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映画・演劇のレビュー

『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

2014-07-15 22:44:19 | 映画
 確か4年振りのしんちゃんである。『超時空! 嵐を呼ぶオラの花嫁』以来だ。あの作品も、実によく出来ていたけど、その後はご無沙汰した。(あの時は、たまたま金券ショップで安売り券があったから、じゃぁ、見ようかな、と思い見たのだった)

 しんちゃんの映画がおもしろいのはわかっているけど、他の映画を優先してしまうのは仕方のないことだろう。だってしんちゃんをわざわざ劇場まで見に行くのは、億劫だから、しかも、DVD借りてまで、というのもなぁ、だし、TVでやっている時に見るなんて面倒だ。そんなこんなで、久々の劇場でのご対面なのだ。

 今回わざわざ見たのは脚本が「中島かずき」だったからだ。もうその一点だけで、これを見なくてはなるまい、と思った。おバカな劇団新感線の芝居を担ってきた彼が、同じようにおバカなしんちゃんの世界をどれだけ壮大なスペクタクルとして仕立て上げるのかワクワクするではないか。もちろん、映画は期待通りの快作になっていた。『嵐呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』に匹敵するくらいによく出来ている。

 今回しんちゃんは、日本の弱い父親達の復権を企てる『父ゆれ同盟』という組織の陰謀に立ち向かう。(まぁ、彼らの理屈もわからないではないけど、別にそれが映画のテーマではない)ロボとーちゃんと本当のとーちゃんのふたりのとーちゃんを持ったしんちゃんが、そのわけのわからない敵に立ち向かっていく。もちろん、わけのわからないのは、彼らではなくしんのすけの方なのだが、しんちゃんは自らの正義を貫き、一歩も譲らない。(こちらがテーマだ。たぶん。)

 ロボットヒーローもの、という黄金のパターンを踏襲しながら、それ以上にしんちゃんワールドが炸裂する。要するに彼はいつもおバカなのである。敵が何であってもかわらない。定番を踏まえてエンタメとして満足感のある作品にする。実に中島かずきらしい作品だった。とても楽しい97分を満喫する。


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