○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(BBC、medici)1969/8/8live・CD
このシリーズの多聞に漏れず雑音の目立つややバランスの悪い録音。演奏は1楽章は丁寧なフレージング処理に力点を置いた晩年のバルビらしいスタジオ録音に近い演奏で好悪分かつだろう。2楽章はいよいよバルビらしい緩徐楽章で心根深い表現が心を打つ。3楽章は冒頭から弦楽アンサンブルがのっていて、磐石とは言い難いハレ管のとくに高弦がシャキシャキしたキレのよさを発揮して壮年期のバルビを彷彿とさせるが、主主題提示あたりから録音が旋律に偏重しているように感じ、シベリウスが後期の作り込まれた作風に移行したことを物語る立体的な書法が聞こえづらい。バルビの芸風もあるだろうが録音のせいのようにも思う。ステレオではあるが立体感が無いのだ。稀有壮大になっていって結果バルビ晩年らしい横長のクライマックス後に一斉にブラヴォが叫ばれる祝祭的雰囲気ではあるが、終楽章冒頭のテンションが維持されて聞こえてきたらと思うと手放しで賞賛する気にはならない。○。
このシリーズの多聞に漏れず雑音の目立つややバランスの悪い録音。演奏は1楽章は丁寧なフレージング処理に力点を置いた晩年のバルビらしいスタジオ録音に近い演奏で好悪分かつだろう。2楽章はいよいよバルビらしい緩徐楽章で心根深い表現が心を打つ。3楽章は冒頭から弦楽アンサンブルがのっていて、磐石とは言い難いハレ管のとくに高弦がシャキシャキしたキレのよさを発揮して壮年期のバルビを彷彿とさせるが、主主題提示あたりから録音が旋律に偏重しているように感じ、シベリウスが後期の作り込まれた作風に移行したことを物語る立体的な書法が聞こえづらい。バルビの芸風もあるだろうが録音のせいのようにも思う。ステレオではあるが立体感が無いのだ。稀有壮大になっていって結果バルビ晩年らしい横長のクライマックス後に一斉にブラヴォが叫ばれる祝祭的雰囲気ではあるが、終楽章冒頭のテンションが維持されて聞こえてきたらと思うと手放しで賞賛する気にはならない。○。