はるやまなかおのプロデュース作品。3年振りの再演となる。作、演出はGフォレスタの丸尾拓。初演は見逃したので今回が初見となる。はるやまさんのスクルージは見なくても、ピッタリなキャスティングだとわかる。で、実際に見ても、想像通りで、なんだか笑ってしまった。
ディケンズの『クリスマスキャロル』をあまりに原作に忠実になぞっていて驚く。少しくらい改変して、オリジナルな要素を入れてもいいんじゃないか、とも思うけど、そうはしない。それはきっとはるやまさんが原作を大切に思っていて、それを110分の作品としてきちんとまとめあげる、というオーダーを丸尾さんに出したからだろう。
お金に汚く、執着するスクルージ。その嫌な一面が、実は、彼の弱さであり、クリスマスの夜の夢を通して、それが表面化し、やがてそれが彼の中にあった素直な善良さへとつながる。それってこうしてみると、人間の基本的な姿をデェフォルメしたものなのかもしれないな、ということに思い当たる。
これは3人のゴーストと出会い、改心する話、というよりも、彼が神様に出会って本当の自分に気づくお話なのである。そういうソフトなタッチで作り上げられてある。確かに芝居自体の作りはいささか甘いし、全体的にお話に毒もひねりもなさ過ぎて、少し物足りないという面もあるが、これははるやまさんの理想を体現した舞台なのだ、と思って見たならば、それはそれで納得がいく。
丁寧すぎる演出、台本。わかりやすい芝居。それが見事なセットと誠実な役者たちの演技によって提起される。細部まで作り手の熱い想いがしっかりと込められてある。そんな空間の中で、はるやまさんは実に幸せそうにスクルージを演じる。
欲を言えば、もう少し、怖さと、シニカルな毒気があったほうがいいような気もするけど、そこをこの芝居に求めるのは筋違いであろう。ナレーション中心で、説明過多の台本も、少し難があるけど、それも気にしないほうがいい。
ディケンズの『クリスマスキャロル』をあまりに原作に忠実になぞっていて驚く。少しくらい改変して、オリジナルな要素を入れてもいいんじゃないか、とも思うけど、そうはしない。それはきっとはるやまさんが原作を大切に思っていて、それを110分の作品としてきちんとまとめあげる、というオーダーを丸尾さんに出したからだろう。
お金に汚く、執着するスクルージ。その嫌な一面が、実は、彼の弱さであり、クリスマスの夜の夢を通して、それが表面化し、やがてそれが彼の中にあった素直な善良さへとつながる。それってこうしてみると、人間の基本的な姿をデェフォルメしたものなのかもしれないな、ということに思い当たる。
これは3人のゴーストと出会い、改心する話、というよりも、彼が神様に出会って本当の自分に気づくお話なのである。そういうソフトなタッチで作り上げられてある。確かに芝居自体の作りはいささか甘いし、全体的にお話に毒もひねりもなさ過ぎて、少し物足りないという面もあるが、これははるやまさんの理想を体現した舞台なのだ、と思って見たならば、それはそれで納得がいく。
丁寧すぎる演出、台本。わかりやすい芝居。それが見事なセットと誠実な役者たちの演技によって提起される。細部まで作り手の熱い想いがしっかりと込められてある。そんな空間の中で、はるやまさんは実に幸せそうにスクルージを演じる。
欲を言えば、もう少し、怖さと、シニカルな毒気があったほうがいいような気もするけど、そこをこの芝居に求めるのは筋違いであろう。ナレーション中心で、説明過多の台本も、少し難があるけど、それも気にしないほうがいい。