初めてかのうとおっさんの単独ライブを見ることになった。今までも、彼らの出演した数々の芝居や、短編コントを見てきたから何をいまさら「初めて」と強調するのも何なんだが、単独ライブは今回でvol.15と銘打たれてある。それだけ公演を続けているのに、ようやくこうして長編作品を見るのだ。感慨深い。だから殊更「初めて」を強調する。しかも、この作品は彼らにとっても、劇場で長編芝居のスタイルでする久しぶりの公演らしい。
個々の作品は独立したコントになっているのだが、ゆるく各エピソードはリンクしており、これは2時間の長編作品としても受け止められるようになっている。5つの話からなるオムニバスだ。特に第1話と最後の第5話は完全に補完関係にある続編で、その間に挟まれる3つのエピソードも、この2つの話の中に含まれるスピンオフとなっている。
第1話(『山田中学校青春記』)の中学生たちのバカ話は、あまりにインパクトが強くて、これだけのテンションでスタートしたならその先どこまで行ってしまうのか、不安になるほどだった。最初から面白すぎる。中学生のバカな日常をここまで誇張して描きながら、それがとても自然体。そんな曲芸のようなことが出来る彼らはやはりただものではない。
第2話『恋愛ふきこぼれ注意報』は不倫の話なのだが、あからさまにパターンをなぞることで、そのウソ臭さが、やけにリアルになるという彼らの独壇場を展開する。大沢秋生さんと遠坂百合子さんの中年カップルのわざとらしい演技もいい。テレながら、ぎこちなくて、下手すぎて、でも、それすら計算されているように見えるのだ。
3話と4話は思いつきをそのまま形にしたもので、そのストレートさがいい。『花のモンパリ』なんて今時ありえないパターンの歌劇で、宝塚の世界だ。歌あり踊りありのショースタイルで、楽しませる。というか、自分たちが一番楽しんでいる。『炎のショーウーマン』は、松本絵里さんのオンステージ。彼女ひとりを際立たせるための芝居。ダンスシーンも凄いが、それ以上に楽屋での無言の顔面演技には驚かされる。ある表情のままで、一言も言葉を発しないのに、その圧倒的な存在感に打ちのめされる。というか、顔は口ほどに(というか、口以上に)ものを言うのだ。
そして、最後はタイトルロールの『ようこそガンダーラ温泉』なのだが、これには期待に胸躍らせた。なのに、このあほらしいにもほどがあるようなタイトルから連想させる破天荒な世界は、なりを潜め、ここに来て、なぜか彼らはお話をまとめることに腐心する。これはちょっと残念だった。もっと無茶苦茶で破壊的で凶暴なものがみたかった。別にうまくまとめる必要なんかないはずなのだ。オチなんかいらない。ただただ暴走してもらいたかった。冒頭のエピソードのテンションを最後まで持続できたなら、よかったが、さすがにそれは難しかったか。
個々の作品は独立したコントになっているのだが、ゆるく各エピソードはリンクしており、これは2時間の長編作品としても受け止められるようになっている。5つの話からなるオムニバスだ。特に第1話と最後の第5話は完全に補完関係にある続編で、その間に挟まれる3つのエピソードも、この2つの話の中に含まれるスピンオフとなっている。
第1話(『山田中学校青春記』)の中学生たちのバカ話は、あまりにインパクトが強くて、これだけのテンションでスタートしたならその先どこまで行ってしまうのか、不安になるほどだった。最初から面白すぎる。中学生のバカな日常をここまで誇張して描きながら、それがとても自然体。そんな曲芸のようなことが出来る彼らはやはりただものではない。
第2話『恋愛ふきこぼれ注意報』は不倫の話なのだが、あからさまにパターンをなぞることで、そのウソ臭さが、やけにリアルになるという彼らの独壇場を展開する。大沢秋生さんと遠坂百合子さんの中年カップルのわざとらしい演技もいい。テレながら、ぎこちなくて、下手すぎて、でも、それすら計算されているように見えるのだ。
3話と4話は思いつきをそのまま形にしたもので、そのストレートさがいい。『花のモンパリ』なんて今時ありえないパターンの歌劇で、宝塚の世界だ。歌あり踊りありのショースタイルで、楽しませる。というか、自分たちが一番楽しんでいる。『炎のショーウーマン』は、松本絵里さんのオンステージ。彼女ひとりを際立たせるための芝居。ダンスシーンも凄いが、それ以上に楽屋での無言の顔面演技には驚かされる。ある表情のままで、一言も言葉を発しないのに、その圧倒的な存在感に打ちのめされる。というか、顔は口ほどに(というか、口以上に)ものを言うのだ。
そして、最後はタイトルロールの『ようこそガンダーラ温泉』なのだが、これには期待に胸躍らせた。なのに、このあほらしいにもほどがあるようなタイトルから連想させる破天荒な世界は、なりを潜め、ここに来て、なぜか彼らはお話をまとめることに腐心する。これはちょっと残念だった。もっと無茶苦茶で破壊的で凶暴なものがみたかった。別にうまくまとめる必要なんかないはずなのだ。オチなんかいらない。ただただ暴走してもらいたかった。冒頭のエピソードのテンションを最後まで持続できたなら、よかったが、さすがにそれは難しかったか。