ベイヌム指揮LAフィル(DG)1957/12live・CD
珍しい組み合わせではないか。ベイヌムはラヴェルを比較的振っているが響きは充実してバランスが良いものの、解釈は実直でいささか面白くない。これも同じ。他の人がやらないところで妙な音量操作をすることもあるが、他の人が少しは溜めるようなところをむしろダッシュで駆け抜ける。インテンポでもないが、何かつまらない。重心の重い響きは舞踏リズムを強調して良い。だが全般舞踏のブの字もないかんじ。オケが精度に問題あるもののカラフルなのでラヴェルらしさを感じさせ、この人がコンセルトヘボウで振っているときと同じくオケに補完してもらっている感がある。といっても厳しく律せられた演奏であり、アマチュアのものではない。この豪速球は当時のアメリカ好みのものだったのだろう、大喝采が食い気味で入る。ロス・フィル百周年記念ボックスのおまけ収録。