四国遍路道ある記も7日目、徳島県も最終コースとなりました。
第7日 2004年2月26日(木) 晴 <23番薬王寺>
=トンネルの多い国道55号を行く=
5時50分起床、6時半朝食、7時11分に出発する。平等寺門前で
改めて参拝し南に向かう。
馬場の家並みを抜け、県道284号を南へ。女子小学生の「おはよう
ございます」の挨拶が気持ちよい。このあたりも竹林が多い。
月夜のT字路は「日和佐」の標識に従い左折、この道は1車線あるか
なしで狭く、細かいカーブの連続である。
心地よいウグイスの声を聞きながら緩い上りで峠を越え、国道に向か
って下る。国道に出るまでの間に通過した車は1台だけだった。
国道55号に出るとトンネル通過が増える。間もなく釘打トンネル(301
m)、懐中電灯を用意したが、歩道があるのでライトをつけずに抜けた。
出たところに、室戸まで96kmの標識があった。
地図を見ると福井ダムの左岸上だが、ダムは見えない。22番奥の院、
弥谷観音へ500mの標識近くに、へんろ小屋第3号(釘打)があった。
ヒノキ材の小屋で、座布団と本10冊ほどが置いてある。
次の福井トンネルも歩道があった。小野集落は旧道を抜ける。途中、
「小野の一里松跡」の標識が立っていた。
棚田の上に猪よけのトタン板が並ぶ。モウソウチクを出荷すためだろ
うか、竹林に竹を割った段があり、運搬用の道もついている。
星越トンネルは歩道がないので懐中電灯を点灯、抜けると日和佐町。
久望トンネルを出たところに休憩舎があったので休んだ。
深瀬では、民家から掛樋(かけひ)に冷水が流れていたので飲ませて
いただく。これもありがたいお接待である。
ぼうだい橋から北河内川の対岸の旧道に入る。多少回り道だが、小
石がゆらめくきれいな流れと、ウグイスのさえずる気持ちよい道だ。
国道のようなアップダウンと、車のわずらわしさから解放される。
県道294号を経て、北河内駅(下の写真)の先で国道55号に出た。
今日は右膝にやや痛みを感じる。
日和佐川を渡って12時過ぎ、23番薬王寺に着いた。山門に大わらじ
が奉納され、大師堂前には枝の伸びた大ケヤキが立つ。
厄除けの寺として知られ、石段に1円、5円などをまきながら上がる人
が多い。最上部には、還暦厄よけの霊験あらたかという、新しい瑜木塔
(ゆぎとう)(上の写真)があり、塔の前からは町並み川や海の展望がよい。
右膝の痛みで、瑜木塔からの下りはちょっときつかった。
門前は参詣客のための食堂や土産物店が多い。その一つ、うどん
「やすらぎ」に入り、名物、厄除けうどんを注文する。
食べ終わった頃、客は私一人、若い店長が、「まめは出来ていないか」
と声をかけてきた。「まめはないが右膝が痛い」と言うと、足の不調でここ
から帰る人が結構いるという。私は、途中で帰るはめにはなりたくない。
日和佐駅を過ぎ、奥潟川沿いに西に向かう。奥潟トンネルの先で南風
が吹き、杉林から杉花粉がたくさん飛び散った。
日和佐トンネルでは歩道の設置工事中。マスクと腕章を着けさせられ、
規制された車線を進む。3月末には完成予定とか。全部のトンネルに
早く歩道を設けて欲しい。
国道はJR牟岐(むぎ)線と平行して進む。逆打ちの男性遍路が来た。
今日は東洋町を出て、23番薬王寺まで歩くという。かなりの距離だ。
牟岐線のトンネル上をオーバークロスするところが峠で、その先は橘川
に沿って下る。辺川駅先のT字路上に番外霊場、小松大師の標識があっ
たが、膝痛なので寄らずに通過する。
川又では国道の東側の旧道へ。車が来ないので安心して歩ける。消防
団の建物のそばで国道に戻り、16時40分、牟岐駅前の交差点角にある
民宿あづまに着いた。
食堂兼営のおかみ、MSさん(68)はとても話好き。部屋に案内する前に、
ひとしきり話が続く。
15年前、50歳のご主人を亡くし、やったことのない店を引き継ぎ、その
上、孫2人を育てたりして苦労を重ねたとのこと。
最近は車で四国遍路の区り打ちを続け、よその店の応対を、自店での
対応に生かしているという。
厚いパジャマとガウンが浴衣代わり。夕食は、お遍路さんからもらった
という御影帳や、地元出身の上田利治元監督のサインなどが飾られた
食堂で。
まず、お手製の食前酒(梅酒)をすすめられる。料理も盛りだくさん。
いろいろな話を聞きながらおいしくいただいた。
私には多すぎる大瓶ビールで、気持ちよく眠くなり、今日のレポート
づくりがはかどらない。右膝痛が明日治るかも気がかりだ。
〈コースタイム〉山茶花7:11ー国道55号へ8:30ーへんろ小屋3号8:41ー
室戸へ93㎞地点9:01~19ー久望トンネル南10:22ー北河内駅11:45ー
23番薬王寺12:07~40ーうどん・やすらぎ(昼食)12:43~13:11ー寒葉
坂上15:03~14ー小松大師下15:57ー民宿あづま16:40
(距離 36km、歩行地 阿南市、由岐町、日和佐町、牟岐町、歩数
