第3日 2004年2月22日(日) 晴後雨 <11番藤井寺~12番焼山寺>
=最初のへんろ転がし=
5時半起床、6時朝食。弁当とウーロン茶のお接待をいただく。
そのうえ、弁当包みには、おかみさんが一人ひとりにメッセージを
書いて下さった。ありがたくいただいてさくら旅館を出る。
天気予報は「午前から前線の接近で雨」と告げていたが、まだ青空
がいっぱい。11番藤井寺までは昨日通ったコース、山すそで今年
初めてウグイスの声を聞く。
藤井寺門前のトイレを借り、いよいよへんろ転がしに挑戦である。
昨年、一昨年と中山道をご一緒させてもらったEさんが、5日前に
出発して遍路中なので、へんろ転がしにの様子を、昨夜、電話して
聞いたら、「熊野古道を歩いた人なら大丈夫」といわれ、ひと安心する。
四国八十八ヶ所の小さなご本尊を刻んだ石仏群が終わると、山道に
かかる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/3e/fbd4aee4c543cd5aba16343510818233.jpg)
疑木の階段を上がるうちに東の山から朝日が差し込んできた。
ウグイス鳴く林を抜けると、眼下に吉野川沿いの展望が広がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/30/231f53017e78cc992ab6f1ec9dc758c5.jpg)
気温も上がり早くも大汗。東屋があるあたりも絶景である。落ち葉が
たっぷり積もる上り道で白衣なしの遍路2人を追い越す。
右手谷筋の展望を見ながら右回りにトラバースして番外霊場長戸庵
に着き、小休止で通過する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a4/56e0438fcd0e7d7731981d1d1f127b74.jpg)
さらに疑木の階段を上がると展望が開け、しばらくは快適な尾根
道が続く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/28/9cb191d88459a8ab10e66289ddbb55df.jpg)
同宿?の2人を追い越し、タクシーで藤井寺まで来たというY夫妻も
追い抜いた。
幅広い尾根道でウグイスがしきりに鳴く。ヒノキ林を下って次の番外
霊場柳水庵に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/6a/af32ef0e82b2f455ecb6a7d71b5d5196.jpg)
少し下ったところで、野宿のお遍路さんが無料宿泊できる小屋を
建築していた。間もなく完成するという。
尾根筋の緩やかな車道を上がると西側の山上集落がよく見えた。
林道を離れ左手の山道に入る。
杉木立下のジグザグの上りが続き、道幅こそ狭いが、昨年秋歩いた
熊野古道・大雲取道を思い出す。
次の番外霊場は一本杉庵。県天然記念物になっている大杉の下に
大和永乗師像が立つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/6f/cc6eeae34116c4cd824ef5c59d9c49ab.jpg)
松風騒ぐ緩やかな林道を上がり、杉木立の下を下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/04/625a33475c1958eb1077ef312e186a03.jpg)
さらに急坂を下って梅の咲き始めた左右内集落に下りた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/d0/868d14c72f82e82ff2374236f01b8115.jpg)
集落の西に回り、左右内川のきれいな流れを前に休む。いよいよ
焼山寺への最後の上りである。
心配していた雲が一面に広がってきた。杉木立の下の上りが続き、
心臓の鼓動が聞こえてきたので、ペースを落とす。
やがてマンサクの咲く林道に出た。林道の石垣から冷水が流れていた
のでのどを潤す。あと500mの標識のあたりでシジュウカラが鳴いた。
12時過ぎ、大杉の林立する山の霊場、12番焼山寺に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/17/5027fcab1926eb5ae5411dee7f34a6d9.jpg)
歩き遍路の必携書「四国遍路ひとり歩き同行二人」別冊には、11番~
12番の所要時間は、健脚4~5時間、並足6時間、ゆる足8時間と
あるが、4時間40分ほどで歩くことができた。
車で来た団体の遍路さんが20人ほど、カートに荷を積んだ歩き
遍路もいた。
今日の宿泊は、山道と天候を考え、3kmあまり下の鍋岩の民宿を
予約してあったが、焼山寺に予想外に早く着いたので、境内の公衆
電話でキャンセルして、10kmあまり先の旅館を予約する。
寺の下の梅林のかたわらで、咲き出した梅を眺めながら昼食を
して鍋岩に向かう。太い杉木立下のへんろ道を下ってゆくうちに、
天気雨になった。
車道に出て間もなく、番外霊場の杖杉庵がある。弘法大師の姿を
