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楳図かずおの傑作漫画を高橋洋脚本、鶴田法男監督で描く期待のホラー映画。こういう企画がどこから生まれてくるのか、なんだか不思議だが、生まれたのだから、見ねばなるまい。ということで、見てしまった。
昨今の日本映画は漫画の映画化が大手を振っているが、人気コミックの安易な映画化ではなく、こういう古典を今更やるなんて、どういう経緯から生じるのだろうか。ということで、見てしまった。
「見てしまった」としか言いようのない映画なのだ。つまらないとは言わないが、なぜ作ったのか、よくわからないくらいの出来だ。今、この映画がこの世界に必要とはとても思えない。悪い映画とは言わない。だが、やっぱりこれではわざわざ作る意味を感じない。まぁ、凡百の映画が大量生産されている時代の中で、あだ花のようにこういうものが作られるのは、悪くはないのかもしれない。と、いってもこのスタッフ、これだけのキャストを揃えたのなら、もう少し本気を感じさせる映画に仕上がって欲しかった。
<おろち>とは何者なのか。彼女があの時代(昭和25年の話である)に生まれたのはなぜか。あれから20年後、復活した彼女が見たものは何なのか。あの呪われた一族を通して何を見せたかったのか。そういう背景となる大事なテーマがなんだかすっぽり抜け落ちたまま、お話だけが流れていく。2008年にこの時代を描く意義が明確にされないのなら、これは今の映画としてこの時代に誕生した意味がない。古典作品として、ただこれを映像化したいだけなんていうのは違うだろう。
しかも、残念だがあまりに作りがちゃっちい。予算の問題もあるが、それだけではない。大体製作者サイドはこれで本気の興行をする気があるのだろうか。まともな宣伝もなく、小さなマーケットでいきなり公開し、1週間で1日3回上映になる。そんな興行では制作費も回収できないだろう。それでいいのか?
なんのために作ったのか。よくわからない。木村佳乃の大仰な演技もなんだか、鼻につくし、中越典子も、なんだかなぁ、と思う。唯一タイトルロールの谷村美月だけがその鋭い眼光が時代を見据えようとしているようで、素晴らしい。せっかくのそんな彼女の魅力を生かすような見せ方は出来なかったのか。なんだか、書いていたら愚痴ばかりになる。それだけここに<何か>を期待していたということなのだ。
夢の中のような世界をたゆたうそんな悪夢であって欲しかった。子どもの頃楳図かずおの漫画を読んでうなされたことがある。こんなにも恐ろしいものがこの世の中にある、という事実に恐れおののいた。あの頃の気持ちが甦るような体験を期待していたのだろう。裏切られた気分だ。
昨今の日本映画は漫画の映画化が大手を振っているが、人気コミックの安易な映画化ではなく、こういう古典を今更やるなんて、どういう経緯から生じるのだろうか。ということで、見てしまった。
「見てしまった」としか言いようのない映画なのだ。つまらないとは言わないが、なぜ作ったのか、よくわからないくらいの出来だ。今、この映画がこの世界に必要とはとても思えない。悪い映画とは言わない。だが、やっぱりこれではわざわざ作る意味を感じない。まぁ、凡百の映画が大量生産されている時代の中で、あだ花のようにこういうものが作られるのは、悪くはないのかもしれない。と、いってもこのスタッフ、これだけのキャストを揃えたのなら、もう少し本気を感じさせる映画に仕上がって欲しかった。
<おろち>とは何者なのか。彼女があの時代(昭和25年の話である)に生まれたのはなぜか。あれから20年後、復活した彼女が見たものは何なのか。あの呪われた一族を通して何を見せたかったのか。そういう背景となる大事なテーマがなんだかすっぽり抜け落ちたまま、お話だけが流れていく。2008年にこの時代を描く意義が明確にされないのなら、これは今の映画としてこの時代に誕生した意味がない。古典作品として、ただこれを映像化したいだけなんていうのは違うだろう。
しかも、残念だがあまりに作りがちゃっちい。予算の問題もあるが、それだけではない。大体製作者サイドはこれで本気の興行をする気があるのだろうか。まともな宣伝もなく、小さなマーケットでいきなり公開し、1週間で1日3回上映になる。そんな興行では制作費も回収できないだろう。それでいいのか?
なんのために作ったのか。よくわからない。木村佳乃の大仰な演技もなんだか、鼻につくし、中越典子も、なんだかなぁ、と思う。唯一タイトルロールの谷村美月だけがその鋭い眼光が時代を見据えようとしているようで、素晴らしい。せっかくのそんな彼女の魅力を生かすような見せ方は出来なかったのか。なんだか、書いていたら愚痴ばかりになる。それだけここに<何か>を期待していたということなのだ。
夢の中のような世界をたゆたうそんな悪夢であって欲しかった。子どもの頃楳図かずおの漫画を読んでうなされたことがある。こんなにも恐ろしいものがこの世の中にある、という事実に恐れおののいた。あの頃の気持ちが甦るような体験を期待していたのだろう。裏切られた気分だ。