○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(venezia)1981studio・CD
どうやら新発見音源らしい。知る限り同曲ライヴがMELODIYAから出たのみでスタジオ録音があったとすれば、未発売か抱き合わせで一瞬出て廃盤になったものと思われる(この盤の前半に収録された同年録音がそれだろうか)。遠くやや弱く、けして凄く良い録音ではないがロシアの正規盤の水準ではあり、安定したノイズレスな音で、最盛期スヴェトラコンビの筋肉質の力強い演奏ぶりを楽しむことができる。ロシアアバンギャルドの象徴のように言われる騒音主義の影響を受けた短い曲だが、ノイジーな部分はクラスター状の合奏部に僅かに残るくらいで、リズムはまさに鉄工場で規則的に打ち下ろされる大鉄槌の、実に単純単調なものにすぎない。ストラヴィンスキーやプロコフィエフの前期にくらべれば遥かに耳なじみよく(オネゲルみたいな明快な旋律線を設けないのは同時代けして珍しくない)、短く骨太の描写音楽であり、工場労働者を賛美する社会主義国家がこれを否定するのはモソロフの真意を汲んでとかいったことではなく、単に趣味だろう。甲乙つけがたいが、聴きやすいのはライヴ盤よりこちらかもしれない。もっと拡散的でスヴェトラらしいアバウトな豪快さが聴きたいのならライヴ盤を。○。このモソロフ集は転向前後を比べることのできる好企画。いずれ才能ある惜しい作曲家だったことがわかる。
どうやら新発見音源らしい。知る限り同曲ライヴがMELODIYAから出たのみでスタジオ録音があったとすれば、未発売か抱き合わせで一瞬出て廃盤になったものと思われる(この盤の前半に収録された同年録音がそれだろうか)。遠くやや弱く、けして凄く良い録音ではないがロシアの正規盤の水準ではあり、安定したノイズレスな音で、最盛期スヴェトラコンビの筋肉質の力強い演奏ぶりを楽しむことができる。ロシアアバンギャルドの象徴のように言われる騒音主義の影響を受けた短い曲だが、ノイジーな部分はクラスター状の合奏部に僅かに残るくらいで、リズムはまさに鉄工場で規則的に打ち下ろされる大鉄槌の、実に単純単調なものにすぎない。ストラヴィンスキーやプロコフィエフの前期にくらべれば遥かに耳なじみよく(オネゲルみたいな明快な旋律線を設けないのは同時代けして珍しくない)、短く骨太の描写音楽であり、工場労働者を賛美する社会主義国家がこれを否定するのはモソロフの真意を汲んでとかいったことではなく、単に趣味だろう。甲乙つけがたいが、聴きやすいのはライヴ盤よりこちらかもしれない。もっと拡散的でスヴェトラらしいアバウトな豪快さが聴きたいのならライヴ盤を。○。このモソロフ集は転向前後を比べることのできる好企画。いずれ才能ある惜しい作曲家だったことがわかる。