Netflixお得意の劇場公開と同時配信で公開の新作アニメ映画。『泣きたい私は猫をかぶる』を手がけた柴山智隆監督作品。少し期待したけど、「なんなんだこの映画は!」というような出来で驚いた。
あまりに曖昧で安易な展開に嘘でしょ、ってツッコミたくなる。というか、唖然とする。中学生が、初めて出会った女の子を雨が降ったからといって、晩飯はともかくいきなり泊めたりしますか? あり得ない。さらにはふたりが夜に突然家出していなくなったのに、あまり心配しないで待っているとか、どんな家なんだか。
彼女が鬼で、彼もやがて鬼になる、とかいきなり言われても戸惑いしかない。彼女の母親を探す旅をするけど、彼が目的地の神社を知っていてナビゲートするとか、偶然も都合よさ過ぎ。ふたりを追いかけてくる化け物やら、彼女が暮らす鬼たちの村、彼女の父親も出てきて、さらには当然彼の父さんも合流するけど、話がこんがらがり何がなんだかわからなくなって、いきなり終わった。
一体なんだったのだろうか、と思うような作品である。これを劇場公開して、いったい誰が見に行くのか、不思議だけど。
優しい少年の生きる姿勢。彼が出会う勝ち気な女の子とのロードムービーという骨格は悪くないけど、あまりに無謀なお話の展開。なんだかなぁの一作。なんだか不思議な作品なのである。