これはリアルな大阪ではない。この映画はそんなのを求めていない。
新人の仁同正明監督作品。ここにはまるで話はない。何もしたくないみたいだ。ただここにいる。静かに暮らしている。貧しいけど、気にしない。これでいい。一応4章仕立てにはなっている。メインキャスト4人の名前がそれぞれの章のタイトルになっているし、彼らが主役だけど、それだけ。深くは描かれない。浅く描く。彼らが何者かはわからない。ただ彼らはなんとなくここで暮らしている。居心地は悪くないみたいだ。それはよかった。これはそんな映画。