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映画・演劇のレビュー

『マレフィセント』

2014-07-23 22:09:54 | 映画
 ディズニーが今度は『眠れる森の美女』の実写映画化に挑んだ。あれこれ新しいことに挑戦する。しかも、まるで新しくない題材で。『アナと雪の女王』の信じられない大ヒットを受けて、この映画もヒット中。恐るべしディズニーの大躍進。今更ながら世界のディズニーはすごい。アンジェリーナ・ジョリーがタイトルロールを演じる。あの顔。こわすぎ。

 全編もう彼女のひとり芝居だ。こんな映画はなかなかない。主人公はオーロラ姫ではなく、悪の魔女マレフィセントである。だが、そこに秘められた知らざれざるドラマで見せる。すべて説明していく。97分という短い上映時間はそれゆえである。映画なのに、映像とドラマで見せていくのではなく、ただ彼女の存在だけがすべて。こういうワンマンショーって、どうよ、と思う。もちろん彼女の圧倒的存在感で引っ張っていくのだが、映画としてはいささか単調だ。

 ナレーション多すぎ。お話なさすぎ。しかも、単純。歌って踊って見せるか、そうでもないし。『アナと雪の女王』の延長線上でヒットしたのだろうけど、こちらは、そうそう長続きしないだろう。久々につまらないディズニーを見た。でもマレフィセントを演じたジョリーさまは凄いとしか言いようがない。圧倒的なオーラをまとう。もうこれは往年の小林幸子のノリだ。こういうコスプレを嬉々として演じる彼女は最強だけど、やはり映画はお話をどうみせるのか、だ。どれだけ凄い製作費を使い、奇跡のビジュアルを実現しても、つまらないものはひたすらにつまらないだけ。がっかりする。


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