エイチエムピー・シアターカンパニー『traveler』

　１３の風景が流れていくように描かれていく。旅行者たちの姿がそこにはある。タイトルである『traveler』（トラベラー）の「トラベル」とは、「（光、音などが）伝える。（心、目が）次々と移る」こと、って後で読んだ当日パンフには記載されていた。なるほどなぁ、と感心する。全く知らなかったし、ただ、「旅人」だとしか考えもしなかった。

　僕はただ目の前を通り過ぎていく７人の旅人たちの見せてくれる風景（パフォーマンス）を目で追っているだけだ。それがなんだかとても気持ちがいい。そこに込められたメッセージを探ることよりも、彼らの動き、そこにある象徴的なドラマ、それを軽く流しながら、ぼんやり見ているだけでいい。１時間ほどの至福の時間がここにはある。