芝居を見ながら、何度も苦笑してしまった。こんなにも熱く芝居を夢見ることって、彼らの若さのなせる業だなと思う。正直言って今の僕には不可能だし、したいとも思わない。でも、彼らのこの眩しさは嫌いではない。傲慢なくらいに輝いている。
特撮ヒーローものに憧れる5人の中年男たち。(その中には1人女性もいるが)彼らは自分たちが生まれた頃に廃刊になった(昭和30年代後半くらいか)少年倶楽部というマンガ雑誌の投稿欄に掲載されたメンバー募集の案内を見て集まった。古本屋で別々の時代のその雑誌を手にした彼らがなぜか集まって、そして、自分達を主人公とする特撮ヒーロー物の8ミリ映画を作る。(ビデオ映画と台詞では言ってるが明らかに8ミリ映画のカメラを持っている)そしてアイツと呼ばれる何者かに出会うことを夢見ている。
アイツとは何かは敢えて明確にはしない。だが、作者の池川くんは芝居の中で、もう少しいろんな「アイツ」を妄想しても良かったのではないか。少年だった彼らの憧れだったアイツ、しかし、本当はアイツなんて実在しないと彼らも知っている。それでも彼らは妄想する。明確な敵の見えない時代に、ヒーローは何と戦えばいいのかも分からない。そんな中で不在のアイツを巡る物語は様々な展開をしていくのだが、あまりにストレート過ぎて見ていて少し恥ずかしい。もっと芝居を重層的に作れなかったものだろうか。
下水道の向こうには何があったのか。行方不明になった子供たちは、なぜか中年になり、しかも殺された訳ではなく、自殺したらしいことが語られる。彼らの死は何なのか。そういうかなり面白いイメージの提示もあるのに、そのことに対する書き込みが圧倒的に足りない。この芝居に必要なのはそういういくつもの答えの提示である。そこから作品世界はさらなる展開が可能だったのである。それが出来てないのが残念だ。
この作品の作、演出、主演を1人でこなした池川くんの頑張りは感動的である。彼と4人の役者たちの熱演も見てて気持ちよかった。ここまでが今の全力だから、それだけは見せきろうとする、その潔さがいい。
特撮ヒーローものに憧れる5人の中年男たち。(その中には1人女性もいるが)彼らは自分たちが生まれた頃に廃刊になった(昭和30年代後半くらいか)少年倶楽部というマンガ雑誌の投稿欄に掲載されたメンバー募集の案内を見て集まった。古本屋で別々の時代のその雑誌を手にした彼らがなぜか集まって、そして、自分達を主人公とする特撮ヒーロー物の8ミリ映画を作る。(ビデオ映画と台詞では言ってるが明らかに8ミリ映画のカメラを持っている)そしてアイツと呼ばれる何者かに出会うことを夢見ている。
アイツとは何かは敢えて明確にはしない。だが、作者の池川くんは芝居の中で、もう少しいろんな「アイツ」を妄想しても良かったのではないか。少年だった彼らの憧れだったアイツ、しかし、本当はアイツなんて実在しないと彼らも知っている。それでも彼らは妄想する。明確な敵の見えない時代に、ヒーローは何と戦えばいいのかも分からない。そんな中で不在のアイツを巡る物語は様々な展開をしていくのだが、あまりにストレート過ぎて見ていて少し恥ずかしい。もっと芝居を重層的に作れなかったものだろうか。
下水道の向こうには何があったのか。行方不明になった子供たちは、なぜか中年になり、しかも殺された訳ではなく、自殺したらしいことが語られる。彼らの死は何なのか。そういうかなり面白いイメージの提示もあるのに、そのことに対する書き込みが圧倒的に足りない。この芝居に必要なのはそういういくつもの答えの提示である。そこから作品世界はさらなる展開が可能だったのである。それが出来てないのが残念だ。
この作品の作、演出、主演を1人でこなした池川くんの頑張りは感動的である。彼と4人の役者たちの熱演も見てて気持ちよかった。ここまでが今の全力だから、それだけは見せきろうとする、その潔さがいい。