58,900)
第7日 2004年2月26日(木) 晴 <23番薬王寺>
=トンネルの多い国道55号を行く=
5時50分起床、6時半朝食、7時11分に出発する。平等寺門前で
改めて参拝し南に向かう。
馬場の家並みを抜け、県道284号を南へ。女子小学生の「おはよう
ございます」の挨拶が気持ちよい。このあたりも竹林が多い。
月夜のT字路は「日和佐」の標識に従い左折、この道は1車線あるか
なしで狭く、細かいカーブの連続である。
心地よいウグイスの声を聞きながら緩い上りで峠を越え、国道に向か
って下る。国道に出るまでの間に通過した車は1台だけだった。
国道55号に出るとトンネル通過が増える。間もなく釘打トンネル(301
m)、懐中電灯を用意したが、歩道があるのでライトをつけずに抜けた。
出たところに、室戸まで96kmの標識があった。
地図を見ると福井ダムの左岸上だが、ダムは見えない。22番奥の院、
弥谷観音へ500mの標識近くに、へんろ小屋第3号(釘打)があった。
ヒノキ材の小屋で、座布団と本10冊ほどが置いてある。
次の福井トンネルも歩道があった。小野集落は旧道を抜ける。途中、
「小野の一里松跡」の標識が立っていた。
棚田の上に猪よけのトタン板が並ぶ。モウソウチクを出荷すためだろ
うか、竹林に竹を割った段があり、運搬用の道もついている。
星越トンネルは歩道がないので懐中電灯を点灯、抜けると日和佐町。
久望トンネルを出たところに休憩舎があったので休んだ。
深瀬では、民家から掛樋(かけひ)に冷水が流れていたので飲ませて
いただく。これもありがたいお接待である。
ぼうだい橋から北河内川の対岸の旧道に入る。多少回り道だが、小
石がゆらめくきれいな流れと、ウグイスのさえずる気持ちよい道だ。
国道のようなアップダウンと、車のわずらわしさから解放される。
県道294号を経て、北河内駅(下の写真)の先で国道55号に出た。
今日は右膝にやや痛みを感じる。
日和佐川を渡って12時過ぎ、23番薬王寺に着いた。山門に大わらじ
が奉納され、大師堂前には枝の伸びた大ケヤキが立つ。
厄除けの寺として知られ、石段に1円、5円などをまきながら上がる人
が多い。最上部には、還暦厄よけの霊験あらたかという、新しい瑜木塔
(ゆぎとう)(上の写真)があり、塔の前からは町並み川や海の展望がよい。
右膝の痛みで、瑜木塔からの下りはちょっときつかった。
門前は参詣客のための食堂や土産物店が多い。その一つ、うどん
「やすらぎ」に入り、名物、厄除けうどんを注文する。
食べ終わった頃、客は私一人、若い店長が、「まめは出来ていないか」
と声をかけてきた。「まめはないが右膝が痛い」と言うと、足の不調でここ
から帰る人が結構いるという。私は、途中で帰るはめにはなりたくない。
日和佐駅を過ぎ、奥潟川沿いに西に向かう。奥潟トンネルの先で南風
が吹き、杉林から杉花粉がたくさん飛び散った。
日和佐トンネルでは歩道の設置工事中。マスクと腕章を着けさせられ、
規制された車線を進む。3月末には完成予定とか。全部のトンネルに
早く歩道を設けて欲しい。
国道はJR牟岐(むぎ)線と平行して進む。逆打ちの男性遍路が来た。
今日は東洋町を出て、23番薬王寺まで歩くという。かなりの距離だ。
牟岐線のトンネル上をオーバークロスするところが峠で、その先は橘川
に沿って下る。辺川駅先のT字路上に番外霊場、小松大師の標識があっ
たが、膝痛なので寄らずに通過する。
川又では国道の東側の旧道へ。車が来ないので安心して歩ける。消防
団の建物のそばで国道に戻り、16時40分、牟岐駅前の交差点角にある
民宿あづまに着いた。
食堂兼営のおかみ、MSさん(68)はとても話好き。部屋に案内する前に、
ひとしきり話が続く。
15年前、50歳のご主人を亡くし、やったことのない店を引き継ぎ、その
上、孫2人を育てたりして苦労を重ねたとのこと。
最近は車で四国遍路の区り打ちを続け、よその店の応対を、自店での
対応に生かしているという。
厚いパジャマとガウンが浴衣代わり。夕食は、お遍路さんからもらった
という御影帳や、地元出身の上田利治元監督のサインなどが飾られた
食堂で。
まず、お手製の食前酒(梅酒)をすすめられる。料理も盛りだくさん。
いろいろな話を聞きながらおいしくいただいた。
私には多すぎる大瓶ビールで、気持ちよく眠くなり、今日のレポート
づくりがはかどらない。右膝痛が明日治るかも気がかりだ。
〈コースタイム〉山茶花7:11ー国道55号へ8:30ーへんろ小屋3号8:41ー
室戸へ93㎞地点9:01~19ー久望トンネル南10:22ー北河内駅11:45ー
23番薬王寺12:07~40ーうどん・やすらぎ(昼食)12:43~13:11ー寒葉
坂上15:03~14ー小松大師下15:57ー民宿あづま16:40
(距離 36km、歩行地 阿南市、由岐町、日和佐町、牟岐町、歩数
58,900)