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台湾の台南

2013-04-06 16:29:42 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」台湾でも歴史の古い街、台南。
オランダ人がアジア貿易のひとつの拠点としてゼーランディア城を構え、清朝時代初期には首都として政治・文化・経済の中心地ともなったところ。
古い街並みを今なお多く残す台南は、情緒豊かで、旅人の好奇心を満足させてくれることだろう。

台南には、縁結びの神様”月下老人”を祭った「大観音亭」「祀典武廟」「重慶寺「」大天后宮」の四大縁結びスポットがある。
大変ご利益があるそうで、海外からも良縁を願って参拝する人が後を絶たないとか・・・

台湾は、美味しいものがたくさんある、グルメ観光の地だ。
ここ台南には、”担仔麺”がある。
海の幸に恵まれている地の利もあって、エビと甘辛い肉味噌をのせて食べる。
台風で漁に出られない時を『小月』といい、猟師たちが稼ぎを得るために天秤棒(担仔)に担いで売り歩いたことが謂れとなっている。
”棺材板”は、揚げた食パンの表面を薄く剥ぎ、そこにクリームシチューを入れて剥いだパンで蓋をしたもの。
かりっとした食感の食パンとまろやかなシチューの組み合わせは、女性に人気がある。
この食べ物の名の由来は、見た目が石の棺おけを連想させることから客によって命名されたというのだ。
棺おけと食べ物の連携という発想、これにはちょっと驚いた。

神農街は、台湾初の貿易街として賑わったところで今も古い建物がひしめいて、ショッピングを楽しめる街としていき続けている。
帆布バッグの店「廣富號」は、かつて学生かばんを専門としていたのだが、現在は高い技術でおしゃれなデザインのバッグを製作し、人気が高い。

アジア諸国では、家庭で料理をする習慣があまりないところも多く、市民の胃袋は屋台で満たされる。
「花園夜市」は、台南市民の食卓。
しかし、台北の毎日のように夜市が開かれるわけではなく、台南では週3日と決まっている。
巨大なたこ焼きのような”章魚大丸仔”は、海の幸にシイタケなどどっさり入れた魚介の旨味濃い食べ物。
うどんの上に巨大な牛ステーキを乗せたものが、なんと600円ほどで食べられるとあっては、毎日でも繰り出したくなるというもの。
さまざまな食べ物が、ずらりと並んだ屋台で提供され、食いしん坊にとってはこの世の極楽だ。

台南から車で40分のところには、きらきらと白く輝く山がある。
実はこの山、全部塩でできているのだ。
以前、巨大な塩田を誇っていたこの地で製造された6万トンの塩でできた山「七股鹽山」だ。

台湾は、亜熱帯に位置し、南国の果実も豊富、また海に囲まれているために新鮮な魚介類もあり、人が食べていくのにとてもすばらしい条件を持っている。
歴史的には、もとより住んでいた人たちは、中国や欧米各国、日本などによって自分たちの土地を勝手に扱われ、苦難に満ちたものであったことだろう。
それでも、ところを変えながら細々でも自分たちの文化を守っていられるのは、台湾という地力の恩恵だと思える。
人の歴史は、強い者や国を追われた人々が、新天地を求めて先住の人たちを圧迫しながら築き上げたと言っても過言ではないだろう。
現在、一見平穏そうな台南の歴史も、多くの苦難を経てきたものであることに変わりはない。
旅行者にはうかがい知れないことが、どこにでも秘められている。
それも含めてさまざまなことに思い巡らせながら旅をするのが、旅行の真髄といえるのだろう。