○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1965/2/15live
これは素晴らしい演奏なのだけれども録音が雑でちょっと聴きにくい撚れ方の部分もある。オケのボリュームと技術的なレベルの高さとアンサンブルの巧さと、癖の無い安定した音表現がこの癖のある曲の晦渋で濃い灰汁を抜き、それをルーセルの解釈者としては史上最高といっていいミュンシュが自在に動かしていく。冒頭の非常に謎めいた序奏を除けば、2楽章のエキゾチシズムが前衛に埋没するような晦渋な音楽を除けば、楽天的で古典的な交響曲として楽しめる曲なのであり、ミュンシュはそういう部分のリズムどりが巧い。ルーセル特有、リズムセクションですら分厚い和音によって鈍重にさせられてしまうという弱点が、ミュンシュにかかると軽くびしっとまとめられ克服させられる。オケの技巧が背景にあれば言うことなしだ。けしてリズム系指揮者ではないけれどもルーセルは特別である。前記の聴きにくい箇所も下手に山気やムラ気を篭めず、スコアのままかっちり聴かせることで額の皺を最小限に留めてくれる。聴衆反応もいい。○。
これは素晴らしい演奏なのだけれども録音が雑でちょっと聴きにくい撚れ方の部分もある。オケのボリュームと技術的なレベルの高さとアンサンブルの巧さと、癖の無い安定した音表現がこの癖のある曲の晦渋で濃い灰汁を抜き、それをルーセルの解釈者としては史上最高といっていいミュンシュが自在に動かしていく。冒頭の非常に謎めいた序奏を除けば、2楽章のエキゾチシズムが前衛に埋没するような晦渋な音楽を除けば、楽天的で古典的な交響曲として楽しめる曲なのであり、ミュンシュはそういう部分のリズムどりが巧い。ルーセル特有、リズムセクションですら分厚い和音によって鈍重にさせられてしまうという弱点が、ミュンシュにかかると軽くびしっとまとめられ克服させられる。オケの技巧が背景にあれば言うことなしだ。けしてリズム系指揮者ではないけれどもルーセルは特別である。前記の聴きにくい箇所も下手に山気やムラ気を篭めず、スコアのままかっちり聴かせることで額の皺を最小限に留めてくれる。聴衆反応もいい。○。