先日見た『パリタクシー』が素晴らしかったけど、元タクシー運転手でもある広小路さんの新作は久々にタクシードライバーが主人公。12のさまざまな場所が舞台になるエピソードが綴られる。
伊勢から始まり、飛騨高山まで。ご当地タクシー運転手がお客さんを乗せて旅のお供をする。僕も行ったことがある場所がかなりの確率で出てきたからなんだか楽しい。
流しのタクシーではなく、お迎えして観光に随行する。一見の客だけど、旅の同行者でもある。自分の暮らす町を案内して楽しんでいただく。そんなある日のスケッチである。12の町。それぞれの想い。ほんのわずかな時間。確かなふれあい。まるでその町を旅した気分にさせられる。なんだか得した気になる。
先に書いた『パリタクシー』の番外編って感じだ。というか、こちらが本編で、あの映画はスペシャル版って感じか。同じように一瞬のふれあい、人生の特別な時間。