湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2007年07月24日 | ドビュッシー
○バーンスタイン指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1972live

音はよく、ボストンだけあって硬質のフランスふう情緒がバンスタの生々しさを消している。ただ、特徴的というまでもないか。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マーラー:交響曲第3番

2007年07月24日 | マーラー
○バーンスタイン指揮VPO、ルートヴィヒ(Ms)(DA:CD-R)1974live

拍節感が希薄でとくに1楽章はいただけない。悪いときのバンスタVPOが出てしまっている。すなわち即興的に横に流れてしまいきっちりしたマーラーの書法がグダグダに崩れてしまう場面が多いのである。だが中間楽章に入るとリズム的なノリが加わり音楽的な面白さが出てきて、原光あたりの歌唱ではとくに引き込まれ、終楽章は暖かく盛大に盛り上がり拍手喝采。録音弱し。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マクダウェル:ピアノ協奏曲第2番

2007年07月23日 | アメリカ
○リガイ(P)ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1966/11/20live

ドイツロマン派に範をとった事実上黎明期の近代アメリカンクラシック音楽の筆頭にあげられるマクダウェルで近年人気が復活しているようだが、ちょっと民族様式的なものも聞かれるとはいえ全体的にリストやグリーグからチャイコフスキーやラフマニノフといった同時代ロシアと歩調をあわせたような曲想で一貫しており、権威主義的・凡庸で面白くないという聞き方もできるのかもしれない。私自身は何故か聞いていて楽しかった。あんまり聞かない曲だけど、たぶん、ストコとソリストの力なのだろう。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベン・ハイム:ピアノ協奏曲(リハーサル断片)

2007年07月23日 | ドイツ・オーストリア
○リガイ(P)ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1969/11/9live

現代的な繊細な音響とロマンティックな旋律の横溢する折衷的作風が耳馴染みやすい曲で久しぶりに聞いた。リハではあるがピアニストの鮮やかな腕が諸所剥き出しに聞こえて興味深い。非常に巧い。ストコのリハは記録が多いが、やはり指示が感情的にならず実に的確でわかりやすくトレーナーとしての能力の高さをうかがわせる。もっとロマンティックな性向の曲のように覚えていたのだが案外硬質で立体的で細かい音符が多いことに気づかされたのはステレオだからか(持っている他盤はモノラルだった)。けっこう長いリハ集になっている。○。ベン・ハイムはイスラエルの作曲家を名乗ったが(この名もヘブライ語)いちおう流派的にというか生地でドイツ・オーストリアとしておきました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラームス:交響曲第1番

2007年07月23日 | ドイツ・オーストリア
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1966/11/20live

これは録音がモノラルでぼけている点がなければ◎にしたところで、一部で大変人気があるストコのブラームスが、後年タッグを組んで活躍したASOとのライヴとして示されている、だから面白くないわけがない。スヴェトラなんかに近いんじゃないか、というような表現の激しさで、一縷も決して飽きさせない配慮の行き届いた表現と言え、更に終幕のカタルシスはそうそう聞けるものではないくらいのもので、恣意的にいじっているとかいうことは大して問題には感じない。このベートーヴェン的勝利の方程式を応用した曲の本質的な部分は揺るぎがない。オケのボリュームがストコの求心力によってぐいぐいドライヴされていくさまは爽快ですらあり、スコアにこだわるマニアでなければ絶対的におすすめである。盛大な拍手が最終音の残響の終わる前にかぶさってしまうのはいささか問題かもしれないが・・・というよりちょっと聞き拍手を「重ねて録音」したようにもきこえるのがちょっと気になる。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホヴァネス:神秘的な山

2007年07月23日 | イギリス
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1966/11/20live

ヴォーン・ウィリアムズの派手な部分を聴き易くまとめて示したような曲を更に音響的に派手にした演奏ぶりである。ストコがこのような曲に示した適性が非常によく出ている。スペクタクルな側面だけではなくRVWの得意とした清潔な抒情をうけつぐ曲の性質をよく理解し繊細に表現している。このコンビが如何に相性がよく、機能的であったかを裏付ける音源の一つとして評価が高いと思う。録音マイナスだが、○。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マーラー:交響曲「大地の歌」

