湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:大地の歌~Ⅴ抜粋、Ⅵ抜粋

2011年12月09日 | マーラー
○ピアース(T)フェリアー(Ms)ワルター指揮VPO(PEARL)1947/9/11放送live・CD

SPエアチェックの板起こしらしく、両楽章冒頭から四分前後で切れている。ワルターの、後年のバーンスタインを思わせる独特の伸縮するロマンチシズムがオケの身体的共感により音楽に昇華している様子がとくに顕著で、全曲聴きたかったが仕方ない。ピアースの晴朗な歌唱が印象的だが、このCD自体はフェリアの小品集。○。
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マーラー:交響曲第1番「巨人」

2011年12月09日 | マーラー
○ジュリーニ指揮BPO(testament)1976/3/1live・CD

重厚な巨人で驚くが、スケールも巨人で、テンポも表情付けも今のマゼールのような印象だ。もっと感情的な歌いまわしがあって、そここそマニアを惹き付けていたとは思うが、それにしてもベルリン・フィルとの組み合わせの奇妙さというか、ジュリーニのどろどろした歌謡的な重さがオケの純粋に響きの重さと合致すると、けっこうあくが抜けて過度なロマンチシズムが薄まり、ブラヴォーに昇華するのだなあと。ジュリーニとしてもマーラーとしても少し違和感はあり、物足りない人もいようが、これはこれでありだと思う。○。
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スクリアビン:交響曲第3番「神聖な詩」

2011年12月09日 | スクリアビン
○セムコウ指揮ワルシャワ国立フィル(STOLAT)LP

あっけらかんとしたところはあるが、中庸という表現が最も似つかわしいか。特長は挙げづらいが聴きやすく適度に楽しめる。この曲にも注ぎ込まれているどろどろしたものは殆ど濾過されているようで、オケの特性でもあろうが、純音楽的だ。○。
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番~Ⅲ.夜想曲

2011年12月08日 | ボロディン
○レナー四重奏団(COLUMBIA)SP

よく穴埋めに使われていた曲だがレナーのすっきりした演奏は甘い音色(とフィンガリング)を除けば古びることなく届く。もともと楽器同士の絡み合いが単純な曲ではあるのだが、よくアンサンブルが組み合っていて、響きも美しい。録音環境もよかったのだろう。○。
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マーラー:交響曲第4番

2011年12月07日 | マーラー
○トレッチェル(Sp)クレンペラー指揮ベルリン放送交響楽団(audite)1956/12/2・CD

同じ組み合わせの名演ライヴ録音が存在するがこれは録音復刻状態がよくデータも僅かにずれているため初出ではないか。環境雑音からライヴとは思うが拍手はない。クレンペラーの古典に取り組むような真摯なアプローチ、ピリオドを思わせる強く厳しい発音に忘れかけていたクレンペラーのマーラーを思い出した。まったく独特でしかしフォルムに崩れはなく、前半楽章ではマーラーの楽器法ではなく和声の奇妙さをくっきり浮き彫りにし、三楽章では自ずとロマンチックな表情を表出させ心底揺さぶられ、その終止音がそのまま四楽章の冒頭に繋がるという、既存楽章の切り貼りとは思えないこれまたマーラーの離れ業をしっかり印象に焼き付けてくれる。歌唱はやや俗っぽいが、一楽章へ回帰するさいのヒステリックな祝祭的表現が柔らかさを打ち消してしまう。突然終わる、これもクレンペラーらしい。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:すずめばち序曲

2011年12月07日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○サージェント指揮ハレ管弦楽団(COLUMBIA)1942/7/3

復刻有無不明の旧録。RVWが民謡旋律を使って頬を赤らめてしまうような恥ずかしい軽い音楽を編曲していたことは周知のことと思うが、これもそのうちになる。但し今でもたまに演奏されるように、RVW特有のコードが頻繁に挿入され「南極」のような晩年作品に聴かれる、あるいは親友ホルストの作品に見られるようなちょっと「呪術的な」雰囲気もあり、聞き込むとそれほど単純ではない。演奏はやや脇が甘い。サージェントはどうもスマートなようでいてきっちりとはしていない場合があるように思う。ただ、時代が時代なだけに、といっても40年代だけれども、録音としてはこんなものか。○。
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ルーセル:セレナード

2011年12月07日 | フランス
○リノス・ハープ五重奏団(X5 Music Group)2009・CD

このSERENADEと題された盤(現在は有料配信で手に入る)、珍しいと同時にハープアンサンブル好きには堪らない作品に満ちており、つまり私好みであり、おすすめ。前期ルーセルの代表作、ルーセルの南洋趣味がすこやかに出たものとして真っ先に聴くべき曲の一つである(蜘蛛の饗宴、バッカスとアリアーヌ2組、交響曲第3番とこれでとりあえず事足りる)。演奏は真面目でちょっと遊びが欲しい、地味な印象を持ったが、導入口としては悪くは無い。ランパル・ラスキーヌ盤ほどの押しの強さはいらないけれども。○。
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ルーセル:木管五重奏とピアノのためのディヴェルティメント

