この夏、久しぶりに台北に行くことになった。4日間の短期だが、楽しみだ。この映画は台北から花蓮を舞台にしたノワールなので、参考にする、とかいうわけではないけど、ついつい見てしまった。だが、なんだかつまらない。
お話がまるで動かないし、何がしたいのかもよくわからない映画だ。では、台湾の風景が魅力的か、というとそういうわけでもない。いかにも台湾、というような風景は描かれない。観光映画ではないのだから当然のことなのだろうけど、そこにあるのはうらぶれた風景ばかり。そんな中で豊川悦司はこの異国の地でひっそりと暮らしている。そこに妻夫木聡がやってくる。この設定は悪くないと思うのだ。そこからかれらふたりの珍道中が始まるはず、だったのだが、映画は停滞するばかりでまるで弾まない。豊悦はしゃべらない。妻夫木はベラベラうるさい。2人は追っ手から逃れるために台北から逃げ出す。そんな話なのだけど、まるで緊張感がない。
台湾は「パラダイス」なのか。しかも、その「ネクスト」ってなんなんだ?このタイトルが示唆するものが描かれていたならまだ興味深いのだが、そうでもない。 この映画に描かれる台湾は夢の楽園ではない。有名な観光スポットは一切出てこない。それどころか先にも書いたように、うらぶれた風景ばかりが出てくる。主人公2人の逃避行を描く映画だからそうなるのか。半野監督はそんなものには興味がない。では、何を目指してこの映画は作られたのか。僕にはよくわからない。
つまらない。最近、そんな映画ばかり(たまたまだろうけど)で、戸惑う。最近僕の感性が鈍くなってきたこともあろうが、それにしても焦点がぼやけた映画が多すぎる。