2007年07月23日 | マーラー
○ライナー指揮シカゴ交響楽団、ルートヴィヒ(Msp)、ルイス(T)(DA:CD-R)1958/2/20live

呼吸も大きく音楽のボリュームも変化に富んでいるのになぜか冷めて客観的なスマートさを感じさせるところがデメリットな指揮者にオケだが、1楽章などまさにそのとおりで魅力がない。録音がやや古いせいもあるが、やろうとしているドラマがドラマに聞こえない。2楽章あたりもほとんど印象に残らない。3楽章からしばらくの牧歌的な楽章においてはスピード感と即物的なからっとした表現が曲の細かい動きをきちんと聞かせて爽やかに楽しい。歌唱についてはこの音では何とも言えないが共にそれほど好調というわけでもなく力強さを感じない。可もなく不可もない、染み入ってこない様子ではあるが技術的にはすぐれていることはわかる。終楽章の告別にかんしていえば、この人は緩徐楽章において活きる人なんだなあと思わせる。とくに最後の「永遠に」あたりの法悦的な呼吸の深い表現は意表を衝かれるといえば変だが非常に感動的で、音響的にもマンドリンの奇矯に世俗的な響きまでしっかりと取り込まれ聞こえてくるのがまた、マーラーの意図をうつして秀逸である。歌唱はやはりそれほど強く迫るものはないのだが交響曲の中の声部として機能させているようにもとれる。この告別は聴く価値はある。それだけのために○。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

2007年07月22日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ライナー指揮シカゴ交響楽団(DA:CD-R)1957/11/29live

ちゃんとやっているのに印象が薄い。このオケの弱点は機能的な万能性だ。何のひっかかりもない。録音も悪いがライナーの解釈は決して情緒をいっさい排したわけでもなく揺れるのに、アンサンブル的にすばらしい技術で表現された音楽の、まったく届かないこと・・・説明不能なほど、ちゃんとした演奏ではあるのに駄演感がつよい。技術を評して○にはしておくが・・・
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

2007年07月20日 | ショスタコーヴィチ
バーンスタイン指揮VPO(DA:CD-R)1979ウィーン音楽祭live

イマイチ。録音が撚れすぎている。かすれがひどいし、ピッチも安定しない。VPOというよりNYPみたいな弦も気になる。管楽器群はあきらかにウィーンの音をしているが弦が機能性は高いがライヴでは雑味の多く色の無いNYPであるかのようだ。とくに4楽章のバラケ具合は問題だろう。またバンスタにしては意外と落ち着いていると言うか、客観的すぎる。比較的遅いインテンポというか、無個性的なのである。とりたてて印象に残らない演奏、ただ、3楽章だけはいつもどおり美しい挽歌になっている。だからバンスタではあるのだろう。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マーラー:交響曲第9番

2007年07月20日 | マーラー
◎バーンスタイン指揮VPO(DA:CD-R)1971/5/9live

すごい。前半楽章の音質はアナログステレオ録音としては最高のレベルである。後半なぜか篭りピッチも下がりいつものエアチェック音質に戻るがそれでも美しい。これは程よいホール残響のためだ。舞台から離れた客席という位置でミキシングされて聞こえるそのままの形でしっかり収録できている。細かい瑕疵などほんらいホールが吸収するもので、とくにウィーンやベルリンのオケはそれをある程度想定して多少の雑味を表現力のための必要悪として出しているものである。正しい聴取方法を録音によって示してくれているのが有効にきこえる、エアチェック海賊盤としては稀有のものだろう。いや、VPOの精度も並ではない。バンスタの統制はここまで隅々まで行き届き、ここまでピリピリ緊張感があったのか、と叱驚する。ビデオではマイクが近く音だけだとかなりきつい生々しさ、デッドな感じがあるが、これには皆無である。

そしてやはりバンスタがとてもいい。過渡期というより、長らくタッグを組んできたNYPとの定期公演的マーラーから、VPO果てはBPOほかでどんどんディープなマーラーを追求していった晩年期のあいだにあたるこの時期こそ、バンスタのマーラーは汎世界的な表現を獲得していたのだと思う。即物的前進性と情緒的ルバートの最高にバランスがよい。ルバートも完全に制御がきいているからグダグダ感はゼロ。マーラー自らになりきったような解釈は、この時点では「マーラーを越えてマーラーにならんとする」ことがない。やりすぎがないのだ。怒れる足踏み(耽溺する鼻歌ではない!)くらいである。NYP時代に持ち味としていた力強い前進性は1楽章のみならず全楽章において保たれ、4楽章に一箇所非常に気になるソロミスがあるほかは極めてアンサンブル的なまとまりが保たれ非常に高精度にきこえ、ユニテルの映像音楽でもなかったような、まるでVPOでないかのような「大人の音」で、雄渾でかつ壮大な世界が、絶妙の手綱さばきに乗っかって開けていく。精度とひきかえに音色の個性的な艶が低いピッチ以外が失われているが、これは録音のせいだろう。それがゆえにまるでBBCSOとかSWRSOのような鋭い表現が「グダグダバンスタVPO」のイメージを完全に覆す。多分録音がちゃんとしたホール録音機材でおこなわれ、恐らくは市販されることを念頭にちゃんとなされていたのだろうということは想像つくが(じっさいここまでの名演なだけに既出でないのか?日付だと違うようにも見えるが検証する気ゼロ)復刻されてないならぜひ正規化すべきである。最後まで鋭く細い響きを保ち耽溺に流されないでいながらも、常にフレージング指示の見事さはバンスタの作曲家としての感性がマーラーとシンクロして一体化したころの、まさに空前絶後の、慟哭ではなく、美しく、仄かな哀しみを載せた世界である。ワルターの解釈の延長上にあるような結部の消え入るような音、ここにも注意深いテンポルバートが指示され、きちんと表現されている。しばしの沈黙の後拍手が入るがすぐカットされている。惜しむらくは後半楽章の媒体撚れ、でも◎。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドヴォルザーク:交響曲第9番