求めて歩いた衛門三郎が大師と出会った場所とか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/69/2c5bb8b14c8fd6a74757305e1789b20a.jpg)
大師と三郎の像、そして立派なイチョウがある。
すぐ先の梅林からへんろ道へ。杉林の下りで、焼山寺へ向かう若い
女性遍路2人と行き違う。
車道へ出て鍋岩集落を通過、玉ヶ峠への遍路道を聞いて山道に入る。
山すその林をトラバースして2ヶ所ほど民家の前を通過、簡易舗装の
林道をしばらく進んで峠にかかる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/d8/3bf6a24ff6f3140d758f953e438c04e1.jpg)
峠への上りは思いのほかあり、再び汗をかいて玉ヶ峠に出た。無人
の店で休んでいるうちに雨が降り出した。軒下でザックカバーをして
ポンチョを被る。
予約し直した旅館まではあと約5km。鮎喰川を右下に見下ろしなが
ら、車道をどんどん下る。
府中、宮分、川平、長代と下るにつれ、上の方ではちらほらだった
梅が満開となり、長代では斜面一面が梅の花に包まれていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/37/305aa3bd4b30889f80e6d9c31ff1ad4d.jpg)
はるか下だった川もだんだん近づき、北側からの流れと合流した
本名にある植村旅館に着いた。
濡れたポンチョを干してもらい入浴。夕食は17時過ぎから。宿泊客
は、あとから着いた狛江市のMさんとの2人。お年は40歳というが、
そうは見えず若い。
会社をリストラで退社し、次の仕事の合間に歩き遍路を思い立った
とのこと。介護士の資格を取っているので就職の心配はないという。
18時半ころまでいろいろ話しながらゆっくりと食べる。
洗濯は、おかみさんが食事中にして下さった。白衣も初めて洗って
もらう。8畳間にロープが張ってあるので空調を「送風」にして乾かす。
予報より遅れて夜半に前線が通過、風雨が強まり激しい雷鳴もした。
遍路ころがしをでは雨にあわず、たいして濡れずに宿に入れたのは、
お大師様の加護と感謝した。
〈コースタイム〉さくら旅館6:37ー藤井寺7:10~25ー長戸庵8:40~44
ー尾根分岐点9:12ー柳水庵9:38~50ー一本杉庵10:30~37ー左右内
川橋際11:12~16ー焼山寺12:06~35ー(昼食)12:40~58ーおへんろ駅
(鍋岩の公民館下)13:44ー玉ヶ峠14:34~45ー植村旅館15:55
(距離 25km、歩行地 鴨島町、美郷村、神山町、歩数 44,200)
=最初のへんろ転がし=
5時半起床、6時朝食。弁当とウーロン茶のお接待をいただく。
そのうえ、弁当包みには、おかみさんが一人ひとりにメッセージを
書いて下さった。ありがたくいただいてさくら旅館を出る。
天気予報は「午前から前線の接近で雨」と告げていたが、まだ青空
がいっぱい。11番藤井寺までは昨日通ったコース、山すそで今年
初めてウグイスの声を聞く。
藤井寺門前のトイレを借り、いよいよへんろ転がしに挑戦である。
昨年、一昨年と中山道をご一緒させてもらったEさんが、5日前に
出発して遍路中なので、へんろ転がしにの様子を、昨夜、電話して
聞いたら、「熊野古道を歩いた人なら大丈夫」といわれ、ひと安心する。
四国八十八ヶ所の小さなご本尊を刻んだ石仏群が終わると、山道に
かかる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/3e/fbd4aee4c543cd5aba16343510818233.jpg)
疑木の階段を上がるうちに東の山から朝日が差し込んできた。
ウグイス鳴く林を抜けると、眼下に吉野川沿いの展望が広がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/30/231f53017e78cc992ab6f1ec9dc758c5.jpg)
気温も上がり早くも大汗。東屋があるあたりも絶景である。落ち葉が
たっぷり積もる上り道で白衣なしの遍路2人を追い越す。
右手谷筋の展望を見ながら右回りにトラバースして番外霊場長戸庵
に着き、小休止で通過する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a4/56e0438fcd0e7d7731981d1d1f127b74.jpg)
さらに疑木の階段を上がると展望が開け、しばらくは快適な尾根
道が続く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/28/9cb191d88459a8ab10e66289ddbb55df.jpg)
同宿?の2人を追い越し、タクシーで藤井寺まで来たというY夫妻も
追い抜いた。
幅広い尾根道でウグイスがしきりに鳴く。ヒノキ林を下って次の番外
霊場柳水庵に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/6a/af32ef0e82b2f455ecb6a7d71b5d5196.jpg)
少し下ったところで、野宿のお遍路さんが無料宿泊できる小屋を
