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映画・演劇のレビュー

『ストレイヤーズ クロニクル』

2015-07-06 22:14:53 | 映画
瀬々敬久監督がこういう企画を引き受けたのにはそれなりの勝算があったはず。まぁ、なんでも器用にこなすことが出来るから安心して見ていられるはず。だけど、きっとそれだけではない。もっと何かがある、そう思って劇場に行く。彼は何に魅かれてこのオファーを受けたか。それが知りたくて見に行くのだ。

もちろんエンタメとして楽しめたならそれだけでもいい。始まったところで、これはちょっとした『サイボーグ009』実写版という趣の作品ではないかと、いささかときめく。岡田将生がカッコいい。3秒先が見えるという特殊能力を駆使して、戦う。

彼ら異形の者たちが権力の手先となり、やがて、そこからいかにドロップアウトしていき、どこにたどりつくのか。どこにでもあるワンパターンのお話なのだが、構わない。それで気持ちよく酔わせてもらえたなら、と。岡田将生の009と、成海璃子の003という感じ。悪くないキャスティングだ。

超能力を持つふたつのグループの抗争。彼らは別々のルートで作られた政府の秘密組織によって生まれた。自分たちの能力に戸惑い、持て余す。しかも、この能力のせいで寿命が短い。岡田演じるスバルと染谷将太がリーダとなるアゲハチーム。それぞれのチームの戦いが描かれる。超能力バトル。お決まりの展開だ。

彼らの背後には彼らを操る国家権力がある。最初は正義と悪の戦い。最終的には権力に挑むというのが図式だ。だけど、見ていて、だんだん退屈してくる。まるでこのお話が心地よくないのだ。

パターンでいいのに、そんなパターンですらない。ただ、両者が戦うだけ。そこに終始する。お話には広がりがまるでない。単調。2時間6分もあるのに、これはどういうことなのか。こんなはずじゃなかった。どうして瀬々敬久監督はこんな映画を作ったか。わけがわからない。

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