昼過ぎまで雷雨もあり、かなりの雨でしたが、午後急速に天気
が回復して快晴となり、気温も25℃を超えました。
距離の長い高知での遍路記も、そろそろ中盤にかかりました。
第15日 2004年3月5日(金) 快晴後晴
<34番種間寺~36番青龍寺>
=仁淀川を越える=
隣の人は5時に起きた。私は5時20分起床、6時朝食、北海道の
女性は朝食後すぐに出る。私は、おかみさんに見送られて6時32分
に出発した。
県道278号を西に向かう。間もなく後方から朝日が上がった。
今朝は初めて朝から快晴である。風はないが空気は冷たい。
高知市から春野町に入る。わが所沢を本拠とする西武ライオンズ
が毎年キャンプ地としていたのだが、今年は宮崎県に変わった。
唐戸で、へんろ道は県道に分かれて直進する。うっかりそのまま
左カーブの県道に向かおうとしたら、犬の散歩をしていた男性に
「まっすぐ行った方が近いよ」と教えられた。
この辺りの地形図を用意して無く、へんろ地図だけが頼りだが、
標識の見落としだった。ここで後発の2人に抜かれる。
低い峠を越えてY字路を右に入り、山すその灘集落へ。休耕田の
田んぼはビニールハウスが多い。
再び県道に出て、芳原川のおちやま橋で左折、西諸木地蔵と記
された大きな地蔵さんのそばで新川橋を渡った。
流れの豊富な用水沿いの集落を進む。今朝の冷え込みで田んぼ
は霜で白く、水たまりは凍っている。
さらに用水に沿って進み、34番種間寺(たねまじ)に着いた。
境内は樹木が少なく開放的だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/34/af7afc70a93d35285dfbbe5a30a677e2.jpg)
本堂は新しく、歩く姿の修行大師像がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/51/9b48090140af31055b29a34013b0ccc5.jpg)
そのまま用水沿いに西へ。北側は広々とした田んぼとゆるやかな
山並みが広がる。風もなく穏やかな日より。民家の庭先でジンチョ
ウゲがよい香りを放ち、白スイセンも花盛り。
新川の狭い集落から、めがね橋と呼ぶ明治の頃の古い石橋を渡
ると広い道路となり、仁淀川大橋のたもとに出た。
橋に上ろうとしたら、傍らのワゴン車の男性から、「休んでいきま
せんか」と声をかけられた。高知市のINさん(72歳)で、すぐ上で釣
具店を経営していたのだが今はお子さんに任せ、お接待で恩返し
をしているという。
血圧が高く、昨年は脳梗塞で入院したが、回復して今はほとんど
後遺症も無いという。コーヒーをごちそうになりながら、高知の造船
業の衰退、政治、教育、こどものことなど、先を見ずに走る日本の
現状を憂い、その再生には仏教が必要なのだといったことなど、
いろいろと伺った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/79/81e1a11ebc56113302e73cf3ae97f094.jpg)
幅広い仁淀川の河床には田んぼや竹林もある。南側のゆうよう
迫らぬ流れを見ながら橋を渡り、右岸堤防を1km近く進んで土佐
市内の旧道に下りた。
喜久屋旅館の先で表示に従い右折、高岡中のところを左折、三嶋
神社の西側を進んだが、国道56号バイパスを越えてから、どうも
へんろ道らしくないと気づく。
川筋に出て工事中の人に聞き、車道を北に進み、東谷でへんろ
道に合した。この辺りも地形図が無く、へんろ地図だけだったので、
現地確認に手間取った。
八十八か所の石仏が並ぶへんろ道、上り坂もかなり斜度があり、
右膝に利いてくる。がまんして上って35番清滝寺(きよたきじ)に
着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/89/e3d380e307e3f2892be81ad766b30358.jpg)
仁王門の天井に蛇龍図がある。本堂と大師堂は並んでいて、本堂
の横に寺の名ゆかりの滝が落ちているが、古くからのは枯れてしまい、
現在のは人工のものとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/00/101008343ac0cca89577aa40bf36a66a.jpg)
山の中腹にあるので、南側の展望がよい。大師堂を囲んで紅梅白
梅が見頃。納経所近くの4本のカンヒザクラも濃い彩りを見せる。
あい変わらずの膝痛のため車道を下ることにしたが、こちらもかな
りの傾斜があり痛い。文旦畑の間をゆっくりと下る。
無人販売にて文旦を500円で売っていた。かなり時間をかけて
平地に下りた。
帰りのへんろ道は分かったので、田んぼの中を抜けて三嶋神社の
