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映画・演劇のレビュー

『クローバーフィルド』

2008-12-10 22:25:16 | 映画
 この映画は絶対に劇場では見たくなかった。アメリカで評判になった時、一体どんな映画なのだろうか、とかなり期待したが、情報が入ってくるうちにどんどん期待は萎んでいった。でも、いくら期待しなくても、こういうゲテモノは絶対に見るのが僕の主義(どんな主義なのやら)だから、劇場公開後、すぐに駆けつける予定だったが、情報を収集すると、いくら考えても、時間の無駄っぽいと判明した。『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』タイプの映画という評判を聞き、やめにしたのだ。

 ということで、ようやくほどぼりも冷めたので、レンタルしてきた。予想通りのゴミ映画で見ながらひとり受けた。こういう映画を劇場で見たなら、生きていくのが嫌になるだろう。情けなくて。アメリカ人はこういうの、好きだねぇ。よほど暇なのだろう。

 ビデオで撮った映像という設定のセミドキュメンタリータッチの低予算映画である。ニューヨークを未曾有の災害が襲うのを素人がホームムービーで撮影した記録というスタイル。前半なんて、あほらしくて見る気にもならない。だが、あれがなくてはこの映画は成立しません。で、いきなりなんの前触れもなく、どか~んと災害が起きます。なんだかよくわからんモンスターも出てきて、いやぁ、どうなるんだ!なんて、思ううちにいきなり終わる。だまされた気分だが、最初からだまそうとした映画なのだから、これでいいのです。

  あまりの予想通りの展開に、もしかしたらこれ、劇場で見たんだったっけ、なんて思ったほどです。昔、この手の安物映画はたくさんあった。見世物小屋みたいなものだ。

 殺人をそのまま描いた映画で評判になった『スナッフ』とか、ライオンに人が食べられる瞬間を偶然撮影したという触れ込みの『グレート・ハンティング』とか、そんなげてもの映画なら枚挙に暇もない。いずれも今ではこの世界から消えてなくなった映画である。

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