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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ミヨー:エクスの謝肉祭

2017年06月23日 | Weblog
ダルレ(P)デゾルミエール指揮ORTF(forgottenrecords)1947/10/30パリlive放送

ラヴェルが嫉妬したといわれるバレエ音楽「サラド」の改作op.83bだが圧倒的にこちらのほうが有名である。民謡調と世俗味に彩られた12曲の旋律音楽はミヨー好きにはむしろ分かりやすすぎる剽窃感あふれる即物的な雰囲気を持つが、特有の和声感や構成感は若干のノイジーなものも含めて至るところに顔を出し、六人組の一員として時代の先駆にいた、この作風をずーーーーーーっと1970年代まで貫いたんだ、という嚆矢の初々しさを味わうのも良い。ヴァイオリンの超高音の下で滑らかにピアノが流れるなど、どちらの楽器も良くしたミヨーならではの感覚が活きたりしている。録音がややノイジーで古ぼけているのと、デゾルミエールのどこか緩いのにテンションの高い伴奏ぶりが気になるところもあるが、ミヨーの書法には気合を入れないと弾けない側面はあり、そこをデゾは理解しているともいえる。意外と色彩感は出ていて、ダルレの鮮やかだが力任せには決してしない弾きっぷりと合わせて、往年の色褪せた演奏の感はしない。この音楽の「現役感」はさすが同時代+後代の音楽の擁護者デゾ、メシアンはさすがに厳しかったがジョリヴェは立派にやっていたし、ミヨーだともう時代的には同志ということになろう(サティをめぐっては総体としては離反した六人組のあとにアルクイユ派と称し入ってきたわけだが)。
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