りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

干汐は、わしらの海じゃけぇ。

2012-08-07 | Weblog
先日の日曜日、子ども達と海水浴へ行った。

先週、ボクと冷戦状態だった娘も念のため誘ってみたら、「ヒマだから行ってもいいよ」と
生意気な口調で答えた(笑)

子ども達は、「しまなみビーチ」とか「サンセットビーチ」といった、ここ10年ほどの間に
オープンした瀬戸内海の真ん中の島にある海水浴場の名前を挙げていたが、ボクの独断で、
家から最も近い「干汐海水浴場」へ行った。

ボクはもちろん、ボクの2人の子ども達も、海のすぐ近くで暮らしている。
そんな生活をしているのに、わざわざレジャーとして海水浴へ行く必要があるものか。
島育ちの子どもにとって、夏に海で泳ぐことは、特別なことなんかじゃない。
ご飯を食べたり、宿題をしたり、マンガを読むことと同じ、生活の一部だ。
だから、あえて最も近い海水浴場に向かった。

ボクの生まれ育ったこの島には、5つの海水浴場があった。
しかし時代の流れの中で次々と閉鎖され、今では島の中の海水浴場は、ここ「干汐海水浴場」
だけになってしまった。

干汐海水浴場は、おそろしく小さく古い海水浴場だ。
それでもこの海水浴場が賑わっているのは、ここが遠浅で波もおだやかな浜辺だからだ。
家族連れや初めて海に入るような幼児には、もってこいの浜辺なのだ。

ボクも子どもの頃からここで泳いでいた。
小学生になってからは、夏休みになると、友だちとバスタオル1枚だけ自転車のカゴに入れて、
毎日毎日やって来た。

余談だけど、10年前、ボクが初めて書いてコンクールで受賞した小説は、この海水浴場を
舞台にした小説だった。
処女作の舞台にこの浜辺を選んだのは、偶然でも思いつきでもなく、たぶんボクの中で、
この海水浴場が特別な場所だったからだと思う。

先日訪れた干汐海水浴場は、ふだんのおだやかな海と違って、台風が近づいていたためか、
少し波が高かった。
子どもの頃なら、あっという間に泳いでたどり着いた沖に浮かぶ飛び込み用のいかだまで、
泳いでも泳いでも、なかなかたどり着かなかった。
それは波が大きかったからなのか、それとも、ボクの体力が昔よりも落ちたからなのか、
分からないけど・・・。

しまなみビーチやサンセットビーチへ行きたがっていた子ども達も、嬌声を上げながら泳いでいた。
しぶしぶといった感じでついて来た娘も、太陽の真下で笑っていた。
まだ足が着かない深い海を怖がる息子も、なんとか浮き輪片手に自力でいかだまでたどり着いた。

いかだの上で大の字になる。
潮風が、心地いい。
太陽が、眩しい。
青い海が、気持ちいい。

時代が変わっても、大人になっても、干汐は、わしらの海じゃけぇ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする