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映画・演劇のレビュー

平田俊子『さよなら 日だまり』

2007-10-14 23:32:39 | その他
 とても微妙な仕上がりの作品になっている。占い師によって自分たちの運命を預けてしまうなんていう、とてもありえないようなお話を通して、今まで信じていた夫婦の絆のようなものが、本当はどこにもなかったという事実を目の当たりにされていく夫婦の姿を描く。

 ストーリー先行の展開を見せて行きながら、もともと希薄だったお互いの気持ちが見事なまでものすれ違いを見せていく終盤の展開はおもしろい。

 この夫婦は最初から壊れていた。しかし、それでも夫婦として、ここで暮らしていただけだ。そんな関係を修復するかに見せながら彼らに関与する嘘くさい占い師2人が夫を抱え込み一気に離婚まで持っていこうとする後半の畳み掛けるような展開には唖然とさせられる。

 こんなバカな男と結婚して、それでも彼を信じてしまい、ずっと幸せな(はずもない)結婚生活が続くと思ってしまう愚かな女心がかなりリアルに伝わってくる。

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