なんとも不思議な作品。弱いことで強くなろうとする。チワワのピンバッジを付けた人が800人。知らない間に付けられていた。誰が何のために。そこから始まる社会現象と、そこから始まる恋人の失踪。そんなふたつの大問題を解決するまでのお話。
社会的な問題と個人的な問題が同時に等価なものとして彼女の前に起きる。主人公は25歳の琴美。親友のミアと事件を追う。
ラストがちょっと弱いのが惜しい。それまでの謎解きが簡単過ぎてもの足りない。上手く話をまとめたなぁとは思うけど、小さくまとめすぎ。もっと壮大な背景があるかと思っていたからあれでは少し拍子抜け。
守ってくれるミアと、もう守ってもらわなくてもいい琴美。ふたりの関係が逆転することから何が生まれてくるのか。そこまで書かないことには終わらない。