コロナ禍の終わり、北京にやって来た菖蒲さんの北京便り。3年間コロナの北京で単身赴任中の夫に頼まれて仕方なくやって来た。初めての北京は驚きの連続。青島での8日間隔離からスタートして、まだコロナ禍のゴーストタウンからようやく解放された北京で過ごす日常のスケッチ。ゼロコロナから解放されて街には人が出てきている中、感染者は激増して、菖蒲夫婦もコロナに罹る。
ふたりで仲良く暮らすのかと思ったら、なんだか微妙。彼女の夫は再婚で20歳も年上で、彼女はなんだかあまり好きではなく、打算からの結婚だったみたい。
だから最後はあっけなく離婚することに。彼から子供を産んで欲しいと言われて、嫌だから離婚するっていう展開には唖然とする。なんなんだろう、これは。
今回の綿谷りさはなかなか攻める。だけど、あっさりした作品で、なんだか不思議な感じ。主人公もこんな女なのに嫌な女ではなく、イケイケ。勢いよくあっと言う間に読める。