湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ラヴェル:ピアノ三重奏曲

2012年01月23日 | ラヴェル
○アンリ・メルケル(Vn)マドレーヌ・マルチェリ=ヘルソン(Vc)エレーヌ・ツーフルー=エンロック(P)(gramophone)1931/3/12・SP

読みが違ってたらすいません。フォーレのカルテットで知られた組み合わせのトリオである。メルケルはラヴェルと同時代のヴァイオリニストとして知られ、パリ音楽院管弦楽団をはじめとするオケのトッププレイヤーとしても著名だが、意外と実直で折り目正しい演奏ぶりが、極めて美しいタッチを披露するピアニストと対照的である。この時代仕方ないかもしれないが盛り上がると各々が主張してアンサンブルに軋みが生じたり、反じて堅くなってしまったり、一楽章終盤から三楽章までは、ああこの時代ぽい「録音」だな、と思ったが、聞き物は四楽章にあった。それまでラヴェルらしい繊細で精密な演奏を提示してきたピアノが、リスト風の大見得をきり、メルケルらもまた大きくテンポを揺らしてロマンティックなダイナミズムを発揮、しかし、結果としてズレない!見事な名人芸だ。メルケルの音色は清朗ではあるものの今の耳からすればやはり懐かしいものがあり、それが活きているのもこの四楽章である。なかなかよかった。○。
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スメタナ:交響詩「わが祖国」~モルダウ

2012年01月20日 | 北欧・東欧
○シュヒター指揮NHK交響楽団(KING,NHK)1959/10/4放送live・CD

堂々たる演奏で下手にヨーロッパのやる気の無い有名楽団にやらせるより余程完成度が高くなっているのではないかと思う。うねうねとうねる伴奏音形の連綿と綴られ行く中に一切のほつれがなく、ズレもブレもなく、だから主旋律や、コントラストのついた中間部も活きてくる。シュヒターの面目躍如といったところだろう。アンコール音源かもしれないが、それであればなおさら驚愕である。○としておく。
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レスピーギ:リュートのための古い歌と舞曲弟3集~アリア他

2012年01月18日 | その他ラテン諸国
○バルビローリ指揮NYP(DOCUMENTS,artone)1938/2/7・CD

まったくバルビ向きの曲で、パーセルとかRVWの室内合奏とかやっている感じで軽く、僅か感傷的に聴くことができる。編成をしぼっているのかNYPにしては統制もとてもよく行き届き、壮年期の溌剌とした演奏振りは才気煥発といったふうだ。チェロパートソロのフレージングなど後年のどろどろしたうねりは無いものの、さすがチェリストという特有の巧みさを感じさせる。これは私はCD復刻を見たおぼえはないのだが、ひょっとすると協会盤(DUTTON)で復刻されていたかもしれない。
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ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲ニ調

2012年01月18日 | ストラヴィンスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(DOCUMENTS,artone他)1948/3/10・CD

artoneのバルビローリBOXはどうやらSP廉価復刻レーベルドキュメントの後継らしいのだが、収録曲を誤って記載している通販サイトもあるので注意(ローマの祭が松になっていたり)。最近品薄だったが2012年初旬廉価でタワーに入荷している模様(定価で倍で買った私・・・)。これはハレを使っていることもあり、壮年期バルビの力強い表現が行き届いて尚かなりロマンティックな性向もあらわれており、チェリストであったバルビの面目躍如たる弦楽合奏のキレキレ具合もあいまってかなり楽しめる。ドキュメント音源特有のノイズリダクションと残響が気になる向きは気になると思うが私は聴きやすいと思った。ストラヴィンスキー新古典時代の作品を潤い深く聴きたい向きにはどうぞ。○。
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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番

2012年01月11日 | ショスタコーヴィチ
○スタイヴサント四重奏団(columbia)1942/7/30・SP

性急な演奏であっという間に終わってしまう。個々そうとうな技術力とアンサンブル能力を持っていることは一目瞭然なのだが、ややつんのめり気味というか、テンポが前に向きすぎな感もある。音色はいい。○。
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バーバー:キルケゴールの祈り

2012年01月08日 | アメリカ
○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団&セシリア協会合唱団、レオンタイン・プライス(Sp)クラフト(Msp)ミュンロ(T)(WHRA)1954/12/3live・CD

