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映画・演劇のレビュー

『バレリーナ』

2024-04-07 06:18:00 | 映画

2023年Netflix製作の韓国映画。とことんスタイリッシュだけを貫くアクション映画。ため息が出るくらいに(カッコよくて)美しい。そして潔いくらいに中身はない。ただ完璧な映像だけを見せてやる、っていう意気込みが伝わってくる。監督は『ザ・コール』のイ・チュンヒョン。

上映時間は93分と実に短い。ムダをとことん排除して何の説明もしない。感覚や気分で描く。主人公のオクジャ(チャン・ジョンソ)は謎の殺し屋。もちろん寡黙。リック・ベッソンの『ニキータ』を想起させる。夢を絶たれた友人(彼女がタイトルにあるバレリーナである)からの依頼を受けて、彼女を死なせた奴らにたったひとりで復讐する。

冒頭のアクションから、復讐相手である敵役のキム・ジフン(めちゃくちゃ強い!)との戦いまでが一気。彼は女をモノとしてしか扱わない。彼だけでなくこの映画に出てくる男たちはみんな心がない。

そして、彼女は勝つ。普通ならそこで終わり。しかし、そこまででまだ30分くらい。ラスボスが30分でやられていいのか、と思う間もなく、さらなる展開が始まる。組織のボスは彼ではない。
 
クライマックスの戦いでも、まさかの一瞬でほんとのボスを一撃。えっ!って感じ。その後残り全員もやっつけてしまう。最後に再びキム・ジフンがやって来てファイナル・バトルから火炎放射器による復讐完了。細部のドラマなんて不要。背景は勝手に想像すればいい。ここまで徹底するから気持ちがいい。女をモノとして扱う男たちを徹底的に叩きのめす。チャン・ジョンソがクールだ

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