湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

2019年04月19日 | チャイコフスキー

ワイエンベルグ(P)プレートル指揮パリ管弦楽団(SLS)1970/4/16live


このピアニスト、私は好きなのですが、とにかく明るくて軽く、また時折おそすぎる。技巧的にも少し衰えがでてきてたのかな、というところが無くはないがこの録音ではほとんど気にならない。柔らかい音を出すのもポイントで、ガツンとくるチャイコフスキーはここにはない。柔らかく、明るい。そういう演奏です。ステレオ。

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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

2019年04月13日 | チャイコフスキー

○フェラス(Vn)ヨッフム指揮ORTF(SLS)1964/4/9シャンゼリゼlive


う、上手い。びっくりした。チャイコンこれだけあればいいや。もう何も言うことがない。何のミスもなく何の減点もない。過度でもおとなしくもない。これしかない。ヨッフムの良さというのはこういう圧倒的ソリストを邪魔せずORTFのようなオケでもしっかり付けされられるところなんだろう。素晴らしい。

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チャイコフフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2019年01月23日 | チャイコフスキー
バーンスタイン指揮ニューヨーク・スタジアム交響楽団(DG)1953・CD

モノラルではじめは左に音場の中心が寄っており安定せず聴きづらい。演奏内容はバンスタのイメージにない正攻法。速いパセージでオケが厳しくなることもあるがそれはバンスタのせいとは言い難い。意外なほど普通に聴ける。解釈が若干軽い感じすらする。50年代アメリカの悲愴の演奏記録、として聴くにはいいか。そういうスタイルである。
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チャイコフスキー:バレエ音楽「眠れる森の美女」〜ワルツ

2019年01月19日 | チャイコフスキー
ライナー指揮シカゴ交響楽団(vai)1953/11/18放送・DVD

案外立体的でトリッキーな書き方をするチャイコフスキーは曲によっては俊敏で表現力ゆたかな奏者を要求する。「偉大な芸術家の思い出」系の曲は力技ではチャイコフスキーの書法の独特さを聞かせることができない。ポルタメントまでかけてワルツを演出しては細かな音符をびっちり揃え緩急はっきりつける弦楽は素晴らしい意図通りの効果を出している。これは客席も盛り上がる。アンコール二曲目。ラスト。
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チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」〜花のワルツ

2019年01月19日 | チャイコフスキー
ライナー指揮シカゴ交響楽団(vai)1953/11/18放送・DVD

雄渾な演奏だが直線的ななかに音量など細かい操作がきいておりショウとして見せるライヴの醍醐味が感じられる。メインのワルツ主題をいちいち音を切ってアタックつけて弾くのはさすがに草だがこれも終盤には全体にグルーヴがかかってきて効果的なフィナーレになる。ラストを繰り返すのは??引き締まった良い演奏。アンコール一曲目。
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チャイコフスキー:交響曲第5番

2018年12月10日 | チャイコフスキー
マルコ指揮ウルグアイ放送交響楽団(eternities)1956/5/12live

マルコのウルグアイライヴということでSLSで既出かもしれない。極めて悪い音のはずだがノイズリダクションされ疑似ステレオ化されている。しかしそれでも三楽章まではインパクトのある演奏ぶりで、「マルコのウルグアイライヴは凄い」という印象がモノラル悪録音特有の聞き手のバイアス(想像力)がかかっていたわけではないことがわかる。フォルムを崩さず少し硬直するスタイルとはいいつつ、いかにもロシアの指揮者のアゴーギグというところが散見される。感情には流されないが、オケのやる気、とくに弦は良い。木管が弱く、三楽章あたりになってくると録音がボロボロになっていくこと込で残念感が出てくるが、悪くはない。四楽章はフォルムを大事にしすぎて、遅くて人工感が出てくる。マエストーソ前はやりすぎだ。だがしかしブラヴォの終演。マルコが好きならどうぞ。
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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ

2018年11月25日 | チャイコフスキー
バルビローリ指揮LSO(EMI)CD

弦楽合奏曲ゆえ元チェリストでアンサンブルもやっていたバルビローリには期待させるものがあるが、チャイコフスキー自体はバルビローリの気質と相容れないものがある気がする。軽いというのともまた違うが。これはバルビ節より、まず弦楽合奏としてまともに出来ていて、楽団もハレより一段上ということで聴きごたえはある。反面バルビで聞かなければならないという必然性は無いかもしれない。人工的に感じるテンポルバートはバルビのスタジオ録音の宿命か。
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チャイコフスキー:イタリア奇想曲

