湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:交響曲第4番

2018年11月29日 | マーラー
ハルバン(sp)ワルター指揮NYP(COLUMBIA/SLS他)1945/05/10スタジオ

戦争末期のセッション録音でSP起こしのSLSの音はというと、パチパチノイズの嵐。慣れていないと聴いてはいられない。アナログ生音源ではないためデジ化によりエッジの立ったノイズが凄まじい。最近のSLSはましになったがこれは昔のSLSの、超マニアック音源と言うべきものだろう。生なましいのではなく剥き身という感じ。音はマーラー向きで明るくはなく、一楽章前半こそ鈍重な感じもあるが、その印象はすぐになくなり、四楽章に至っては俊敏なアンサンブルを楽しめる。歌唱も安定している。セルフノイズキャンセリングすればまだワルターが最盛期の香りを残した速いスタイルに胸踊らせることも可能かもしれない。
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楽譜が全部iPadになる日が来るのか?、アイヴズと猫、ホースレイ、完全ワイヤレスBTフォン、RVWオックスフォード哀歌はフロス・カムピ似

2018年11月29日 | Weblog
◇このクラスのオケの本番でiPadの電子楽譜で弾いてるの始めて見た。右手空いてるからといって突然落ちたらあと暗譜でしょ。。  #nowplaying "Yuja Wang - Ravel Left Hand Piano Concerto" https://youtu.be/ZbEtk1kdYx4

◇YouTube: Charles Ives, Three Places in New England - Ensemble intercontemporain https://youtu.be/kP0yMg6_Yaw

YouTube: CATcerto. ORIGINAL PERFORMANCE. Mindaugas Piecaitis, Nora The Piano Cat https://youtu.be/zeoT66v4EHg

演奏家は非音楽を音楽に仕立てる大変な仕事、という話。

◇十年ぶりにぐぐってみたらコリン・ホースリー(ホースレイ)の日本語Wikipediaがあるじゃないか。中身はないけど。あと古くから知ってるブログの古い記事。(上はヴォーン・ウィリアムズ)


◇horenの完全ワイヤレスBTフォン、よく接続断するようになった。電池が切れかかると特に。理由もなく切れることも。頻度はドンキブランドのフォンと変わらない。ドンキブランドの方もケースの蓋が開きやすく勝手に接続したり電池切れしたりする。ただ、これはわりと昔からBTフォンではよくある

◇YouTube: Ralph Vaughan Williams, An Oxford Elegy
https://youtu.be/QpbVBoQ-NAw

分析無き感想は主観に依るため作品評価がブレるが、これは日本語Wikipediaの「野の花に近い」に同意する。戦後作品にも関わらず同じスタイルで書けたこと。野の花は何のテクストにも依らない抽象性を強調する作品だったが、これはナレーションがある点晩年的。

◇バルビエの歌う博物誌。ラヴェルの象牙の塔に籠もった様な音楽にルナールは困惑した。作風を劇的に変えたヴォーン・ウィリアムズがラヴェル師事直後ウェンロックを書いたもののハウスマンに拒否されたのに似る(一部削除が直接原因)。我々は新しい音楽に慣れて、ラヴェルが超未来的だったのを忘れる。
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ドビュッシー:カンタータ「選ばれし乙女」

2018年11月29日 | ドビュッシー
アンゲルブレシュト指揮ORTF他(ina)1954/12/30live1955/1/6放送

この日の中プロにあたり(モツ40、フォレレク)環境雑音の気になるモノラル録音。違和感のない低音を欠いた明るい響きで終始軟らかく、初期的な大曲。低音を欠くといってもホルンなどのちのドビュッシーに見られない常套的な挿入もある。アンゲルブレシュトのドビュッシーはわりと客観的でそのぶん響きが美しく、これは録音状態からいってこの曲を楽しむに不十分なものではある。
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フォーレ:レクイエム