建築していた。間もなく完成するという。
尾根筋の緩やかな車道を上がると西側の山上集落がよく見えた。
林道を離れ左手の山道に入る。
杉木立下のジグザグの上りが続き、道幅こそ狭いが、昨年秋歩いた
熊野古道・大雲取道を思い出す。
次の番外霊場は一本杉庵。県天然記念物になっている大杉の下に
大和永乗師像が立つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/6f/cc6eeae34116c4cd824ef5c59d9c49ab.jpg)
松風騒ぐ緩やかな林道を上がり、杉木立の下を下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/04/625a33475c1958eb1077ef312e186a03.jpg)
さらに急坂を下って梅の咲き始めた左右内集落に下りた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/d0/868d14c72f82e82ff2374236f01b8115.jpg)
集落の西に回り、左右内川のきれいな流れを前に休む。いよいよ
焼山寺への最後の上りである。
心配していた雲が一面に広がってきた。杉木立の下の上りが続き、
心臓の鼓動が聞こえてきたので、ペースを落とす。
やがてマンサクの咲く林道に出た。林道の石垣から冷水が流れていた
のでのどを潤す。あと500mの標識のあたりでシジュウカラが鳴いた。
12時過ぎ、大杉の林立する山の霊場、12番焼山寺に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/17/5027fcab1926eb5ae5411dee7f34a6d9.jpg)
歩き遍路の必携書「四国遍路ひとり歩き同行二人」別冊には、11番~
12番の所要時間は、健脚4~5時間、並足6時間、ゆる足8時間と
あるが、4時間40分ほどで歩くことができた。
車で来た団体の遍路さんが20人ほど、カートに荷を積んだ歩き
遍路もいた。
今日の宿泊は、山道と天候を考え、3kmあまり下の鍋岩の民宿を
予約してあったが、焼山寺に予想外に早く着いたので、境内の公衆
電話でキャンセルして、10kmあまり先の旅館を予約する。
寺の下の梅林のかたわらで、咲き出した梅を眺めながら昼食を
して鍋岩に向かう。太い杉木立下のへんろ道を下ってゆくうちに、
天気雨になった。
車道に出て間もなく、番外霊場の杖杉庵がある。弘法大師の姿を
求めて歩いた衛門三郎が大師と出会った場所とか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/69/2c5bb8b14c8fd6a74757305e1789b20a.jpg)
大師と三郎の像、そして立派なイチョウがある。
すぐ先の梅林からへんろ道へ。杉林の下りで、焼山寺へ向かう若い
女性遍路2人と行き違う。
車道へ出て鍋岩集落を通過、玉ヶ峠への遍路道を聞いて山道に入る。
山すその林をトラバースして2ヶ所ほど民家の前を通過、簡易舗装の
林道をしばらく進んで峠にかかる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/d8/3bf6a24ff6f3140d758f953e438c04e1.jpg)
峠への上りは思いのほかあり、再び汗をかいて玉ヶ峠に出た。無人
の店で休んでいるうちに雨が降り出した。軒下でザックカバーをして
ポンチョを被る。
予約し直した旅館まではあと約5km。鮎喰川を右下に見下ろしなが
ら、車道をどんどん下る。
府中、宮分、川平、長代と下るにつれ、上の方ではちらほらだった
梅が満開となり、長代では斜面一面が梅の花に包まれていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/37/305aa3bd4b30889f80e6d9c31ff1ad4d.jpg)
はるか下だった川もだんだん近づき、北側からの流れと合流した
本名にある植村旅館に着いた。
濡れたポンチョを干してもらい入浴。夕食は17時過ぎから。宿泊客
は、あとから着いた狛江市のMさんとの2人。お年は40歳というが、
そうは見えず若い。
会社をリストラで退社し、次の仕事の合間に歩き遍路を思い立った
とのこと。介護士の資格を取っているので就職の心配はないという。
18時半ころまでいろいろ話しながらゆっくりと食べる。
洗濯は、おかみさんが食事中にして下さった。白衣も初めて洗って
もらう。8畳間にロープが張ってあるので空調を「送風」にして乾かす。
予報より遅れて夜半に前線が通過、風雨が強まり激しい雷鳴もした。
遍路ころがしをでは雨にあわず、たいして濡れずに宿に入れたのは、
お大師様の加護と感謝した。
〈コースタイム〉さくら旅館6:37ー藤井寺7:10~25ー長戸庵8:40~44
ー尾根分岐点9:12ー柳水庵9:38~50ー一本杉庵10:30~37ー左右内
川橋際11:12~16ー焼山寺12:06~35ー(昼食)12:40~58ーおへんろ駅
(鍋岩の公民館下)13:44ー玉ヶ峠14:34~45ー植村旅館15:55
(距離 25km、歩行地 鴨島町、美郷村、神山町、歩数 44,200)