2018年08月01日 | チャイコフスキー
ロザンタール指揮パリ国立歌劇場管弦楽団(Ades/Universal)1957-59・CD

管弦楽曲作家として広く認知されていただけあってフランスでもこの曲はやられていたらしく、少しの違和感もなく、ただオケがからっとしているので響きに違和感がある向きもいるかもしれないが「イタリア」だからこれでいいのである。横の動きはイタリアでも縦の印象は重苦しいロシアロマン派ではあるが、そのへんロザンタールはすぱっとスタイルをあわせてロシア的な盛り上がりを派手に作る。リムスキーより違和感がないのは才能の差かなあ、と思ったりもした。
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☆チャイコフスキー:交響曲第7番(ボガチレフ編)

2018年03月14日 | チャイコフスキー
○オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(COLUMBIA,CBS他)CD

長く、ほぼこれ一枚しかなかったはずである。「題名の無い音楽会」などライヴで国内試演されることはあっても全曲はなかなか聴けなかった。チャイコフスキーにそもそも興味を示していなかったオーマンディ(ラフマニノフ以降は大好きだったのに)が、恐らく「新し物好き」の範疇で手を出した編曲作品で、私はLPで聴いているのでやや音が煤けているが、それでも派手な弦楽器が繰り出す強い音楽は魅力的にひびく。曲はよく知られたとおり寄せ集めで、その中でもいくぶん原型をとどめている1楽章は面白い。直前の5番よりむしろ4番を思わせる強引だが細かく複雑な書法、激しい転調などいかにも最盛期チャイコフスキーの鋭敏な感性を示している。とくに響きの移ろいがオーマンディ盤においてはとても明瞭で、チャイコがやや(自己に)保守的になる前の野心を透けてみせる。中間楽章は3番を思わせるところのある渋いもので諸所面白いところはあるし、終楽章は5番を思わせる部分がある。

フィラデルフィア管は弦の個々人が非常に強く派手なぶんバラケを感じさせるため、求心的な演奏を好む人は避けがちかもしれない。この曲ではブラスが目立たないこともあって長所の一端が失われてしまっているようにも感じる。しかし今もって最も「聴ける」音盤には変わりないだろう。じつにまとまった1枚。現役ではないのが惜しい。

※2010-07-16 11:59:19の記事です
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☆チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」

2018年02月06日 | チャイコフスキー
◎ラフリン指揮ボリショイ劇場管弦楽団(stradivari)LP

非常に求心力が強く前進する力にあふれ、ラフリン・モノラル期の激しい演奏振りが楽しめる魅力的な演奏。ラフリンのモノラル期に似ている指揮者としてはガウク以外に思いつかないが(後代ならスヴェトラ)、ガウクならばこの曲を散文的に処理するものを、もっと最初から計算したうえでギリギリと締め上げていくトスカニーニスタイルのロシア版といった趣がある。オケがまた素晴らしい。音色にはチャイコの国民性も西欧折衷性も両方バランスよくあらわれ、民族臭さがない一方では他国ではこんな音のする演奏はありえないだろうとも思わせるものになっている。四楽章でややスケールを大きく横の幅をしっかりとった演奏になっているのはこの指揮者特有の予定調和的構成感そのものであろう、もっとガウク的に即興的に熱していってもいいとは思うが、全体としては壮大に終わるからよいのだろう。イワーノフふうのベートーヴェン的解釈に近い部分もあるが、それでも魅力的。◎

※2008-02-16 22:38:27の記事です
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☆チャイコフスキー:交響曲第2番

2017年12月31日 | チャイコフスキー
ロジンスキ指揮クリーヴランド交響楽団(DA:CD-R)1942live

非常にロジンスキらしい剛速球な演奏で弦のアンサンブルにかける集中力がほんとハンパないのだが、なにぶん録音が余りにデッドだ(特に1楽章!)。さらに、しょうがないのだが収録時間の短いSP複数枚にエアチェック(文字通りのエア経由かダビングを重ねたのか)録音されたものらしく、しょっちゅう盤替えのために途切れるのだ。盛り上がりどころにかぎってぶつっとしばらく切れる。継ぎ方を工夫すれば多分殆ど欠損無いものだろうからちゃんと聞けるとは思うのだが、これは生のままの姿として否定はしないけど、観賞用というより文字通り資料用。物凄い盛り上がるんだけどねー、不躾なSP雑音は雑音耐性のある私でも耳を塞ぎたい感じだった。○にするところ無印。

※2006-10-20 21:34:16の記事です
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☆チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」

