こんなバカバカしい映画があるのか。ただただ、無駄話をしているだけ。TOHOシネマズの上映前アニメ『紙ウサギロペ』のロペとセンパイのように。セトとウツミのふたりは、学校帰りに、通学路にある川のほとりで座ってしゃべっている。いつも同じ場所。動くこともなく、ダラダラ。どうでもいいことを。それを聞いていると、笑える。くだらない。意味ない。でも、可笑しい。
これで映画になる、というのが、凄い。これで映画にして、成功させる。限りなく無意味な時間の、積み重ね。2年間の高校生活のスケッチになっている。ずっと彼らを見ていたいと思うほど、なんだか、愛おしい。大阪弁の会話劇というのもいい。漫才のようなやりとり。突っ込みどころ満載。「何か」を描こうとか、そんな野心のカケラもない。むしろ、特別なんかいらない。からっぽ、がいい。たまらなく、くだらない。それが最高の誉め言葉になる。