ブール指揮ストラスブール室内管弦楽団(forgotten records他)1950年代
室内交響曲的な迫力をもつ新古典主義のスタイルによる戦後作品。ストラヴィンスキーのマンネリズムから脱して汎世界的な聴き応えある作品に仕上げようというブールの意思を感じる。やや古めかしく曇った楽想を重心の低いリズム表現で、スピードは失わずに表現しており、ブールがマーラーなど指揮したのも頷けるドラマが内包されている。ベルクを想起する艶めかしいフレーズも出てきて、また、リズムは不規則でストラヴィンスキーそのものではあるが、小洒落た響きとあいまってオネゲルのように聴こえてくるところもある(ザッヒャーの委嘱)。三楽章はバルトークなど連想させる駆け巡るヴァイオリンは同時代性だろう、ブールはかなりまとまりよく仕上げ、この楽団がけして下手ではないことを証している。巧妙な響きの変化を小気味よく不協和なものを交えて自然な流れのうちに聴かせる。
室内交響曲的な迫力をもつ新古典主義のスタイルによる戦後作品。ストラヴィンスキーのマンネリズムから脱して汎世界的な聴き応えある作品に仕上げようというブールの意思を感じる。やや古めかしく曇った楽想を重心の低いリズム表現で、スピードは失わずに表現しており、ブールがマーラーなど指揮したのも頷けるドラマが内包されている。ベルクを想起する艶めかしいフレーズも出てきて、また、リズムは不規則でストラヴィンスキーそのものではあるが、小洒落た響きとあいまってオネゲルのように聴こえてくるところもある(ザッヒャーの委嘱)。三楽章はバルトークなど連想させる駆け巡るヴァイオリンは同時代性だろう、ブールはかなりまとまりよく仕上げ、この楽団がけして下手ではないことを証している。巧妙な響きの変化を小気味よく不協和なものを交えて自然な流れのうちに聴かせる。