小布施ワイナリーのぶどう畑は、盆地の北川斜面にある。なだらかな扇形の斜面には、たくさんの果実園が広がっている。小布施ワイナリーの畑は中腹に位置している。裾野の方にはリンゴ園が多い。畑からは、遠くに北信五岳が並んで見える。飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山の5つの独立峰が黒いシルエットをみせている。この山々は日本海からの風を受け豪雪地帯となる。そして、この山々から吹き下ろす冷涼な乾燥した風が、小布施の果実を実らす。特に白ワインを作る白ブドウなどには最適な条件である。
北川の斜面にあるために、太陽の恵みを受け、水はけが良く、山からの風が一日の寒暖差を生み、果実に豊かな甘みと酸味をもたらす。
小布施ワイナリーはシャルドネにこのテロワールの特性を見いだす事が出来ると、クアトロの父は思う。
小布施の栗やリンゴも同様の条件で素晴らしく美味しいわけである。今日は、小布施の農家に分けて貰った完熟の紅玉を焼きリンゴでご提供しようと思う。紅玉は焼いてもしゃきしゃきとしていて、見崩れがしない。焼くと旨みと甘みが濃縮され、紅玉ならではの酸味が冷たいアイスクリームと絶妙の調和を見せる。思わず笑みのこぼれる、クアトロの焼きリンゴはいかがだろう。
先日クアトロ夫婦が訪れたワイナリー・ヴィラデストには、小さな庭園がある。色々な草花とハーブが植えられている。その庭の草花はオーナーの玉村豊男さんの絵のモデルになる。そして観光客の目を楽しませてくれる。変わった草花も多い。スタッフがたまたま通りかかったので、植木の名前を聞く。「それは、ナツメですよ」丁寧に教えてくれる。そのスタッフはそそくさとワイナリーの中にあるレストランへ戻っていった。このワイナリーにはレストランがある。かのスタッフは料理に使うハーブが足りなくて摘み取りにきたようだ。この庭園はレ ストランの食材としても活躍しているのだった。この農園で出来た食材を使い、この農園で出来たワインを楽しむ。しかも、どれも美味しいのだからとても満足な農園レストランである。
クアトロも今日から営業再開だ。朝には、石川さんが作ったイタリアントマト、サンマルツァーノがクアトロに届いた。朝に摘み取ったばかりのたくさんのバジリコも届けられた。早速、バジリコはジェノベーゼソースにした。牛乳から自家製のリコッタチーズも作る。「自家製リコッタのジェノベーゼ」というパスタが今日はお勧めである。
一緒にヴィラデストから仕入れてきたシードルを楽しめば、クアトロの窓のむこうに透き通った秋の空と田園風景が望めるような気持ちになることだろう。
※「自家製リコッタのジェノベーゼ」¥1200
※「ヴィラデストのシードル」グラスで¥600
瓶内二次発酵による泡立ちもきめ細かい、爽やかな辛口のシードルだ。
シードルの本場、フランス・ブルターニュのものにもひけを取らない品質である。
小布施から車で30分ほどのところ、飯綱町の小高い丘の上にあるワイナリー、サンクゼールワイナリーにやって来た。日本のワイナリーは、盆地の北側の斜面にあるものが多いが、ここは小高い丘の上一面にあるワイナリーだ。丘の頂上にはチャペルがあり、結婚式場として使われる。そのチャペルの周りにブドウ畑が広がる。
このサンクゼールはネゴシアン(酒商)として活躍している。自社ブドウは2割程度で、長野県内のブドウや山形産、北海道産のブドウを集めて自社ブランドのワインを作っている。い まや30以上の直営店を持ち、人気ブランドとなっている。ジャムなどのブランドにも人気があり、若者受けするブランドになっている。
この丘に立ち、素晴らしい景観浸ると誰もがこのブランドに染まるというものである。
この日もチャペルでは結婚式が行われていた。ぶどう畑にウエディングベルが鳴る。なんてロマンティックなのだろう。
クアトロの夫婦は小布施に現れた。小布施の風景が好きだ。北斎館に寄るのも楽しみだ。小布施は栗もリンゴも今、収穫の時を迎えていた。そして、ブトウの収穫も始まっている。
去年に訪れた小布施ワイナリーを訪ねてみると今日は朝からブドウの収穫におおわらわだという。今年はブドウの出来も良かったと笑顔を見せるスタッフであった。
セラーでこの小布施ワイナリーのワインを一通りテイスティングをした。それぞれ丹念に作られたワインに国産ワインも価 格以外はとても良い線まできたなと上目線のクアトロの父だ。
この小布施ワイナリーはリンゴのワイン、シードルも美味しい。特にスイートのシードルが良いと思う。やはり、小布施のリンゴには歴史があるからだろうか。
しかし、北斎の作品にもブドウを描いたものがある。
栗、リンゴ、ワインと小布施の食文化はこれからも育まれていくのだろうと思う。
休日に連休をいただいたクアトロの夫婦。休日の休みなんてなれないのでとまどうばかりである。なにせどこもかしこも人も車も渋滞している。
それでも、何とか長野までやって来た。ワイナリーめぐりを目標に出かけてきたのだ。
長野県上田市郊外ににあるヴィラデストというワイナリーに到着。
画家であり、食のエッセイストである玉村豊男氏の営むワイナリーだ。
ここまで渋滞の洗礼にあったが、晴れ渡る秋空に歓迎されて満面笑みのクアトロ夫婦である。
玉村氏のエッセイの心が集約されたワイナリーに大満足。
とても心配りの行き届いたワイナリーである。
玉村さんと記念写真も撮ってさらにご満悦のクアトロ夫婦である。
さて、次は善光寺の東山魁偉美術館を目指すクアトロの夫婦だ。