湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

プロコフィエフ:歌劇「三つのオレンジへの恋」

2019年02月23日 | プロコフィエフ
ロザンタール指揮ORTF、コラッシ、デレーヌ(ina配信)1958/6/26live(7/3放送)

アグレッシブな指揮でプロコフィエフの魅力の粋を集めた長大なオペラを最後まで見事に演じ上げている。オケも歌手もロザンタールにのせられている。幕ごとにナレーションで分断され、終幕も素朴であっけないなどパワーのないモノラル録音起因であろう難点もあるが、この派手な演奏でなかったら2時間聴けなかった。PHD89036117。
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プロコフィエフ:キージェ中尉組曲

2019年01月02日 | プロコフィエフ
コンドラシン指揮クリーヴランド管弦楽団(FKM)1979/1/28live

バラけ気味だが鋭くリズムを刻み乾燥した音で突き進めてゆくコンドラシン。幸福感や皮肉な調子といった情緒的側面は浮き彫りにされないが、明るい音+純粋に音の躍動という点では十二分の効果を発するよう演奏させている。骨皮の印象はあるものの、曲が名旋律に彩られた平易なものであるがゆえ耳は楽しませる。録音にもホワイトノイズがのりステレオではあるがやや聞き辛く、おすすめにはできないがコンドラシンの技量は垣間見られる。
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プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番

2018年12月31日 | プロコフィエフ
チェルカスキー(P)クリップス指揮NYP(forgottenrecords)1961/11/25live

プロコフィエフの野心が剥き出しになってなお根底のロマンチシズムが浮き上がってくる内容豊富な作品で、フランス的な洗練というかストラヴィンスキー的な洗練というか、メロディや構成が依然よくわからないような独創性を1番と比較にならないほど盛り込み、しかしチェルカスキーの粒だった軽やかなスタイルとそれに見合った軽々としたクリップスの棒が、だるさや重さを感じさせずに最後まで聴かせている。聴きやすいモノラル録音であるのもいい。チェルカスキーはびっくりするほど簡単に弾いているように聴こえる。
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プロコフィエフ:バレエ音楽「鋼鉄の歩み」〜Ⅹ.工場

2018年12月19日 | プロコフィエフ
ロザンタール指揮ORTF(ina配信)1956/2/2live2/9放送

ひょっとこが出てきそうな音楽だが古き良き未来派の雑音をプロコフィエフ的に処理した「スキタイ」のオネゲルバージョンみたいなもの。ノイズとわかりやすさの同居はプロコフィエフの味でもあり、伊福部昭などに繋がっていく要素であり、ストラヴィンスキーからバルトークのやっていた硬質の暴力を肉弾戦に落とし込んだ、ソヴィエトへの道はまだ遠いが志向する方向はすでにそちらだったという、巨大なハンマー持ち上げてバタバタするバレエ音楽をやるにはロザンタールは柔らかくまとも過ぎたかもしれない。もっとバチコーンきたほうがこの曲らしい。色彩の明るく派手なところはロザンタールらしさで、なぜか客席は派手にわいている。プロコフィエフを垢抜けさせてくれているのだが。モノラル。ina.frだとPHD89036288。組曲では終曲。アンコールにあたる。
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プロコフィエフ:交響曲第1番(古典交響曲)

2018年11月22日 | プロコフィエフ
アンチェル指揮ACO(RCO)1969/2/23live放送・CD

このオケの鈍重さがあらわれたかと思いきやすぐ機能性を発揮し明るい響きで躍動感あふれる演奏に仕立てている。凝縮され筋肉質の演奏、ではないが、すくなくとも四楽章はミスが聴かれるが、ライヴ感あふれる魅力的な演奏に仕上がっている。
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プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番

2018年11月20日 | プロコフィエフ
A.チャイコフスキー(P)ミトロプーロス指揮NYP(SLS)1957/10/13live

同人のアメリカデビューの記録。爆発的な拍手で終わる。もっともミトプーが振ったプロ3にミトプーの弾き振り含めいいものはなく、特に1楽章序盤でいきなりテンポが弛緩する癖はここでも健在。いきなりミスタッチを誘発している。ただ中身のない技巧的な曲にあっては、傾向的にはバリ弾きなので単純にわかりやすい腕の良さはみせられている(ただギレリスらとは似て非なるニュアンスの少なさや技巧的な不安定感、たとえば細かい音量制御の弱さが気になる)。50年代録音なので悪くはないが、ましてミトプーの記録としてはいいほうのはずだが、モノラルで分離も冴えないところはあるので、はっきり言ってちゃんと伝わっているのか・・・
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プロコフィエフ:交響曲第4番