2007年07月19日 | 北欧・東欧
○ラフリン指揮モスクワ放送交響楽団(MELODIYA)LP

わりとアグレッシブだったモノラル期の録音だが今ひとつぱっとしない。表現主義的な変化をつけようという意図とオケ側の強い表現意思は変わらないのだが噛み合っていない為に比較的地味で大味な演奏にきこえてしまう。解釈しようとしてはいるのだが表現になっていない、そんな消化不良的な感じが否めないのだ。もちろんパワーはあるし、部分的に面白いが、ラフリンがたまにやる莫大なたぐいの解釈に近いところもある。普通に聴けるが、演奏的な面白さはロジェストに軍配か。ラフリン的解釈を聴きとりたいファンならどうぞ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オネゲル:オラトリオ「ダビデ王」

2007年07月18日 | フランス
○ジットン指揮セント・ソリ管弦楽団、ガイヤール他(MUSIDISC)作曲家監修

作曲家監修といいながら自作自演とはかなり違う。ちょっとスケールダウンするかわりに精妙なまとまりが魅力で、最後の最後のアレルヤ斉唱も正直カタルシスを味わえないほどに調和を重視した解釈と言えるが、美演として記憶にのこる演奏に歌唱だろう。セント・ソリの実体はいろいろ言われるが、これは録音状態によるものか、余りフランス的なアバウトさとか特有の硬質の響きといったものは殆ど気にならない。完成度、という観点からはかなり上、だから作曲家も監修の名をつけたのだろう。アレルヤを盛大に歌いながら涙を流したい人には向かない。○。

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い

TREview『音楽・映画・テレビ』ブログランキング
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コープランド:交響曲第3番

2007年07月18日 | アメリカ
○作曲家指揮トロント交響楽団(DA:CD-R)1976/11live

ロデオとともに演奏されたもの。録音瑕疵はあるがステレオ。ライヴの生々しさが売りの演奏だが、CBS正規録音のものに近い客観的なテンポ感が若干興をそぐところもある。トロント交響楽団はアメリカオケの典型ともまた違ったもう少し深みのある音を聞かせて美しい。マトリックス上はイギリスオケに近いところに示せるのだろうが、それよりはアメリカやフランスに近いか。まあ、でもオケは素晴らしく腕がある。○。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コープランド:バレエ音楽「ロデオ」抜粋

2007年07月18日 | アメリカ
○作曲家指揮トロント交響楽団(DA:CD-R)1976/11live

派手な広がりのあるステレオ・エアチェックでこの時代にしてはいいとおもう。部分的にかなり撚れるがそのくらいは貴重な音源価値の前に見逃しておこう。迫力ある音楽はこのオケの力量を象徴的に示している。精度も並ではない。コープランドの堅い指揮は少し縦がしっかりしすぎていて、作曲家指揮の悪いところがやや出ている。ホウダウンは聴衆はとても盛り上がるが余りに遅すぎて乗れなかった。老年のコープランドらしい解釈振りでもあるが。ただ、前半は迫力ある音響とパレーのように凝縮力のあるぶっ放し方(曲的にはドラティか)で圧倒されることは確かで、ライヴでコープランドがこういう腕を発揮できる人だったんだ、という点だけでも○は十分。生々しい録音ゆえに、イマジネーションは沸きづらい。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オネゲル:古典組曲

2007年07月18日 | フランス
○ザッヒャー指揮ORTF(PATHE)LP

初期もしくはバーゼルの喜びのようなものに近い六人組的な牧歌的なフレーズを、高音管楽器を中心に弦のピチカートなどをまじえて、とても擬古典とは言えないが管弦楽のとりあわせと単線的なあつかいに古典的なものを使っている。のんべんだらりとしがちなレガートな曲だけに引き締めてかかるザッヒャーの手腕が光る。薄雲のかかったような暗い曲想から輝かしいヴァイオリンの歌より金管へ受け継がれるろうろうとしたもの、弦の律動が構造的なひろがりを演出する壮大な結部への流れはオネゲル得意のあざとい狙いがあるにせよだらけずにのめりこめるのはザッヒャーだからこそか。このあたりの書法はほとんどヒンデミットだけど。いい曲はいい演奏で聴かないと屑に聞こえかねない、これはいい演奏。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする