春爛漫のクアトロの休日。筑波山を越えて八郷村まで足を伸ばした。お気に入りのイチゴ園が今日は店を開いていた。土作りにこだわった農法でつくるイチゴは甘くて美味しい。ここでは、大きさは不揃いながら完熟のイチゴだけを集めたものを買うことが出来る。これが実に旨い。実が柔らかくて宅配は出来ないので、ここまで足を伸ばさないと食べられない。となるとさらに美味しく感じるものだ。
そろそろイチゴも実から木に栄養が回る時期になり、粒によって味の当たりはずれがある。帰り道、車の中でイチゴの箱に手を伸ばす。はずれを引くと次の当たりを引くまで食べてしまうので、家に着くまでに箱は軽くなった。
イチゴは充分な甘みに適度な酸味が加わって旨みをもたらす。これは、果実全てに云えることで甘みと酸味のバランスが重要である。明日から始まるクアトロ2周年企画のラスト「トマトとチーズのスパゲッティ」で使うフルーツトマトも同じである。充分な甘みと酸味のバランスが必要だ。もちろんワインにおいても同じである。
子供の頃のイチゴは砂糖やコンデンスミルクを付けないと酸っぱくて食べられなかった。それでもそのしっかりした酸味が砂糖の甘みと相まってそれはそれで美味しかった。
ブログを書きつつイチゴに手を伸ばす。ちょっと食べ過ぎました。
私はオルトラーナ、「季節野菜のスパゲッティ/トマト味」の本名である。普段から人気者の私が半額なのだから、この一週間は大変だった。ところが、この私が先週のペスカに販売数で負けた。ペスカは今年凄い伸びを見せた。ペスカは鼻高々である。
それでも年間を通してクアトロ一番人気はこのオルトラーナ様であることには変わりはない。メニューを見ないでいつもの野菜のスパゲッティと云うお客様は実に多いのだ。特に女性のお客様の支持は厚い。さらに6月になると特に人気が上がるのだ。夏が近づくと途端にシルエットが気になるのが女性心理のようだ。オルトラーナはそんな女性の味方なのだ。しかし、6月では手遅れなのだがそれは黙っておこう。
半額セールが終わっても女性の味方、オルトラーナをお忘れ無く。いや、そのボリュームにおいては男性の味方でもあります。
木曜からは、トマチーが登場する。昨年はトマチーが一番人気だったが、今年のペスカは手強い。トマチーはペスカを抜くために秘策を用意しているようだ。静岡産のフルーツトマト「アメーラ」を使うらしい。これは甘くて旨みも凝縮されていて、パスタに使ったら最高に美味しい。オルトラーナにも使ってくれたらペスカに負けなかっただろうにと悔やまれるのだ。
2周年企画の「季節野菜のスパゲッティ/トマト味」半額も今日と明日で終わる。太っ腹のクアトロはランチタイムもこのスパゲッティが半額の440円でサラダとコーヒーか紅茶がサービスになる。お客様は大いに喜んでくれている。
クアトロのランチタイムのコーヒーは、カプチーノ、カフェ・ラテでもオーケーである。カプチーノ、ラテは通常450円だから、カプチーノ、ラテだけを注文するよりもお得なのである。
さて、カプチーノとラテはどう違うのとお客様に良く聞かれる。クアトロでは、泡だったミルクを乗せた物がカプチーノ、ミルクとコーヒーが混ざるように作ったものをラテとしている。ラテは牛乳のことだからカフェ・ラテは直略してミルク・コーヒーなのだから解りやすい。それではカプチーノの意味は何なのだろう。
調べてみると、頭巾を意味するカプッチョから来ているという。今日の雨の中、雨合羽を被った子供達を見かけるが、そのカッパも同じ語源だという。
茶色い法衣に白い頭巾を被ったイタリアのお坊さんを連想して付けられたのがカプチーノの名前の由来だと云う。
またカプチーノというと年配の方はシナモンのかかったウインナコーヒーだと思っている人がいる。これはエスプレッソの機械を知らなかった昔の喫茶店がカプチーノのスタイルを再現するために考えられたものだ。クアトロの父も昔はシナモン・スティックでウインナコーヒーをかき混ぜてありがたく飲んでいたものだ。
2周年記念メニュー「季節野菜のスパゲッティ/トマト味」は大好評である。そして、トマトソースの料理と相性が良いとされるサンジョヴェーゼのワインは特におすすめである。
クアトロにもイタリア・トスカーナからヴィッラ・ピロがつくるサンジョヴェーゼ単一品種のワインが到着した。エチケットには3本のイトスギが描かれている。その名も「サイプレス」というワインだ。ゴッホが好んで描いたイトスギは地中海沿岸ではよく見かける風景なのだろう。
ヴィッラ・ピロのサンジョヴェーゼの畑の脇にこのイトスギの風景があるのだろうか。イトスギはキリストが磔にされた木で、忌み嫌われる木であったり、逆に永遠の命を意味したりもする。ゴッホはどちらの意味でこの木を好んだのだろうか。
このワインを飲んでみると、サンジョヴェーゼの持つ酸味が濃縮された果実味と心地よい調和を見せて、熟練した作り手の技を感じさせる。イトスギに見守られたこのサンジョヴェーゼが醸す味わいは永遠の命を表現するのだろう。
ヴィッラ・ピロの「サイプレス」にトマト料理はお勧めではあるが、それ以外にも色々に試してみたいワインだ。クアトロではボトルで4000円でご提供。
ハート型の白カビチーズ「クール・ドゥ・ヌーシャテル」は、フランスの北ノルマンディーにあるヌーシャテル・アン・ブレイという村で作られる。
決してホワイト・デーの売れ残りではない。歴史のあるチーズで、百年戦争の折、イギリス兵に恋をしたヌーシャテルの娘がハート型のチーズを贈ったのが始まりだという。
味わいはとても濃厚で力強い。贈られたイギリス兵はこのチーズの味わいにとまどったのではないだろうか。フランス娘手強しと感じたに違いない。このまま侵略するとフランス軍は怖くないがフランス娘には、懐柔されるのは必至である。きっとこれが原因で戦いは長引いたのである。クアトロの父の勝手な推測である。
クアトロ新着のクール・ドゥ・ヌーシャテルには、クアトロのどのワインを合わせましょうか。クアトロのワインも懐柔されそうなのである。
※本日のチーズ
クール・ドゥ・ヌーシャテル(白カビ)、フルムダンベール(青カビ)、エポワス(ウォッシュ)、サントモール(シェーブル)、ミモレット(ハード)など