2018年11月12日 | プロコフィエフ
マルティノン指揮ORTF(vox)CD

交響曲全集より。オケの音の美麗さとマルティノンの快活な捌きにより効果的な演奏となっている。映画音楽的な分かりやすさの再現に走っているように感じなくもないが、その大袈裟な表情ひっくるめて5番7番加え古典の単純志向とは違い多彩な内容を凝縮してまとめているだけに、わけがわからなくなることがなく、最初に聴くのには向いている。マルティノンも良い盤悪い盤ある人だと思うが、これは客観性に走らずバランスがよい。もう少し聴いていたくなる演奏。
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プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」

2018年11月12日 | プロコフィエフ
チェリビダッケ指揮RAIナポリスカルラッティ管弦楽団(memories他)1961/10/22live・CD

古くから海賊盤で知られた音源。録音は悪い。オケもそこまで精度が高くはなく音は鄙びてもいるが、しっかりしたチェリビダッケの構成と緊張感がイタリアオケの緩さをなくしている。スピードがあり、扇情的ではないが力感のある音響で聴衆のブラヴォを呼んでいる。ただ音源の問題としてピッチがかなり高い。memoriesの常だが海賊盤と同じ音源を使用していると思われる。これは気持ちが悪く感じる人は感じるレベルのもので、それゆえ私ものれなかった。
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プロコフィエフ:組曲「キージェ中尉」

2018年11月11日 | プロコフィエフ
シェルヘン指揮パリ放送交響楽団(altus)1954/1/20・CD

シェルヒェンはどんなオケ相手でも自分の音楽を引き出してしまう。強引な曲作りで即興的なのに、オケも崩壊するのにそれでも扇情的な魅力を保つ。プロコフィエフにフランスオケはもってこいで、この曲は映画音楽ということで平易さに回帰したものゆえ、メロディがきわめて明らかで瑞逸のものであることもあってさほど気にならないが、荒っぽい奇矯さやロマンチシズムの重さ、くぐもりが野暮ったくも感じさせるプロコフィエフを、音色の明るさと色彩感でフランス物のように昇華させることができる。さらにここではシェルヘンのスピードに加えてリズム感の良さが光る。それによくオケがついていく。これはあっという間に聴けてしまった。相性の良い組み合わせだ。
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プロコフィエフ:歌劇「賭博者」組曲~Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ

2018年10月14日 | プロコフィエフ
ミュンシュ指揮ORTF(SLS)1946/11/14シャンゼリゼ劇場live

プロコフィエフ意気軒高たる時期「形式の打破」を体現する一曲として現れたオペラである。しかし平易できわめて描写的で、ほの暗くもカラフルな音の縦横に詰め込まれた作品は人好きするものだ。さらに組曲版全5曲となればフランスでも演奏され・・・さすがにディアギレフに扱うのは無理だったろうが・・・スタイルによっては「アラとロリー」をやるよりもフランス的な軽々しいものになりうる。ミュンシュはいきなり咆える。つまりロシア式と言えそうな野獣のような迫力で「これはボストン???」という錯覚を覚えそうになる。その迫力がいっそう諧謔味を引き立て、悪い録音ではあるが、4曲の抜粋ではあるが、この曲の野心的なさまをダイジェストで味わわせてくれる。終曲はまるでマーラーかショスタコかという分厚さがうれしい。筋肉質で弛緩を許さない。それでも鄙びてしまうところはあるが、拍手カットが惜しいほど。ミュンシュがプロコをあまりやらなかったのは惜しい。
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プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番

2018年07月15日 | プロコフィエフ
D.オイストラフ(Vn)メータ指揮ロス・フィル(SLS)1970/3/12ドロシー・チャンドラー・パビリオン(ロサンジェルスミュージックセンター)live

オイストラフには「出してはならない時期の録音」というものがあって、これは最晩年のそういうものである。かなりヤバイ箇所があり、二楽章は弾けてるのに両端で音程がメロメロというのは下手ではない、他の理由でそうなっているのは安定感のある音からも明白なのだが、この状態の同曲の録音は他にもあり、ひょっとすると同じものかもしれない。シゲティが蘇演し成功をおさめて作曲家も喜んだという、独特だがプロコフィエフ最盛期の精華が現れた名作であり、技巧的にウォルトンがパクるほどの特徴的な叙情性をいかに演じるかだが、オイストラフはもとから「弾け過ぎ」のため同曲の意図して煮え切らないメロディや殆ど装飾的な音符でしか構成されていないフレーズとか前半期プロコフィエフ特有の「前衛性」を、どこが前衛的なんだか、普通の曲じゃん、という印象に変えてしまう。シゲティ後年のカスれて何の音を出してるのか解らない箇所だらけの録音が良いとは言わないが、楽曲には不思議と合う。とにかくハイフェッツしか知らない西側の人々の前に、巧すぎる刺客としてソビエト連邦から現れたこの人、作曲家とも共演しているとおり認められてないわけはなく、上手すぎても問題ないのだが、音楽にはやはり何かしらプラスとともに「マイナス」も必要なのだ(曲によって)と思うこともある。しかし、こんな演奏でも普通に拍手だけで送り出す暖かい聴衆に、この人の受けてきた賞賛の残り香を嗅げることは嗅げる。この曲めあてで同盤を買うことはおすすめしない。カップリングは亡くなってしまったスクロヴァチェフスキとのベトコン。時期的にベトコンというと誤解されそうだがベートーヴェンのコンチェルトです。版は知らない。
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☆プロコフィエフ:「三つのオレンジへの恋」~スケルツォと行進曲

