グサヴィエ・ドラン、19歳のデビュー作を見た。前から見たいと思っていたけど、きっと、暗いし、重いから、と先送りしてしまっていた。でも、先週彼の最新作『マミー Mommy』を見て、今、見ずしていつ見る、と覚悟を決めた。(なんと、おおげさ)19歳で監督、脚本、主演を一手に引き受けて、これだけの作品を作るなんて、改めて脱帽だ。こいつは恐るべき子供だ。
母親との確執を描き、とことん両者の関係を突き詰めて見せていく姿勢は『マミー Mommy』と変わらない。彼のこの頑なさは、きっとそのすべての作品に通じる。このデビュー作から最新作まで一貫して、ぶれることはない。そこも凄い。それにしてもこの完成度の高さには驚くしかない。『マミー Mommy』と較べるまでもない。まるで両者には遜色はないのだ。圧倒的だ。
ここまで母親を追いつめる息子はいない。16歳であることの苛立ちをストレートにぶつけてくる。もちろん、それは暴力ではない。言葉と行動で投げかける。子供であるのはどっちだ、と言われると、少年ではなく、母親のほうだろう。そのことを、映画は冷静に描いていく。だが、一方的にそれを描くのではなく、対等に描いていくのだ。息子対母の対決の図式を全編で繰り広げる。それは壮絶な戦いだ。
その先に見えてくるものは、母親と息子という戦場に中にある穏やかな共感だ。わかりあえない、ではなく、わかりあえる。なんとそこには、他者を一切寄せ付けない彼らだけの世界がそこにはあるのだ。
母親との確執を描き、とことん両者の関係を突き詰めて見せていく姿勢は『マミー Mommy』と変わらない。彼のこの頑なさは、きっとそのすべての作品に通じる。このデビュー作から最新作まで一貫して、ぶれることはない。そこも凄い。それにしてもこの完成度の高さには驚くしかない。『マミー Mommy』と較べるまでもない。まるで両者には遜色はないのだ。圧倒的だ。
ここまで母親を追いつめる息子はいない。16歳であることの苛立ちをストレートにぶつけてくる。もちろん、それは暴力ではない。言葉と行動で投げかける。子供であるのはどっちだ、と言われると、少年ではなく、母親のほうだろう。そのことを、映画は冷静に描いていく。だが、一方的にそれを描くのではなく、対等に描いていくのだ。息子対母の対決の図式を全編で繰り広げる。それは壮絶な戦いだ。
その先に見えてくるものは、母親と息子という戦場に中にある穏やかな共感だ。わかりあえない、ではなく、わかりあえる。なんとそこには、他者を一切寄せ付けない彼らだけの世界がそこにはあるのだ。