前作と基本的には同じような見せ方をしているのに、革命の成功を描く前作に対して、革命の失敗を描いた本作という結果ゆえなのか、まるでタッチが変わったような印象を受けた。まぁ単純に時間軸に沿って順に見せていくというところは前作とは違うのだが。それにしても今回、実にシンプルな作り方をした。これはかなり意図的な構成である。ボリビアでの失敗は彼の戦略ミスではない。運がなかったわけでもない。ではなぜこうなったのか。そこがこの映画の描きたかったところなのだろう。しかし、それを説明していくわけではない。それどころか映画は実に寡黙である。
感情を排してあるがままにチェ・ゲバラという男の日々を追って見せていく。ボリビアに入った日から、殺されるまでをドキュメントしていく。大袈裟な描写は一切ない。ただ静かに彼がもうひとつの革命を目指して行動していくさまが淡々と描かれていく。前作と違い派手な見せ場は一切ない。かといって悲壮感漂う悲劇として見せるのでもない。これは彼がなぜ失敗したのかを究明する映画ではない。彼の冒険を静かに見せていくだけだ。だがこれを男のロマンだなんて持ち上げるわけではない。
ソダーバーグはチェを描くためのこの2部作を最初はこのボリビア編のみで見せるつもりだったらしい。しかし、この話を見せるためにはそれ以前のキューバ革命から語り起こさなくては伝えたいことが伝わりきらないと考え、現行のスタイルにしたようだ。だが、高揚した気分にさせてくれる前作と比較して、今回の地味さは一体どう受け止めたらいいのか、戸惑う。もちろん革命の英雄伝をここで見せようとしたわけではない。悲劇のヒーローを見せたいのでもない。ソダーバーグはひとりの青年の理想を記録映画のようなスタンスで見せ、そこに革命というものの現実を描きこめようとしたのではないか。主人公がチェでなくてはならないという切実さはない。そんな距離感がこの映画を成功させた。
感情を排してあるがままにチェ・ゲバラという男の日々を追って見せていく。ボリビアに入った日から、殺されるまでをドキュメントしていく。大袈裟な描写は一切ない。ただ静かに彼がもうひとつの革命を目指して行動していくさまが淡々と描かれていく。前作と違い派手な見せ場は一切ない。かといって悲壮感漂う悲劇として見せるのでもない。これは彼がなぜ失敗したのかを究明する映画ではない。彼の冒険を静かに見せていくだけだ。だがこれを男のロマンだなんて持ち上げるわけではない。
ソダーバーグはチェを描くためのこの2部作を最初はこのボリビア編のみで見せるつもりだったらしい。しかし、この話を見せるためにはそれ以前のキューバ革命から語り起こさなくては伝えたいことが伝わりきらないと考え、現行のスタイルにしたようだ。だが、高揚した気分にさせてくれる前作と比較して、今回の地味さは一体どう受け止めたらいいのか、戸惑う。もちろん革命の英雄伝をここで見せようとしたわけではない。悲劇のヒーローを見せたいのでもない。ソダーバーグはひとりの青年の理想を記録映画のようなスタンスで見せ、そこに革命というものの現実を描きこめようとしたのではないか。主人公がチェでなくてはならないという切実さはない。そんな距離感がこの映画を成功させた。