2018年02月07日 | プロコフィエフ
◎ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(BSO)1953/11/28live・CD

同日のアンコール。クリアなモノラル録音で瑞々しい弾けるような音楽を楽しめる。演奏自体非常に立派で弛緩なく、鮮やかなプロコ節を大管弦楽の隅々まで表現しきっている。素晴らしい。ミュンシュの脂っぽさもこの短い曲ではほとんど聞こえず、ジョージ・ルーカスとジョン・ウィリアムズが組んで作った映画音楽のネタ元を、同じボストンオケの手でやっている、そこが個人的にも面白かった。音が一緒だ。◎。

※2007-06-14 17:16:08の記事です
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☆プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番

2018年02月02日 | プロコフィエフ
○カペル(P)ミュンシュ指揮ボストン交響楽団?(DA:CD-R)1953/3/21live

唖然とさせるような超絶なピアニズムを見せ付けるカペルの前にはミュンシュは鈍重とすら感じられる。もっとも緩徐部の情感にはやや欠けるように思った。ミュンシュはプロコフィエフですら厚ぼったいロマンチシズムを演出してくるのでその点真逆。でもミュンシュは下手ではない、旋律音楽であるこの曲でさえそのじつ縦をいかに響かせるかが肝要、メカニカルな構造をギリギリのところで守りきっている。曲をちゃんと見切っているのだ。フィナーレ最後はカペルもミュンシュも融合し盛大なブラブォを呼んでいる。録音最悪。よれすぎ。○。

※2011-01-12 18:23:12の記事です
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☆プロコフィエフ:冬の祝日(子供の組曲)

2018年01月08日 | プロコフィエフ
○サモスード指揮ソヴィエト国立放送管弦楽団、少年合唱団(合唱指揮:ソコロフ)(westminster)LP

8曲からなる組曲で晩年のプロコフィエフの「境地」をうかがい知ることのできる楽曲。当時西側ではあきらかに日寄った(体制におもねった)と見られた極めて平易な曲だが旋律の魅力だけでも十分に楽しめるものとなっており、現代においてイデオロギーや政治的背景抜きで改めて評価すべき楽曲だと思う。モダンな響きやコード進行は蔭をひそめ、20世紀初頭に作曲されたといっても通用しそうな感じである。演奏はかなりボリューム感があるが躍動感にも欠けていない。細かい瑕疵はともかく素直に楽しめる。録音は悪い。メロディヤ原盤だろう。

※2006-04-03 10:20:03の記事です
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☆プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第1番

2017年12月25日 | プロコフィエフ
○スメタナ四重奏団(SUPRAPHON)1961・CD

アナログで聴いていたときにはずいぶんと客観的に整えすぎの印象があったが、確かに整えすぎではあるが、プロコの「仕掛け」はここまで縦をあわせ数学的に組み合わせないと効果を発揮しない側面もあり、盛り上がりどころでは「ドイツ式」の盛り上げ方、すなわち決してルバートによるのではなく縦をきっちり揃えたまま音の強さと太さで人工的な大きさを形づくっていく。それがわかるとなかなか熱のこもった演奏に聞こえてくるから面白い。ろくに曲を知らずにいきなり譜面から入った私はこういう「学術的な1楽章」にはどうしても違和感を感じてしまう。旋律が強すぎる、すなわち熱気があって当たり前の楽章、逆にそこを制御できることこそがプロなのだろう(でもやっぱりひたすら丁々発止にライヴ的にやる1楽章が好きだけど)。2楽章が肝の曲で、三つの楽章の中で飛びぬけて細かく難度も上だが、スメタナにかかるとそこがいちばんの聴き所となる。終楽章の暗さ重みはじつはこの曲の要でもあるのだが、そこはちょっと透明感がありすぎ、純音楽的すぎるようにもおもう。

※2007-08-23 23:26:47の記事です
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