2017年12月29日 | チャイコフスキー
○ラフリン指揮ボリショイ劇場管弦楽団(stradivari)LP

基本的には別名オケのロシア盤のものと変わらず、同じかもしれない。盤はモノラル期のLPとしては信じられない、片面に交響曲一曲で両面で1,2番収録という長時間録音であるが、デジタル音盤のように詰め込むことで音響的な何かがはっきり損なわれるということは無く十分の音質で、米国製デッキ向けのモノラル音として、元来狭い音場が狭いまましっかり設定されているため、これ以上の音質になる可能性はあるのかもしれないけど(原音がステレオの可能性もある)素直に聞きやすい。ラフリンの芸風はオケの薄い弦のせいで終楽章など少し空回り気味でもあるが、スヴェトラ・ソビ響の一発録音モノにもよくあった状態であり、ソヴィエトでは珍しくも無いたまたまのものであったのかもしれない。この曲はもともと各パートがしっかり弾けてないと曲にならない・・・構造的ではないのでそこを手抜きできないもので、1番に比べても露骨に弱体パートが露呈してしまう。一級とはいえないボリショイ劇場管らしいといえばそれまでだが、そもそもオケというのはメンバーが重複したり事実上同体だったりといった状況もよくあるもので、ボリショイの当時のメンバーがソビ響とかぶっていたりどっちかのトラだったりする可能性もあり、まあ、あんまりこのてのことに推測薀蓄を書くのは野暮だなと思ったり。終楽章のテンポが緩く音のキレもややないか。○。

※2008-02-16 22:49:47の記事です
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☆チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番

2017年12月26日 | チャイコフスキー
○クロール四重奏団(EPIC)

中間楽章は割合とあっさり通しているが両端楽章はかなりテンションが高く激しい。原曲のせいもあるのだろうが、こういう速いパセージと遅いパセージで表現方法を極端に使い分けている感じもする。とにかく音響バランスがすさまじく良く、アンサンブルがまるで一本の楽器のように響いてくるのが凄い。譜面を見ればわかるがこの曲でさえチャイコは結構構造的な書法を駆使しており、それがここまで噛みあって尚且つ響きのバランスにいささかの狂いもないというのは常軌をいっした巧さである。クラシックアンサンブルというのは世界中で古来手軽に楽しめる「自分が演奏する」今で言うバンドみたいなものと扱われてきたジャンルだが、ここにきて「シロウトには太刀打ちできない」演奏を耳にして、自分が恥ずかしくなった次第である。ただ、アンダンテ・カンタービレはかなり「へぇ」くらいの普通さだし、何より三楽章の峻厳さが足りない。気合が足りないのは表面のプロコ1番の演奏を思い出した。総じて○だが、両端だけでいうと文句なしに◎である。

※2007-02-07 14:50:34の記事です
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☆チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」

2017年12月02日 | チャイコフスキー
○フィテルベルク指揮ロンドン・フィル(dutton他)1946/4/9-10ロンドン,キングズウェイ・ホール・CD

2011年10月CD化(この曲のみ初CD化と思われる)。フィテルベルクの最盛期の記録といえる一連のロンドン録音がduttonで総括されている(マイスタージンガー序曲は入っていないがwebダウンロード販売でかねてより入手可能)。duttonは未聴だがダウンロード版も非常によくレストアされており、英国盤SP原盤ということもあるのだろうが、まるでモノラル末期のようなクリアでかつ重厚な響きが引き出されており、ノイズリダクションや残響には賛否あろうし、面により状態は異なるものの、鑑賞に耐え得る。このころのフィテルベルグはスタジオということもあってか踏み外すような表現はせずブラスも吼えないし弦もばらけない。引き締まった表現で散漫な組曲風のこの曲を飽きさせずに聞きとおさせる。終楽章などはイギリスオケを振っても英国風の「厳かな」雰囲気は出ていないのが面白い。◎に近い○であり、機会があればduttonで聴いてください。

※2011/11/8の記事です
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☆チャイコフスキー:交響曲第5番

2017年10月16日 | チャイコフスキー
○ビーア指揮ナショナル交響楽団(decca/グッディーズ:CD-R)1944/6/8

なかなか楽しめる演奏。雄渾で前進力があり、オケの調子もよい。弦の揃い方はSP期とは思えない。ソロ楽器もいずれも上出来。惜しむらくはノイズだがこれは板起こしゆえしょうがないだろう。ここを削って聴き易くすると弦の出来などわからなくなる。高音の抜けが悪くなってしまい、演奏自体が悪いもののように聴こえてしまう。○。ホルンはデニス・ブレイン。

:右下がブレインのサイン

※2012/12/28の記事です
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