ミュンシュはバーバーを得意とした指揮者ではないがロマン性を色濃く残したバーバーの分厚い管弦楽を捌くに適した特性を備えていたと思う。この大規模な曲でも合唱団やソリストと一体となり巨大で力強い音楽をつき通し、あっという間に聞き通させる名人芸を見せている。○。
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バーバー:ヴァイオリン協奏曲

2012年01月05日 | アメリカ
○スポールディング(Vn)オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(WHRA)1941/2/7live・CD

残っていたのが奇跡、公開初演の記録になる(世界初演ではない)。つまり原典版であり、全体に長ったらしく別の曲かと思うようなところもあり、また厚ぼったいが、三楽章はほぼ現行版に近い無窮動となっている。音は悪いが名手スポールディングによる名技的表現を楽しむにはギリギリokといったところか(個人的にはスポールディングの圧力のある音は好きではないが。。)。驚嘆の声を伴う拍手は曲に向けてのものというよりソリストに向けてのものかもしれないが、二度聴きたいとは思わないものの、改訂版にはない重厚で壮大な作品世界は、ロマン派好きにはアピールするだろう。
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バーバー:交響曲第2番~リハーサル

2012年01月03日 | アメリカ
○作曲家指揮ボストン交響楽団(WHRA)1951/4/6-7live(6/23放送)・CD

25分余りのリハーサルだが迫力のボストン響による本番を聴きたかったと思わせるだけのものはある。バーバーはメロディーが重要だが、綿密なリハの中でしばしば作曲家自身が歌って指示しているところ、バーバーの聴き方、というものが改めて提示される。一楽章。
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バーバー:コマンド・マーチ

2012年01月03日 | アメリカ
○クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(WHRA)1943/10/30live・CD

快演・・・といわざるをえまい。戦争絡みの曲、演奏ではあるが、前向きで、歌詞でもついてそうな勇ましさ。クーセヴィツキーがまたよく軽快に響かせる。○。
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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」

2012年01月03日 | 北欧・東欧
○ブダペスト四重奏団(RCAvictor)1940/2/2・SP

現代的な技巧と往年の柔らかな表現が融合したような演奏。この時代にこの精度なら申し分ない。
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バーバー:管弦楽のためのエッセイ第2番

2012年01月03日 | アメリカ
○ワルター指揮NYP(WHRA)1942/4/16カーネギーホールlive・CD

どうも弦楽器のキレが悪いのだが珍しい曲を少しマーラーチックに深みを持たせてロマンティックに流れさせていくさまはまあまあ面白い。トスカニーニがやっていれば、と思わずにおれないが。。楽団特有の鈍重さがバーバーの響きにはあっているかもしれない。○。
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バーバー:管弦楽のためのエッセイ第1番

2012年01月03日 | アメリカ
○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(WHRA)1938/11/5live・CD

きびきびした動きがはっきりとらえられ、アダージョと同時録音とは思えない。これは食い気味で拍手入るわな、というみずみずしいアンサンブル、鍛え上げられた楽団の性能が発揮されている。曲もバーバーの代表作のひとつ、おすすめ。○。
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バーバー:弦楽のためのアダージョ

2012年01月03日 | アメリカ
○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(WHRA)1938/11/5live・CD

言わずもがなのトスカニーニのアダージョだが、さすがに古く、音がくぐもってしまっている。演奏は感動的なので○はつけておくが。
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バーバー:交響曲第1番(一楽章の交響曲)

2012年01月03日 | アメリカ
ワルター指揮NYP(WHRA他)1944/3/12カーネギーホールlive・CD

改訂版。ワルターはこの曲を評価していたという名指揮者の一人。有名な録音だが、ロジンスキと比べて聴けばわかるのだが、勘どころがつかめていないというか、近視眼的で、流れで聴いていてもどこが聴かせどころで、最終的にどこへ持って行きたいのかわからない。それほど乗った演奏というわけでもなく、ワルターがどうしたかったのか・・・録音も悪い。無印。
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マーラー:交響曲「大地の歌」

2012年01月03日 | マーラー
○ヴンダーリヒ(T)ディースカウ(B)クリップス指揮VSO(DG)1964/6/14live・CD

最近のDGはこういう録音状態の悪いものも出すのだなあ。また、男二人大地というのも、とくに告別が男というのは興を削ぐなあ。その二つがネックではあるものの、演奏自体はアグレッシブで、リズミカルな表現ではこれがウィーン響かというような統制のとれたさまが愉快であり、クリップスとの相性良さを感じさせる。それが度を越して前のめり過ぎるのはご愛敬。○。
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