こういう女の子たちのお話は好きだ。みんながみんなそれぞれの不安を抱えて生きている。でも、それを表には出せない。自分の中に抱えて生きる。でも、ふとしたはずみで溢れだす。そうするともう、止まらない。4人の高校時代の同級生が東京で再会して、再び友だちとなる。卒業から14年後。もうそれぞれ、大人になり、結婚もしている。家庭を築き、安定した毎日を送っている。少なくとも表面的には。でも、そう見えるだけだ。
当然、4話からなる。4人がそれぞれのエピソードの主人公だ。でも、オムニバスではなく、話はちゃんとつながる。みんなそれぞれ全く違う環境にある。あの頃だって、そうだった。でも、高校生であるというだけで、守られていたのだ、と今になってわかる。家庭を持ち、夫がいるのに、あの頃よりも寂しい。自分は幸せだ、と信じていた。でも、果たしてそうなのか、と疑う。ほかの女の子がうらやましい。ほかの3人は自分にはないものを持っている。相手をちょっと見下していたはずなのに、気がつけば、自分のほうが下の立場にあるような気がして。
こんなにも、なかよしで、会話が弾む。毎月の食事会は楽しい。それが一番の楽しみだ、と言っていいくらいに。最初はそうだった、はず。なのに、何かが変わってくる。不妊治療の問題、体調の変化、仕事のこと、夫との関係。30代の女の子が、悩む。ぶつかりあう。
読みながら、とても、切実で、なんだか、幸せな気分にさせられた。みんなこんな風にして、生きている。そんな当たり前のことを教えられる。最近の飛鳥井千砂はとても、読みやすい、わかりやすい。でも、それが嫌ではない。以前の重く暗いタッチはない。なんだか、一皮むけたような気分。もちろん、以前の小説が大好きだったから、ちょっと物足りない気分ではある。でも、これが今の彼女の書きたいことなのだ、と思えるからいい。単純に編集者の意向でやりたくもない仕事をしている、とかいうわけではないからだ。
4人の女性たちは、それぞれが自分の今いる場所を大切に思っている。もちろん、他人を(まず、それはほかの3人を、だが)羨むこともある。でも、そこで、自分を卑下したりしない。自分と相手は違う人間なのだ、という当たり前のことをちゃんとわかっているし、だから、尊敬できる。それは配偶者に対しても言える。夫を信頼している。ちゃんと、他者としての距離をとった上で。そういう微妙な立ち位置の確保が必要なのだ。そうすることで、彼女たちは女の子から、ちゃんとした女性になることができる。
当然、4話からなる。4人がそれぞれのエピソードの主人公だ。でも、オムニバスではなく、話はちゃんとつながる。みんなそれぞれ全く違う環境にある。あの頃だって、そうだった。でも、高校生であるというだけで、守られていたのだ、と今になってわかる。家庭を持ち、夫がいるのに、あの頃よりも寂しい。自分は幸せだ、と信じていた。でも、果たしてそうなのか、と疑う。ほかの女の子がうらやましい。ほかの3人は自分にはないものを持っている。相手をちょっと見下していたはずなのに、気がつけば、自分のほうが下の立場にあるような気がして。
こんなにも、なかよしで、会話が弾む。毎月の食事会は楽しい。それが一番の楽しみだ、と言っていいくらいに。最初はそうだった、はず。なのに、何かが変わってくる。不妊治療の問題、体調の変化、仕事のこと、夫との関係。30代の女の子が、悩む。ぶつかりあう。
読みながら、とても、切実で、なんだか、幸せな気分にさせられた。みんなこんな風にして、生きている。そんな当たり前のことを教えられる。最近の飛鳥井千砂はとても、読みやすい、わかりやすい。でも、それが嫌ではない。以前の重く暗いタッチはない。なんだか、一皮むけたような気分。もちろん、以前の小説が大好きだったから、ちょっと物足りない気分ではある。でも、これが今の彼女の書きたいことなのだ、と思えるからいい。単純に編集者の意向でやりたくもない仕事をしている、とかいうわけではないからだ。
4人の女性たちは、それぞれが自分の今いる場所を大切に思っている。もちろん、他人を(まず、それはほかの3人を、だが)羨むこともある。でも、そこで、自分を卑下したりしない。自分と相手は違う人間なのだ、という当たり前のことをちゃんとわかっているし、だから、尊敬できる。それは配偶者に対しても言える。夫を信頼している。ちゃんと、他者としての距離をとった上で。そういう微妙な立ち位置の確保が必要なのだ。そうすることで、彼女たちは女の子から、ちゃんとした女性になることができる。