『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

『俊寛僧都・有王』

2008-07-19 15:23:13 | Weblog

 人間が綾なす、美しくも儚い物語。それが、「平家物語」であろう。

 その昔、琵琶法師が平家の兵の墓前で語ったと言う・・・

 まだまだ、読み始めて間もないことです。読んでは休みを繰り返していますが今日は、誰もが知っていて哀しい「俊寛・有王」の件です。

 法勝寺執行の俊寛・藤原成経・平康頼とともに、鹿ケ谷の陰謀に連座したこにより、鬼界ケ島に配流されました。

 成経と康頼は、その罪許され、島を出ることができましたが、俊寛だけは、島に残され、毎日海を見ては、京に思いを馳せていました。

 残されるにはそれなりの事情もあったのですが、そこは端折って・・・

  俊寛の侍童であった有王。

 師が島へ流された後、因果応報と言うのでしょうか、師の北の方(妻)と一人息子が亡くなってしまいました。当時12歳の娘が有王に手紙を託します。

 苦労の末、有王は鬼界ケ島を訪れ、俊寛と再会する。娘に託された手紙を渡し、それを読んだ俊寛は死を決意して食を断ち自害しました。

 有王は俊寛の灰骨を持ち帰り、高野山に納め蓮華谷で出家し、菩提を弔ったとされる。