ベン・アフレック監督、マット・デイモン主演による最新作。GWに劇場公開した作品が早くもAmazonプライム・ビデオで配信がスタートした。いいのか、これで、と心配になる。それでなくとも来月から映画料金が値上がりして2000円になるのに、配信で家ですぐ見られるのでは、誰も劇場に行かなくなるのではないかと心配になる。
まぁ、それはさておき、この映画である。『グッド・ウィル・ハンティング』の脚本、主演コンビが共演して手掛ける。だからこれはただの娯楽映画ではない。とてもよく出来た娯楽映画なのだ。テンポよく話が進み、やがて感動する。NIKEがマイケル・ジョーダンと契約を結んでエア・ジョーダンを作ることになるまでの感動秘話。実話を実名で描いていく。ライバル会社のコンバースやアディダスもちゃんと出てきて、なんだか無茶苦茶言われたりするし。大丈夫かなと心配になる。実話であろうとも日本の企業なら文句をつけて成り立たない話だ。有り得ないだろう。
今では天下のNIKEがライバル会社からかなり水を開けられていた1984年。バスケットシューズ市場で挽回するためにジョーダンを取り込みたいが、ジョーダンはアディダスが大好きだし、当時の最大手コンバースに資金面でも太刀打ちできない。さぁ、どうする? そんな不可能を可能にするための戦いが描かれる。とてもわかりやすい映画で、あっという間にラストまで連れていかれる。こんなにもシンプルなお話なのに、ドキドキさせる。
マット・デイモンがお腹にたっぷり肉を付けた中年男を演じ見事。みっともない姿だから、リアル。元バスケットプレイヤーで、バスケットに今も夢を抱いている。NIKEのバスケット部門のチーフとして、最大の賭けに挑む。盟友であり、この映画の監督のベンがNIKEのCEOを演じて、ふたりのコンビネーションプレイがこの映画を成功に導く。ナイス・プレイ。