丸子から武蔵小杉元住吉のあたりは大きな工場など労働空間があったせいで川崎市らしい下町風情があって、商店街には安くて庶民的な店が多くあり銭湯もそこそこ多かったように思います。やっと武蔵小杉の広大な施設跡地を中心とした再開発が入り今のようなタワーマンションと総合施設ビルの林立する人工的な清潔感のある土地になりました。庶民的な店もなくはないですがはるかに大手チェーンの傘下の店が増え、昔から買い物に来る身にはここならではの手に入れたいものがなくなった気もします。しかし商店街は賑わっています。新しい店に学生たち、年若いファミリーが土日ともなると多く、昔とは違うけれど、これはこれで程よく活気づいています。余所者の口出すところではないですね。
東急東横線は各駅一つずつくらいに銭湯が残りました。川崎のあたりもまったく減りました。武蔵小杉駅近辺で一般銭湯(ホテル内温泉(運び)はありますが宿泊者のみ)は今井湯だけでしょう。といっても距離は元住吉駅のほうが近いです。東横線沿線の銭湯はみなリニューアルされていますが、今井湯もまた箱型の大きめの公衆浴場を綺麗にリフォームしています。天井の高い浴室には奥壁と対面(男女共通)2面に恐らくテンペラ画が埋め込まれ真新しく、サッカー好きの人にアピールするようなものが描かれています(奥壁は男湯は多摩川の東京側から丸子橋越しに武蔵小杉とデフォルメされた富士山を描いている)。
高濃度炭酸泉の浴槽は四人まで入れそうな長方形の浴槽で、ここの売りのようです。ただいつも思うのですが、炭酸泉は人気のうえ長時間浸かると効果があるといわれるので、人が過密に滞留して臭ったり汚れがちなのはあるあるなのですが、ここは入る人がきちんと流して入らないのかなあ…垢取り網を毎度使うことになる。一番「上流」でゆっくり浸かるのは最高です。温まるというよりミクロ泡に包まれるやさしい温湯として楽しめます。人工高濃度炭酸泉の設備は古くなるとただのバイブラになってしまいますが、ここはスーパー銭湯を除けば久が原湯などトップクラスの炭酸泉付一般銭湯に比肩するメンテのしっかりした設備です(1000とのこと)。炭酸泉の性質上激しい循環濾過がなかなか難しいのはわかります。
サウナは有料なので省略(もともと好きではない)水風呂大きめ。白湯浴槽は広くとられバイブラの脇に2つバブル設備がありますが、熱め。結局ここに浸かるのが一番温まる。脱衣場側にシルク湯があります。ここのシルク湯は洗剤の泡を流したような濃厚なミストが湧き、一味違います。炭酸泉よりこちらに滞留する人もいます。3人ならゆっくり入れるくらい。洗い場はスーパー銭湯並みでシャワーも自在で固定式ではありません。やや少なめか。シャンプー等なし。
特徴的なアピールが随所に見られ、積極的な営業姿勢が読み取れます。現在の武蔵小杉の状況を反映してかやや事務的なのは仕方ない(お客さんももろ現在の武蔵小杉を反映してサラリーマン率高め)。時間によって混みますし、大きいといっても天井高い系ではありますが、うまく選んで行けばゆっくりできるでしょう。コロナ等ありますがおおざっぱに営業時間は長めに思います。共用部で飲み物のんで休むのは銭湯の醍醐味ですが、コロナ中なので控えます。ここはそこまで広くはないので団体がいたら広い脱衣場のほうで休んだほうがいいか。