鳥居の東側に出た。西側に進んだのが間違いのもとだったと知る。
昼食の調達を考え商店街を南に進んだら、コンビニ・スパーがあり、
都合よく東側が公園。トイレもあり、シートを敷いて食べる。
さて、この足できょう青龍寺(しょうりゅうじ)を打てるかなと、ちょっと
気にしながら南へ向かう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/f2/4fc980fb8fbe6c02bdeca2baf9ff4e55.jpg)
地形図から車の少なそうな道を選び、波介川の川沿いに出たらナノ
ハナが花盛り。
初田橋を渡り、初田集落をバイパスして宇佐へ向かう。堂尻の塚地
峠越えへんろ道入口に、塚地休憩所があり、東屋、トイレ、水車など
がある。
休もうかと思ったら、ワゴン車で来ていた奥様から「休んでいきませ
んか」と声をかけられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/4b/79f985de8697c236e079fe880b6d169c.jpg)
そばの石に座布団を敷いて下さり、お茶と団子、ラッキョウづけの
お接待を頂く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/ca/ba3dbcc57caf07a564e870f3d22f3ab4.jpg)
さらに自作のすてきな絵はがきも下さった。この方も高知市にお住
まいのSMさん。今日は2人もお接待を頂き、膝の痛みも和らぎそう。
塚地峠越えのへんろ道は止め、県道39号の塚地トンネル(837m)
を抜ける。長いが、手すりの付いた歩道があり、今までのトンネルで
一番安全だった。
宇佐町の湾に沿った町並みに入り、車の少なそうな細道を進んで、
宇佐大橋のそばに出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/aa/7205108e6735bb5a175bee6ab0c2b2ec.jpg)
橋は海面からかなり高く、手すりが腰くらいなので落ちそうな感じ。
マリンブルーの海面が逆光にきらめく。
渡り終えて海沿いを南東へ。白波も立たず静かな海面である。疲れ
が出てきたので、竜の浜と呼ぶ岬の休憩所で小休止した。
まもなく竜集落、湿性植物の多い蟹ケ池の縁を回り、36番青龍寺に
向かう。たくさんの石仏が、並んで迎えて下さっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/6c/0613ae5ff49e493f7e4d68bacc50514a.jpg)
急な石段の上りは右膝にきつい。両側の石垣沿いのジンチョウゲが
よい匂いを漂わせる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/99/cbb48d82f262a632bd256cdfbffeb309.jpg)
山門前に小さめの三重塔が立つ。弘法堂は改築して新しい。納経所
への下りは石段をやめ、アスファルト道を下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/14/c1841b0ee62d5e0ea2af7a3aa3568406.jpg)
今日の宿、国民宿舎土佐へは奥の院経由が近いというので、その
山道を上がる。広葉樹林に覆われた奥の院に着いたが国民宿舎へ
の標識はない。少し戻ったら宿舎への小道があった。
16時35分、国民宿舎土佐に着いた。山上にあり、東と北の海を
見下ろす展望が絶景。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/13/d05fa0e7b40e77d394586477b2c4f298.jpg)
さっそく洗濯をして、大展望風呂(といっても数人で一杯)に入る。
ここからも東側の海原の大展望が楽しめる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/80/8f4785142b3e3f3a5e19b9c92e9daf8f.jpg)
部屋も食堂も暖かく、きのうとは大違い。部屋近くの廊下に公衆
電話もあったので、久しぶりに自宅に電話して近況報告をした。
〈コースタイム〉民宿高知屋6:32ー34番種間寺7:54~8:17ー仁淀川
大橋東詰(お接待)9:09~27ー35番清滝寺10:50~11:25ー東谷の平
地11:42ーコンビニスパー東の小公園(昼食)12:18~42ー塚地休憩所
(お接待)13:36~56ー宇佐大橋西詰14:44ー竜ノ浜休憩所15:10~16
ー36番青龍寺15:33~16:00ー奥の院16:20ー国民宿舎土佐16:35
(距離 31km、歩行地 高知市、春野町、土佐市、歩数 52,500)
