ワルター指揮NYP(sls)1946/2/6live(1941?)
金管のひびきはのちのアメリカ音楽に影響をあたえたろうし、いわゆるユダヤ的書法はバーンスタインに受け継がれているだろうし、けれども、このての「こだわりの語法(癖)」をもつ作曲家の作品は、非常に聴く人を別ける。さらに作曲家「自身」の個性があらわれていると感じる部分と、「使命感」として用いている民族的手法の部分というのは別のようにかんじていて、この作曲家に関していえば、後者がどうも私は苦手らしい。独特の音律が陰鬱で呪術的な印象をあたえ、分厚い書法もあいまって、どこか派手なリズムや印象的な「普通の」旋律を入れてもらわないと、ワルターでさえこのようにしかさばけないのか、あるいはワルターだから同調してしまいこういう演奏になるのか、とにかく最近フランスものばかり聴いていてフランスとは浅からぬ縁のブロッホに手をのばしたらこういう結果になった。まあ、いい録音で聴けば若干印象はかわるのだろう。
1946/2/8liveがASdisc等から既出。本演奏は1941年ではなく1946年の数日違いの録音とのこと。