予想通り一作目ほどには面白くない。2匹目のどじょうというわけではないのだけれど、(もともと原作が2部作スタイル)この後半はつまらない。大胆にも少年時代だけで完結させた前作は確かにあれで終わっていたのだ、なのに、大ヒットしたから、後半も映画化してしまった。
なぜ、彼らは27年後にもう一度あの町に帰ることになるのか。そこをもっと説得力のある描き方をしなくてはこのお話は完結しない。なのに、後半はそんな大事なことはお座なりにして、アトラクションムービーと化している。
そういうことなら、この映画には2時間49分もの上映時間は要らない。前作と同じボリュームにしなくてはバランスがよくないと思ったのなら、それ相応のお話を用意して欲しかった。この内容なら1時間40分くらいで十分だ。
前半は面白い。別々の場所で暮らす大人になった7人が再び呼び戻されることになる。それぞれの今を描きながら、あの日の出来事が今も彼らの心を支配していることがきちんと描けているからドキドキした。だけど、戻ってきてからの本題に入ると、次から次へと見せ場の連続で楽しめるのだけれど、それがあまりにしつこいから飽きてくる。ストーリーがまるでなくなってしまい、ただ驚かせるだけの映画に堕す。
ITは彼らに対して何を望んだのか。27年の歳月を経て再びあの恐怖が戻ってきたのはなぜか。彼らの抱えていた恐怖とは何だったのか。大人になっても変わらないもの。それとどう向き合うべきなのか。ドラマの核心部分がちゃんと描かれないから、なんだかはぐらかされた気分になる。