りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

侮ってはいけない。

2010-10-26 | Weblog
昨日。

仕事帰りに、近くのショッピングモールへ行った。
催場に、小学生のポスターコンクールの入選作品が展示してあった。
(上の写真参照)

テーマは、どうやら“反戦・平和”のようだ。
やはり県庁所在地が被爆都市だけあって、入選作品の中にも
原爆ドームを題材にした作品が目立つ。

しかし、その中にも、“お”と思わず唸ってしまうような
作品もいくつかあった。

たとえば、この作品↓


この色使い。
黒バックに赤い文字。
大人で、しかも広告のデザイナーを生業にしている僕でも、
中々使う事がない。というか、使わせてもらえない(笑)←お客さんは好まないんだよね。
意識的かどうかは分からないが、この色使いで核兵器の
恐ろしさや問題の重みを十分にアピールしていると思う。

この作品も、息を飲んだ↓


何がスゴいって、タイトル(キャッチコピー)がない
小学生がポスターを描く場合、なぜか最初に描くのがタイトルだ。
きっと無意識のうちに、“ポスター=要タイトル”の図式が、
子どもたちの頭の中にも刷り込まれているのだと思う。
小学時代の僕も例に漏れず、そうだった。
しかし、この作品はその既成概念を何の躊躇もなく、ヒョイっと飛び越えている。
そして、まるで似顔絵でも描くように、悲壮感に溢れた汚れた男女の顔を描いている。
まるで一時期のベネトンのポスターのようだ。
この発想力。描写力。思わず“すげぇ・・・”と呟いてしまった。
余談だが、数十点掲示されている入選ポスターの中で、タイトルがなかったのは、
このポスターだけである。
そういう意味では、このポスターを入選作に選んだ審査員の先生も偉いと、僕は思う。

そして最後にこれ↓


みなさん、このポスター小学何年生の作品だと思います?
僕は、最初名前も学年も見ずにこのポスターを目にしたのだけど、てっきり高学年だと思って
あらためて学年を見たら・・・なんと、小学3年生
マジかよウソだろ
上記の作品の時は呟いただけだったが、この時は本当に声を出してしまった(笑)
正直に言えば、“何か参考にしたポスターかフライヤーがあるんじゃないのか?”と
うがった見方を僕はしている。
でも。
それでもこの作品はスゴイと思う。
仮に参考にした作品があったとしても、それをチョイスしたセンスに脱帽。
そして、それを自分なりにアレンジして作品にした技術力と創作力に感嘆。
全体的には、ちょっと時代を感じる。
もしかしたら60年代のポスターかフライヤーを参考にしたのかもしれない。
しかし、それでもスゴイと思う。
タイトルの“HEIWA”の文字をよ~く見て欲しい。
ポスターの半分をタイトルに使うという大胆さ。
そして、目立たないがこのポスターも黒バックである。
いや、ホントにスゴい。
そういえば、さっきから僕はこの作品を、“何かを参考にした”という
前提で説明している。
しかし、もしも、このポスターが何も参考にせずに、小学3年生のまったくの
純真なオリジナルの発想に基づいた作品だとしたら・・・それはスゴイを通り越して、
恐ろしささえも感じてしまう


結論:若い芽は、早めに摘まねば(爆)
コメント (4)
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