あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

「かんぽの宿 勝浦」営業終了に触れ

2019-06-11 00:00:00 | Weblog

「勝浦のかんぽの宿が消えるのか」

「かんぽの宿 」11施設の営業 年内で終了を発表 日本郵政

その知らせを聞くと懐かしい親友の姿が浮かんだ

忘れがたいあの出来事からもう20年以上が経つのか・・・

そうか俺もあいつも若かったもんな

「貴様がいなかったら俺の高校生活はつまらなかった」

そう言うとあいつは

『それは俺のセリフだよ。本当に出会えて良かったよ』

会って酔う度にお互いに口にした。

貴様は同窓会に誘っても来ようとしなかったな

何故だ?

『う~ん・・・俺の友達は彩雲がいてくれるだけでいいんだ』

その言葉でそれ以上誘おうとしなかった

俺のような奴にそんな事を言ってくれるなんてな

そんな俺のかけがえの無い親友

高校を卒業し歩む道は違っても貴様が所帯を持つまでは一緒だった

あいつと行った勝浦かんぽの宿の思い出も忘れる事はない

 

20代の半ばの頃だった

夏になろうとする時期で暑かったのも覚えている

あいつのAE91レビンで東京湾フェリーに乗り勝浦を目指した

ナビも無い時代だったので地図を読みながら山道を走ったのだが

どの道を走ったのかは覚えていない

カセットテープで聞いていたのは二人が好きだった刑事ドラマのサントラか

女性歌手の曲だったのだろう

どんな話しをしたかも覚えていないかとにかく暑く

路肩にクルマを停め窓を開けて仮眠していたが汗をかいたのと

あいつのイビキがすごかったのは覚えている

勝浦に入りかんぽの宿に着くと宿の大きさに驚いた

かんぽの宿を選んだのは母から「比較的安くて食事も良かった」と聞いたからだった

何しろ俺たちの旅はいつも保養所や小さな宿ばかりだったが

それぞれの職場で働き汗を流し金を稼ぐようになり

大きな旅館に泊まれるようになれた事を実感した

まだ陽も高い頃に到着したので大浴場に行き汗を流し部屋に戻ったが

夕飯までだいぶ時間がある

「久しぶりにストレッチをやらないか?」

高校3年の屋内体育の授業では二人一組になりストレッチ運動をするのだった

相手は誰でも良いのだが俺たちはいつも互いを選んだ

『いいね,久しぶりにやってみるか』

布団が入っている押し入れを開け敷布団を一つだけ出して広げる

まずあいつを座らせて後ろから押した。

お互いに運動不足がたたって身体は固いが

「この感触、懐かしいな!貴様といつも二人で組んでいたもんな」

「しかし固いな(笑)よし、交代だ!」

あの頃の内容を思い出し笑い合いその時の思い出を話しながら続けた

ふと、テレビ台の下を見ると凸型の健康器具があった。

肩とか腰を押すものが

「おい、これを使ってみよう!」

ツボに入り

おぉ!これいいね』「交代!」

20代も半ばだったが子供のように遊んでいると浴衣も汗ばんできた

 

その時だった

 

入口のチャイムが鳴った。

誰だろう?俺はふすまを締めてドアを開けると

『お部屋のお布団を敷きに参りました』

中年の女性と地元の高校生のアルバイトといった感じの女の子が立っていた。

いつもの旅は自分で布団を敷くのが当たり前だったので

そんなサービスがある事に驚き嬉しくなった

「お願いします!おい、布団を敷いてくれるって!」

振り返り再びふすまを開け俺の目に入った光景は・・・

 

 部屋の真ん中に敷布団が一つだけ出され

 相方の男が1人尻餅をつく格好で座っていた

 浴衣の前ははだけ汗をかいている

 部屋には俺たち男二人だけ

 

あれ?この光景って傍から見たら・・

アレじゃないの?

恐る恐る後ろを振り返ると中年女性の方は慣れているのか動揺もしない

しかし女子高生の表情は『えぇっ?ちょっとこの人たち男二人で何やってんの?(怖)』

と驚愕の表情を浮かべていた。あららら

怖いモノを見た、とか信じられないモノを見ると人はこんな顔をするんだろうな

ここで「いや、違うんですよ。ちょっと柔軟体操をしていてですね~。

いやだな、僕たちそんなんじゃないんですよ(笑)まいったなぁ~、アッハッハ♪」

なんて言うのも逆に怪しい(涙)

しょうがないから何も言わずにいよう。

布団はスピーディーに組まれていくが女子高生の顔は未だに動揺を浮かべていた。

俺は籐椅子に座りタバコをふかし遠くを見ていた

 

あの女子高生も勝浦かんぽの宿の閉館を耳にして

あの夏の出来事を思い出しているのだろうか 。

 

 

コメント (2)
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