が回復して快晴となり、気温も25℃を超えました。
距離の長い高知での遍路記も、そろそろ中盤にかかりました。
第15日 2004年3月5日(金) 快晴後晴
<34番種間寺~36番青龍寺>
=仁淀川を越える=
隣の人は5時に起きた。私は5時20分起床、6時朝食、北海道の
女性は朝食後すぐに出る。私は、おかみさんに見送られて6時32分
に出発した。
県道278号を西に向かう。間もなく後方から朝日が上がった。
今朝は初めて朝から快晴である。風はないが空気は冷たい。
高知市から春野町に入る。わが所沢を本拠とする西武ライオンズ
が毎年キャンプ地としていたのだが、今年は宮崎県に変わった。
唐戸で、へんろ道は県道に分かれて直進する。うっかりそのまま
左カーブの県道に向かおうとしたら、犬の散歩をしていた男性に
「まっすぐ行った方が近いよ」と教えられた。
この辺りの地形図を用意して無く、へんろ地図だけが頼りだが、
標識の見落としだった。ここで後発の2人に抜かれる。
低い峠を越えてY字路を右に入り、山すその灘集落へ。休耕田の
田んぼはビニールハウスが多い。
再び県道に出て、芳原川のおちやま橋で左折、西諸木地蔵と記
された大きな地蔵さんのそばで新川橋を渡った。
流れの豊富な用水沿いの集落を進む。今朝の冷え込みで田んぼ
は霜で白く、水たまりは凍っている。
さらに用水に沿って進み、34番種間寺(たねまじ)に着いた。
境内は樹木が少なく開放的だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/34/af7afc70a93d35285dfbbe5a30a677e2.jpg)
本堂は新しく、歩く姿の修行大師像がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/51/9b48090140af31055b29a34013b0ccc5.jpg)
そのまま用水沿いに西へ。北側は広々とした田んぼとゆるやかな
山並みが広がる。風もなく穏やかな日より。民家の庭先でジンチョ
ウゲがよい香りを放ち、白スイセンも花盛り。
新川の狭い集落から、めがね橋と呼ぶ明治の頃の古い石橋を渡
ると広い道路となり、仁淀川大橋のたもとに出た。
橋に上ろうとしたら、傍らのワゴン車の男性から、「休んでいきま
せんか」と声をかけられた。高知市のINさん(72歳)で、すぐ上で釣
具店を経営していたのだが今はお子さんに任せ、お接待で恩返し
をしているという。
血圧が高く、昨年は脳梗塞で入院したが、回復して今はほとんど
後遺症も無いという。コーヒーをごちそうになりながら、高知の造船
業の衰退、政治、教育、こどものことなど、先を見ずに走る日本の
現状を憂い、その再生には仏教が必要なのだといったことなど、
いろいろと伺った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/79/81e1a11ebc56113302e73cf3ae97f094.jpg)
幅広い仁淀川の河床には田んぼや竹林もある。南側のゆうよう
迫らぬ流れを見ながら橋を渡り、右岸堤防を1km近く進んで土佐
市内の旧道に下りた。
喜久屋旅館の先で表示に従い右折、高岡中のところを左折、三嶋
神社の西側を進んだが、国道56号バイパスを越えてから、どうも
へんろ道らしくないと気づく。
川筋に出て工事中の人に聞き、車道を北に進み、東谷でへんろ
道に合した。この辺りも地形図が無く、へんろ地図だけだったので、
現地確認に手間取った。
八十八か所の石仏が並ぶへんろ道、上り坂もかなり斜度があり、
右膝に利いてくる。がまんして上って35番清滝寺(きよたきじ)に
着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/89/e3d380e307e3f2892be81ad766b30358.jpg)
仁王門の天井に蛇龍図がある。本堂と大師堂は並んでいて、本堂
の横に寺の名ゆかりの滝が落ちているが、古くからのは枯れてしまい、
現在のは人工のものとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/00/101008343ac0cca89577aa40bf36a66a.jpg)
山の中腹にあるので、南側の展望がよい。大師堂を囲んで紅梅白
梅が見頃。納経所近くの4本のカンヒザクラも濃い彩りを見せる。
あい変わらずの膝痛のため車道を下ることにしたが、こちらもかな
りの傾斜があり痛い。文旦畑の間をゆっくりと下る。
無人販売にて文旦を500円で売っていた。かなり時間をかけて
平地に下りた。
帰りのへんろ道は分かったので、田んぼの中を抜けて三嶋神社の
鳥居の東側に出た。西側に進んだのが間違いのもとだったと知る。
