猫弁シリーズセカンドステージ第4作だ。楽しみにしていた。毎年新刊が出るとさっそく読んでいる。今回も猫弁こと百瀬は呆れるくらいに優しい。周りのことばかり考えて自分の事はお座なり。
狼少女を助けて大活躍する。と、いう話なのだが、ひさしぶりの新刊なので前回までのお話を忘れている。1話完結だけど、人間関係はしっかりつながっているからそこを思い出さないと話は飲み込めない。なのにそんなことお構いなしでストーリーはどんどん進んでいく。
でも、大丈夫。読んでいたら思い出すから。百瀬さんについていけばいい。作中のみんなもそうしてるから、読者である僕もそうしてる。あっという間に読み進み、終わってしまうのが残念だ。これでまた1年待たなくてはならないし。
それにしても今回は苦しい。何がかと言うと、百瀬さんが勾留されていてほとんど登場しないからだ。冒頭で警察に逮捕されて、最終章でようやく釈放されるまではずっと拘置所の中。だから今回は猫弁版『羊たちの沈黙』なのである。(百瀬はレクター教授、ね)檻の中からみんなに指示を出して事件を解決していくというパターン。
しかも肝心の狼少女も最初と最後にしか出てこない。じゃぁ誰がお話を引っ張ってくれるのか。もちろん百瀬さんのスタッフや仲間たちです。
だけど、やはりラストで百瀬が登場してからが素晴らしい。僕も正水直と同じく、百瀬さんになりたいと思う。