2018年11月29日 | フランス
アンゲルブレシュト指揮ORTF他(ina)1954/12/30live1955/1/6放送

モツ40、ドビュッシー選ばれし乙女につづくこの日のメイン。アンゲルブレシュト得意の曲だが意外と生命力があり、ロマンティックではないがしっかりメロディを聴かせるような音響になっている。モノラルの放送エアチェックレベルの録音で(一か所撚れる)それほどインパクトの強いものではないし、透明感はあるが繊細さは思ったよりないので、こだわりなければ他の良い録音で聴くのがよい。
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マーラー:交響曲第9番

2018年11月26日 | マーラー
ホーレンシュタイン指揮ORTF(ina)1967/9/7live放送

ina配信ではPHF07009231。ステレオではあるが部分的に一部のチャネルしか音が入っていないことがあり、他のチャネルは音を発する楽器がないとしても少し気持ち悪い。ホーレンシュタインはペルルミュテールとのラヴェルのコンチェルトのようにぶっきらぼうなフランス向きでないスタイルを貫くことがあり、一楽章ではそれが楽団の軋みとなって各所に雑味を残している。それでも中間楽章よりはましか、とくに三楽章は遅く確かめるようなテンポ取りがもどかしい。何も考えず音を堆積させていくような、硬直した野暮さを感じる。それでもこの曲は四楽章が上手くいけば拍手喝采になってしまうし、ホーレンシュタインもクレンペラーをふやかしたようなスタイルが少し解釈的になってきて楽しめる。でも余韻は無い。ブラヴォから始まるが、ブーイングのほうが高まるのもやむなしか。
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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ

2018年11月25日 | チャイコフスキー
バルビローリ指揮LSO(EMI)CD

弦楽合奏曲ゆえ元チェリストでアンサンブルもやっていたバルビローリには期待させるものがあるが、チャイコフスキー自体はバルビローリの気質と相容れないものがある気がする。軽いというのともまた違うが。これはバルビ節より、まず弦楽合奏としてまともに出来ていて、楽団もハレより一段上ということで聴きごたえはある。反面バルビで聞かなければならないという必然性は無いかもしれない。人工的に感じるテンポルバートはバルビのスタジオ録音の宿命か。
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デュルフレ:レクイエム

2018年11月23日 | フランス
モーレーン(b)デゾルミエール指揮ORTF他(ina)1947/11/1live放送

録音はノイジーで悪い。曲は清澄で適度に人好きする内容、デゾルミエールにしては情感もあり惜しい。割とすぐ聴き通せた感。フォレレクを好きならこの曲も受け容れられるだろう。フォレレクより表出力は大きいし、どちらかというと初期六人組ぽさもある。
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ハーマン:白鯨

2018年11月23日 | Weblog
バルビローリ指揮NYP他(bs)1940/4/14初演・CD

人好きする音楽で適度に現代的だが基本、ウォルトンのトロイラスとどっこいどっこいか少し劣るくらいの聴感。歌劇だがどうしても映画音楽的に聴いてしまう。映画音楽にしては長過ぎる。飽きなかったのは不思議だがこれこそマニア向けで、バーナード・ハーマンはクラシックに明るい作曲家だが、バルビローリのネームで聴くものだろう。バルビローリらしいねちっこさが無くはない。別の指揮者で聞いたらもっと清新かもしれない。録音は悪い。
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プロコフィエフ:交響曲第1番(古典交響曲)

2018年11月22日 | プロコフィエフ
アンチェル指揮ACO(RCO)1969/2/23live放送・CD

このオケの鈍重さがあらわれたかと思いきやすぐ機能性を発揮し明るい響きで躍動感あふれる演奏に仕立てている。凝縮され筋肉質の演奏、ではないが、すくなくとも四楽章はミスが聴かれるが、ライヴ感あふれる魅力的な演奏に仕上がっている。
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ストラヴィンスキー:花火

2018年11月22日 | ストラヴィンスキー
ヘンツェ指揮ACO(RCO)1968/10/31live放送・CD

堅さが残るのは作曲家指揮者の演奏らしいところ。フォルムはがっちりしているが響きはそれなりにそれらしく、この曲の綺羅びやかな響き、描写性とは遠いが、同時代の録音で聴かれたような少し解析的なものも含む演奏。
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ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴス幻想曲

2018年11月21日 | ヴォーン・ウィリアムズ
〇サージェント指揮LSO(warner/EMI)CD

これが決定版といっていいだろう。スピードが弛緩しない中で情緒的な伸縮を含めスムースに構成されており、手あかのついたこの曲をそれでもしっかり楽しませる力がある。情緒におぼれず、しかし無視せず、サージェントらしいかっこよさで、オケも締め付けが厳しそうな雰囲気はあるも、トスカニーニの時代とバルビローリの時代をつなぐような良さを持っている。
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ウォルトマン:夜の競技場

2018年11月21日 | Weblog
ミトロプーロス指揮NYP(SLS)1940/12/22live

ウォルトマンはハンソンの同窓であるという。アメリカ往年のロマンティックなドラマないし映画音楽を思わせるが、時代はwwⅡ戦中でおそらく同時期の作曲だろう。なかなか心のこもった音楽で現代的な棘もなく、かといって古臭さもない。録音もこの時代にしては良いし、家庭交響曲の前プロとしては十分だろう。
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R.シュトラウス:家庭交響曲

2018年11月21日 | Weblog
ミトロプーロス指揮NYP(SLS)1940/12/22live

初演団体(の後継)による演奏ということで価値がある。実際分厚いヨーロッパ的な響きや、技術的な瑕疵のほとんどない精度、これはミトプーも得意とした分野の(壮大で複雑な近代音楽)ものということもあるか、ウィーン風の歌いまわしやブラスの地力、そういった機能的な面で非常に聴きごたえがある。ミトプーの記憶オンリーの指揮というやり方もこういう自然なうねりの構築に役立っているかもしれない。とはいえ1940年という時期は不思議な気がする・・・ミトプーは既にNYPを振っていたのか。あと情緒的な部分を盛り上げる構成がいまひとつで、楽章間に切れ目のないこのような大曲においては莫大でとりとめのない印象がある。ミュンシュなど上手かったのだなと思った。40年の録音にしては音が明瞭。
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日々雑記2018/11/13-20duttonの現状、アイヴズ4番

2018年11月20日 | Weblog
「神ってる」「コミンテルン!?」という諸兄に受けそうな曲について書いたりするが、きほん身が入ってないので投げやりになる。今はフランスなんですよ。うん。

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フェイスブックでduttonが秘曲編曲新録する中RVWの秘曲を出していたが廃盤で英国でもプレミア化を知りDownload購買。拘らないならストリーミングのが安い。>English Clarinet Concertos Dutton Epoch https://www.amazon.co.jp/dp/B00BPT3M14/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_Lum8BbB10EFB2… @amazonJPから

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"Charles Ives Symphony No. 4, BBC Symphony Orchestra/David Robertson, cond./Ralph van Raat, piano" #nowplaying https://youtu.be/aMT_EGXQwyk
この曲は実演では到底バランス良く聴き取ることが(ホールと聴力の制約により)できない。一部ニヤニヤ笑いながらもしっかり弾ききるBBC響らにより作り上げられた精緻なカオスは、しばしゾッとする瞬間がある。ノイズから賛美歌が立ち昇りノイズに還ってゆく。マーラーは次の世界を見たのか。
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ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

2018年11月20日 | ラヴェル
A.チャイコフスキー(P)シーガル指揮バーミンガム交響楽団(SLS)1976/12/30live

バックオケが弱い。木管だけは皆うまいが基本的に即応性がなく統制がいまいち。しかもモノラル!ソリストは同曲を録音したり演奏したソヴィエトのピアニストたちと割と同傾向で、重く前時代的な部分を払しょくしきれずラヴェルとしてはいささか軽やかさ(難しいパセージをそう思わせないようにさらっと響きを整えて披露する)に欠け、とはいえ普通に上手いソリストだけれど、ミスもないとも言えないし(悪録音のせいで聞こえない可能性あり)、それもオケがテンポにのらないせいとも・・・悪くはないがこれが70年代の演奏となると疑問は持ってしまう。あと、やっぱりニュアンスに欠けるというか、音色が無機質。これが同日のラフマニノフとなると途端に水を得た魚になるので笑ってしまう。。

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