2011年12月07日 | フランス
○バイロン・ラクロワ(P)フランス木管五重奏団(ランパルほか)(DISCOPHILES FRANCAIS)1955/2/14

A面のセレナードはCD化しているがこちらは不明。作品番号6の作曲的初期作品だが上品で既にルーセル的な味のある音楽になっているのが面白い。小品ゆえ余り話を拡げられないが、アンサンブルの巧い演奏、とだけ。○。
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2011年12月07日 | チャイコフスキー
○ウッド指揮クイーンズホール管弦楽団(COLUMBIA)1923/4/17-18・SP

正直うまくはない。縦がガタガタだったりベタ弾き過ぎてメロディーがメロメロだったり、録音都合で数の少ない弦楽(バイオリンが1stしかきこえない四楽章冒頭には苦笑)はがんばっているが難がないとはいえない。三楽章こそプロなら誰がやったって聴けるものになるわけで、直線的に気を煽るわけだが、ここでも気になるのは録音都合のカットの存在。一楽章など構造を無視したいくつもの大カットには悲しくなる。まさに悲愴だ。演奏は中庸で悪くないだけに。。演奏を考慮して○にはしておく。
Comments (2)
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番

2011年12月06日 | チャイコフスキー
○ブダペスト四重奏団(HMV)1929/2/8、9、11・SP

ロイスマンがセカンドに入った二期メンバーによる演奏ということになる。チャイコフスキーが1番の簡潔な民族主義から西欧的な構造を兼ね備えた先進的なスタイルに進化したさまが如実にうかがえる曲で、演奏にもそれを的確にえぐり出すことが求められる。偉大な芸術家~に近く、4番以降のグラズノフに大きく影響を与えた、いわば交響曲的な発想を抱えた曲なだけに、1番ほどにはストレートに伝わらないが、飽きない面白さがある。今のレベルからすれば箸にも棒にもかからない演奏でベタ弾きは多用するわ音色も鄙びてはいるわだが、曲の理解はしっかりしており、音程の甘さやアンサンブルの不格好さは置いても聴きごたえがある。二楽章の難しさはチャイコフスキーの室内楽のしばしば示す閉塞的なカイジュウさそのもので、ここでもうまくはいっていないが、他の楽章、長大な一楽章においては前衛的ともいえる頻繁な転調をしっかり追い、あの素晴らしい三楽章においてはチャイコフスキーの魅力をまあまあ引き出し、四楽章においてはあの素晴らしい第二主題を伴奏と切り離さんばかりに自在に表現させ(好悪あろうが)今は聴けないたぐいのロマン性を提示している。や、誉め過ぎたが、最古の全曲記録として価値はあろう。○。
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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)

2011年12月06日 | ストラヴィンスキー
○エサ・ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団(放送)2011/8/17プロムスlive

目の醒めるような煌びやかさとコンサート形式での「作法」のようなものがしっかり踏まれている、というところに惹かれた。純粋に音楽としてストラヴィンスキーの特異性とは何だったのか、透過的に見通すことができるとともに、これはオケの力もあるかと思うが、けして冷徹で客観的にもならず適度に柔らかく演奏しているところにも惹かれた。技術に殆ど瑕疵なし。現代でこういう演奏が聞けることに感銘。○。
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バーバー:弦楽のためのアダージオ

2011年12月05日 | アメリカ
○リットン指揮ロイヤル・フィル(放送)2011/8/16プロムスlive

バックスの大曲あとチェロのソリストによるアンコールならびに休憩明けでしめやかに始まる。これまたアクがなく聴きやすい。過度の感情も冷たい純音楽志向もなく、何かしらの素直な祈りを感じさせる。○。
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バックス:交響曲第2番

2011年12月05日 | イギリス
○リットン指揮ロイヤル・フィル(放送)2011/8/16プロムスlive

後期RVWを思わせるモダンなひびきと抒情性を兼ね備えた曲で三楽章制の立派な作品。演奏がなかなか素晴らしく、リットンを久々に聴いたがロイヤル・フィルの明るくやわらかい特質によって曲の陰りを抑え聴きやすくしている。なかなか。プロムス特有のブラボー。
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ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

2011年12月05日 | 北欧・東欧
○ロストロポーヴィチ(Vc)クーベリック指揮NYP(MELUSINA:CD-R)1976live

解釈自体セルとの実演と似ているのだが、ソリストはより自由に動き、オケはやや緩い感がある。にもかかわらずセル盤以上の巨大ブラボーでびっくり、おそらく客席録音であり、音をとらえきれていないのだろう。とにかく、ロストロ先生の神懸かりのボウイング、ヴィブラートに浸るしかない、たとえ「ワンパターン」と感じようとも。○。
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ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

2011年12月05日 | ラヴェル
○ブール指揮南西ドイツ放送交響楽団(LANNE:CD-R)1964/1/1live

録音が悪くて伝わりづらいが明晰で水際立った美演。ブールのフランスものはハズレ無し。朝の、波泡立ちはぜるような表現に技術的な陰りは一切無い。ラヴェルでは重要なことだ。○。
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