あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(前編)・徳島その8/高知その1

2006-09-16 22:26:12 | 初めての四国遍路
 さいたま市大宮区のソニックシティで、「水循環を支える市民の
役割」をテーマに、『水フォーラム2006』が開催されたので、
参加してきました。

 内容を整理する時間がありませんでしたので、別途報告したいと
思います。引き続き、四国遍路道ある記を続けます。


 第8日 2004年2月27日(金) 晴 
 =徳島県を打ち終え高知県に入る=
 
 5時50分起床、6時50分朝食、チョコレートのお接待をもらい
7時35分に出発。すばらしい青空で風もなく、空気は冷たい。

 23番薬王寺から室戸岬にある24番最御崎寺(ほつみさきじ)まで
は84kmあり、民宿あづまからでも61km先である。

 右膝痛が気がかりなので、ゆっくりしたペースで歩くことにする。
牟岐(むぎ)警察署前に無料接待所があったが、歩き出したばかり
なので寄らずに通過した。


 八坂トンネルを越え、内妻峠から海を見下ろしながら下る。海南町
に入り、番外4番霊場鯖大師に参拝。

 番外霊場の中では参拝者や宿坊への宿泊者が多いところだ。

 大砂トンネルを抜け、フェニックスが茂る大砂海水浴場の先、室戸
阿南海岸国定公園の標識のところで厚手のシャツを脱ぐ。浅川湾には
いかだが幾つも浮かんでいた。


 粟ノ浦で国道55号から湾沿いの旧道に入る。湯川天神社に、「南海
地震津波最高潮位」の標識があった。

 漁船が一杯の浅川港を回り、再び上り下りして大里へ。松原の続く
大里松原海岸を左に見て、県史跡1号、大里古墳前を通過する。

 海部(かいふ)川の手前にあったサンシャイン海南というスーパーで
昼食と牛乳を調達し、トイレを借りる。奥浦の町並みを進み、海部
郵便局で当面の資金を下ろす。


 海部駅(上の写真)の近くで国道に戻り、上り坂を上がって漁火の
森公園の入口を通過、下ると2km以上続く那佐湾沿いに出て、間も
なく宍喰(ししくい)町に入る。

 風弱くおだやかな日より。湿度が低いので汗もかかず快適。右膝
痛もまずまずで、何とか歩けそう。

 那佐湾が終わって旧道に入り、小さい神社横の草地で昼食。波おだ
やかな那佐湾が逆光にきらめく。


 海部から先、JRから変わった阿佐海岸鉄道の線路をくぐり、山側
に回る。民宿はるる亭の前に、ミモザの黄色い花が咲いていた。

 道の駅ししくいの手前で国道に分かれて右へ。宍喰川を渡った正梶
の電柱の、自分の背丈ほどの高さに、1946年12月の南海大地震
最高潮位標があった。

 遍路中にこんな大地震が来たらどうしたらいいんだろうかと思う。

 水床トンネルも歩道工事中、マスクを付けて規制車線を通過。出た
ところが県境で、高知県東洋町。徳島県とともに今まで来たことの
無かった県だ。これで私の未踏の地は宮崎県だけになった。

 甲浦(かんのうら)大橋からは、右手にY字状に入り組んだ甲浦港に
並ぶたくさんの漁船が見下ろせる。


 南に進むと白浜海水浴場。若い2人しか見えない浜辺、ベンチに腰
を下ろし、干潮で砂浜の引いた湾を眺めながらしばし休憩した。


 湾を離れると上り坂となる。右カーブするところに、3人の高年女性
がデコポンやミカンなどをたくさん並べて売っていた。

 通過しようとしたら、それぞれから2つずつミカンのお接待をいた
だき、デコポンの味見もさせてもらった。

 生見の長い砂浜を見下ろしながら下る。まっすぐな道路の両側に、
ポンカン、ミカン、デコポンなどの直売店が十数店続いていた。

 国道55号の標識は、室戸岬へ35kmとなる。相間トンネルでは、
上を越す旧道に回ったら廃棄車の多い汚れた道、距離も2倍近くあり
これは失敗だった。

 高知県に入ってからの国道55号は路側帯が狭く、U字溝の半分以下
でほとんど歩けぬところもある。


 八幡神社の横から平行する旧道に入り、番外霊場・東洋大師に参拝。
間もなく野根の町並みに入り、15時55五分、まるたや旅館に着いた。

 老夫妻の経営する古い旅館。おかみさんがすぐ風呂を用意して下さり、
洗濯もしていただいた。

 夕食はご夫妻と一緒だったが、おかみさんは食欲がないと言い、ほと
んど食べない。体調不良なのに世話をしてもらい、申し訳なく思う。

 昔はこの町にも営林署など官公庁の出先機関があり、出張者のため
の宿が何軒かあったが、出先機関が無くなり、宿もまるたやだけになり、
遍路宿にしたという。

 なお、まるたや旅館は、ご夫妻高齢のため、このあと4月末で廃業
したと知った。よい遍路宿だったので残念だが仕方ない。

 17時前、カートに荷物をつけた歩き遍路が着いた。40何kmかの
長距離を歩いて来たようで、かなりの疲労を訴えていた。

〈コースタイム〉民宿あづま7:35ー鯖大師8:34~58ー大里集落の北
(休憩)10:10~14ー海南町役場南の十字路10:40ー海部駅前11:15ー
宍喰町入り11:35ー那佐の神社(昼食)12:00~36ー東洋町入り13:47ー
白浜海水浴場14:08~18ー東洋大師15:29~45ーまるたや旅館15:55

(距離29km、歩行地 牟岐町、海南町、海部町、宍喰町、高知県
東洋町、歩数 47,400)

 
コメント (2)
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