流山児祥と北村想、この道40年のベテラン2人が四つに組んだ大人の2人芝居。見ていて、ほっとさせられる。余裕をもって、ギリギリの芝居をしている。小手先ではなく、全力投球である。だが、それは、持てる力のすべてを出す、というのではない。自分たちのありのまま、自然体で、この役を受けて立つ、という感じだ。2人のそれぞれの持ち味を生かしながら、3分1は即興で、残りは台本に書かれたものを、それぞれきちんと呈示する。流石だ。
歌で綴る70年安保の記憶。元機動隊員とあやしい弁護士。あれから40年の歳月がたち、今の彼らの姿から、あの時代を照射する。しかも芝居自体は、さながら昭和歌謡大全集なのだ。どんどんなつかしい曲が飛び出してくる。実際に60代になる彼ら2人が、20才前後の頃、見たもの、感じたものが、ある種の距離感を保って描かれていく。表面的にはなんだかハイテンションだが、内実は、少し醒めている。そんな感じがいい。
次から次へと流山児さんが熱唱する。時には想さんもテレながら味のある歌声を聞かせてくれる。そんな中から、あの激動の時代、歴史のかたすみで、確かに生きてきた若者たちの姿が見えてくる。青春時代を回顧するのではない。あの頃から、誠実に生き続け、今、こんなふうにボロボロになった彼らがいる。その事実が残酷なまでに真摯に描かれる。でも、そんな「ずたぼろ」で、老いた彼らの姿が、なぜか、かっこいい。
歌で綴る70年安保の記憶。元機動隊員とあやしい弁護士。あれから40年の歳月がたち、今の彼らの姿から、あの時代を照射する。しかも芝居自体は、さながら昭和歌謡大全集なのだ。どんどんなつかしい曲が飛び出してくる。実際に60代になる彼ら2人が、20才前後の頃、見たもの、感じたものが、ある種の距離感を保って描かれていく。表面的にはなんだかハイテンションだが、内実は、少し醒めている。そんな感じがいい。
次から次へと流山児さんが熱唱する。時には想さんもテレながら味のある歌声を聞かせてくれる。そんな中から、あの激動の時代、歴史のかたすみで、確かに生きてきた若者たちの姿が見えてくる。青春時代を回顧するのではない。あの頃から、誠実に生き続け、今、こんなふうにボロボロになった彼らがいる。その事実が残酷なまでに真摯に描かれる。でも、そんな「ずたぼろ」で、老いた彼らの姿が、なぜか、かっこいい。
わたしの見た回では想さんが「いもがゆ」を唄ってました。「(苔の)むすまで」と「(イモを)蒸すまで」がかかってて、さすがうまいもんだと思いました。