昼食の調達を考え商店街を南に進んだら、コンビニ・スパーがあり、
都合よく東側が公園。トイレもあり、シートを敷いて食べる。
さて、この足できょう青龍寺(しょうりゅうじ)を打てるかなと、ちょっと
気にしながら南へ向かう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/f2/4fc980fb8fbe6c02bdeca2baf9ff4e55.jpg)
地形図から車の少なそうな道を選び、波介川の川沿いに出たらナノ
ハナが花盛り。
初田橋を渡り、初田集落をバイパスして宇佐へ向かう。堂尻の塚地
峠越えへんろ道入口に、塚地休憩所があり、東屋、トイレ、水車など
がある。
休もうかと思ったら、ワゴン車で来ていた奥様から「休んでいきませ
んか」と声をかけられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/4b/79f985de8697c236e079fe880b6d169c.jpg)
そばの石に座布団を敷いて下さり、お茶と団子、ラッキョウづけの
お接待を頂く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/ca/ba3dbcc57caf07a564e870f3d22f3ab4.jpg)
さらに自作のすてきな絵はがきも下さった。この方も高知市にお住
まいのSMさん。今日は2人もお接待を頂き、膝の痛みも和らぎそう。
塚地峠越えのへんろ道は止め、県道39号の塚地トンネル(837m)
を抜ける。長いが、手すりの付いた歩道があり、今までのトンネルで
一番安全だった。
宇佐町の湾に沿った町並みに入り、車の少なそうな細道を進んで、
宇佐大橋のそばに出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/aa/7205108e6735bb5a175bee6ab0c2b2ec.jpg)
橋は海面からかなり高く、手すりが腰くらいなので落ちそうな感じ。
マリンブルーの海面が逆光にきらめく。
渡り終えて海沿いを南東へ。白波も立たず静かな海面である。疲れ
が出てきたので、竜の浜と呼ぶ岬の休憩所で小休止した。
まもなく竜集落、湿性植物の多い蟹ケ池の縁を回り、36番青龍寺に
向かう。たくさんの石仏が、並んで迎えて下さっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/6c/0613ae5ff49e493f7e4d68bacc50514a.jpg)
急な石段の上りは右膝にきつい。両側の石垣沿いのジンチョウゲが
よい匂いを漂わせる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/99/cbb48d82f262a632bd256cdfbffeb309.jpg)
山門前に小さめの三重塔が立つ。弘法堂は改築して新しい。納経所
への下りは石段をやめ、アスファルト道を下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/14/c1841b0ee62d5e0ea2af7a3aa3568406.jpg)
今日の宿、国民宿舎土佐へは奥の院経由が近いというので、その
山道を上がる。広葉樹林に覆われた奥の院に着いたが国民宿舎へ
の標識はない。少し戻ったら宿舎への小道があった。
16時35分、国民宿舎土佐に着いた。山上にあり、東と北の海を
見下ろす展望が絶景。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/13/d05fa0e7b40e77d394586477b2c4f298.jpg)
さっそく洗濯をして、大展望風呂(といっても数人で一杯)に入る。
ここからも東側の海原の大展望が楽しめる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/80/8f4785142b3e3f3a5e19b9c92e9daf8f.jpg)
部屋も食堂も暖かく、きのうとは大違い。部屋近くの廊下に公衆
電話もあったので、久しぶりに自宅に電話して近況報告をした。
〈コースタイム〉民宿高知屋6:32ー34番種間寺7:54~8:17ー仁淀川
大橋東詰(お接待)9:09~27ー35番清滝寺10:50~11:25ー東谷の平
地11:42ーコンビニスパー東の小公園(昼食)12:18~42ー塚地休憩所
(お接待)13:36~56ー宇佐大橋西詰14:44ー竜ノ浜休憩所15:10~16
ー36番青龍寺15:33~16:00ー奥の院16:20ー国民宿舎土佐16:35
(距離 31km、歩行地 高知市、春野町、土佐市、歩数 52,500)